授業の内容・目的
学部進学前のアドバンストコースとして、平成15年度に開講した。「物理生化学入門」あるいは「生体分子分光学入門」を履修することが前提であるが、できれば両方履修することが望ましい。
この演習では、担当教官の専門分野に関連した研究テーマに実際に参加することにより、研究の取り組み方を学ぶことを目的としている。
研究計画から実験報告まで、将来研究者として欠かすことのできない重要事項を一通り体系的に学ぶことができる。時間割の授業時間以外にも実験を行うことがあるので、単位取得だけを目的とする人には不向きである。
授業計画
タンパク質や脂質などの生体高分子を材料として、分光学的手法(主としてフーリエ変換赤外分光法)によるアプローチから対象分子の構造と機能の相関を解析することを目的とする。
- フーリエ変換赤外分光法の原理を学ぶ
- 研究計画
- 文献検索と文献収集
- 実験操作の習得
- 測定
- スペクトルの解析
- 実験結果の検討
- 実験結果の報告(レポート、論文作成の練習)
- 実験結果の発表(プレゼンテーションの練習)
成績評価の方法
研究の取り組み方、実験報告、発表を総合的に評価する。
平成15演習年度演習テーマ
- 「VLDLのLPLによる分解」 R. T. 医学科2002年度入学
- 「MinDとMg2+, ATP, ADPとの関係」 K. N. 医学科2002年度入学

夏休み期間中の研究打合せの光景
受講者の感想
- この講義を履修したきっかけは、第一に昔の実験で紫外・可視や赤外の吸収スペクトルについて勉強したが忘れてしまったので、これを機に復習しようと思ったことです。生体分子分光学入門の講義内容ともリンクし、分子振動による吸収の原理から理解できるのも大きな魅力でした。また、これは実際に扱うテーマを決めた後の話ですが、実験対象として用いたVLDLも、生命科学基礎bの講義で勉強していたもので、幸運でした。
第二に、これから教養部を出て学部生になり勉強が医学一辺倒になるその前に、これからまず触れることのないであろう実験テーマについて、何かしらの結果を出しておきたかったというのがあります。医学以外の勉強を本格的にできるのもこれが最後かと思うと惜しい気持ちになり、何か、やっておかなければというのがあったからです。
実験はとりあえずの成果を出すことができ、発表をすることもできたので、まずまずの出来だったと思います。また、昨年度に化学熱力学演習を受講した際にも赤外分光はやったのですが、そのときはレポートをまとめる気力がなく、頓挫してしまったので、今回のレポートでその雪辱を果たすことができたといった感じです。正直な話、得られる結果の量に対して実験の時間が長く、精神的に結構堪えるものがありました。しかしその分充実感も味わうことができました。
本当のところはもう少し実験を煮詰めたかったというのがあり、テスト期間中に全く実験をやる余裕がなかったのが悔やまれるばかりですが、今はレポートを含め全ての仕事をやり終え、ほっとしているというところです。今回はこのような実験の機会を与えてくださり、本当にどうもありがとうございました。この経験は、いつかどこかで、必ずや役に立つと思います。 (R. T.)
- はじめはスペクトルをとることにもあまり慣れなくて大変だと思っていたが、慣れてきていいデータがでるとうれしくなり、結構楽しくできた。要領の悪さもあいまって、膨大な時間をかけた気がするが、時間をかけた分の成果が出たと思う。まだデータを解析しきれていないところもあり、筋道だっていないところもあるが、自分なりにはがんばったと思う。
この実験を通して、学ぶものは多かったが、中でもなかなかできない本格的な実験手法を経験できたことと、論理力を鍛えられたことがとてもよかった。学部にあがってはほとんどできないことであるし、色んな意味で教養の集大成的な実験講座になったのではないかと思う。ありがとうございました。 (K. N.)
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