生命科学c
この科目は1年生で学習した細胞の生物学と遺伝子の生物学を受けて、個体としての生物がどのように個体を維持し、調節し、外界から身を守るかを学ぶ。生命科学のもっとも興味ある分野の基礎を学ぶことになる。また、これから進む専門分野の直接の基礎となる領域である。
生物学(にかぎらず、すべてそうなのだが)は、少しずつ積み上げて行く学問である。1年生で学習したことの理解が、これから学ぶことの前提になっている。また化学や物理学の知識も必要となる。試験を終えたらすべてを忘れてクリヤーすると言う姿勢は是非、改めてほしい。忘れてしまった人はもう一度1年生のときのノートを見直しておくように。また指定された教科書や参考書の該当する部分を眺めてほしい。
その他の参考書も下に挙げておく。 是非予習をして授業に臨むように。そして復習も忘れずに。
すでに掲示で知らせたが、なるべくインタラクティブな講義にしたいので、予習は必ずしておくこと。できれば毎回、アクションシート記入を課し、出席を取る代わりとしたいと考えている。毎回、パワーポイントで講義をする形式は取らないかもしれない。なお、本文中の誤りや、印刷用ファイルのページの誤りを指摘されたので、すべて見直して、8月27日にアップロードした。内容そのものはほとんど変わっていないので、すでにダウンロードした人はそれを使ってください。どうしても気になる人は、新しくダウンロードしてください。目次もダウンロードできるようにしてあるます。
教科書は1年の時に使った下記のものを指定する。ただしこの本だけでは、2年で学習する部分が少ないので、この教科書をベースに、各自が下記のWebや、下記に掲げた副読本、参考書を読んで学習して欲しい。
教科書:エッセンシャル細胞生物学 Albertsほか 中村桂子ほか監訳 南江堂 平成11年
また、学生が自習できるように、「生命科学c」ホームページを設けてある。このページにアクセスして、自習をしてほしい。章ごとにpdfファイルとしてダウンロードしてカラーインクジェットプリンターで印刷すれば、副読本となるように工夫されている。
さらに勉強をしたい人は、上記ホームページ内に設けてあるリンクをたどれば、世界中の該当するWebサイトへアクセスして勉強を発展させられるようになっている。英語で書かれたページがほとんどだが、チャレンジしてみてほしい。
本を使って発展的に勉強したい人のために、副読本、参考書もあげておく。
副読本としては、講談社ブルーバックス、岩波新書などに含まれる生物学をあつかった本を読んでほしい。特に関係がありそうな本を掲げておく。
「理科系の作文技術」 木下是雄 中公新書624 昭和56年
「精子と卵のソシオロジー」 緋田研爾 中公新書1013 1991年
「からだの設計図」 岡田節人 岩波新書 赤358 1994年
「脳から見た男と女」 新井康允 講談社ブルーバックス
B-548 昭和58年
「がんとDNA」 生田 哲 講談社ブルーバックス B-1154 1997年
「左右を決める遺伝子」 柳沢圭子 講談社ブルーバックス
B-1155 1997年
「腸は考える」 藤田恒夫 岩波新書 赤191 1991年
「細胞から生命が見える」 柳田充弘 岩波新書 赤387 1995年
「動物のホルモン」 川島誠一郎 裳華房 1995年
「どうしてものが見えるのか」 村上元彦 岩波新書 赤413 1995年
「精神と物質」 立花 隆・利根川進 講談社 1990年
「免疫と健康」 野本亀雄 講談社ブルーバックスB1049 1994年
「岩波講座・分子生物学」1〜12 岩波書店
「生物科学入門コース」1〜8 岩波書店
「入門ビジュアルサイエンス ホルモンのしくみ」大石正道 日本実業出版 1998年
「内分泌生理学講義」 佐久間康夫 丸善 1999年
「ポピュラーサイエンス 時間を知る生物」 裳華房 1996年
さらに詳しく学びたい人には、次の本を薦める。
参考書:細胞の分子生物学 第3版 Albertsほか 中村桂子・松原謙一監訳 教育社 平成7年
この科目は講義形式で行う。講義はおよそ次のような順序で進める。講義に参加することは必須である。あらかじめ予習をして講義に参加すること。
第1回 1.体の中の信号(受容体についての復習)
第2回 2.筋収縮の信号−カルシウムイオンの役割
第3回 3.ニューロン
第4回 4.神経による筋収縮の司令(伝達)
第5回 5.早いシナプス伝達と遅いシナプス伝達
第6回 6.シナプス伝達の修飾
第7回 7.外界の刺激の受容
第8回 8.免疫1
第9回 9.免疫2
第10回 10.個体の発生と分化1
第11回 11.個体の発生と分化2
第12回 まとめと質問コーナー
評価は定期試験期間内におこなう試験によっておこなう。
作 成:TMD WWW-WG 教養部生物学 和田 勝/wada@tmd.ac.jp
2003/08/28