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My Career Story

原田 理代 氏

大学院医歯学総合研究科(医)
臨床解剖学分野
講師(キャリアアップ)

当制度に申請した理由を教えてください。

申請時は、募集要項にある「特筆すべき業績があり」という要件について、この年齢で特筆すべき業績があったらすでに独立しているよなと思いましたし、将来独立したいのかどうかも明確ではありませんでした。教員・研究者の中で独立できるのは一部の人で、ましてや女性は少数、仮に独立できたとしても研究室を維持していけるのかどうか、無理である要素ばかりを考える日常でした。教育も研究も自分なりに精一杯やってきて、もちろん今後も取り組みたい研究はネタ帳にたくさんたまっているけれども、キャリアアップしたいかどうかは疑問に思う中で応募しました。
登用していただいた後は、大学も秋田先生も応援してくれているのだから、前向きにとらえて、最終的には独立を目指すべきなのではないかと考えるようになりました。年齢が上がるとともにどんどん減っていく女性の仲間達を残念に見送ってきましたし、今も同様に悩んでいる女性の仲間達もいるので、女性がリーダーシップを発揮しても良いのではないかという機運の高まりに貢献するべきだと考えています。

ご自身のお仕事の内容とその魅力について教えてください。

所属は臨床解剖学分野で、教育では、医学科2年生が履修する人体構造総論、人体解剖学、人体解剖実習等を担当しています。学部教育の比率が大きい分野です。私は医師でも医療従事者でもありませんが、死体解剖資格を取得し、研究室の教職員と共に解剖学教育を担当しています。近隣の医療系大学の解剖見学も担当し、毎年非常に多くの学生さんと接しています。医科歯科の学生さんは頭が良くてかっこよくてかわいくて、まぶしい限りです。色々なタイプの学生さんがいるので、じゃあ自分はどうなんだろうと、振り返るきっかけをもらっています。
研究では、発生生物学を専門とし、骨・関節、肛門・外生殖器、生殖管の形成機構を解析しています。複数の研究室を経験してきたので、研究対象は多岐にわたりますが、観察に基づいて体の形のつくられ方を明らかにする生物学が好きです。どの器官にもその形ができてくるルールがあり、一部でもその機構を見つけたいなと取り組んでいます。現在は、特に、生殖管の形成機構の解明に力を入れています。研究成果が不妊の解明につながることを期待しています。

キャリアアップ教員に就いたことで、ご自身やご周囲で変化したこと等があれば教えてください。

キャリアアップ教員に就いたことと関係があるかどうかはわかりませんが、キャリアアップ教員になってから民間研究助成金に採択されました。毎年、民間研究助成金に複数応募してきましたが、この3年間は全て不採択でした。今年度は、申請書の申請者の状況という欄に、本学の女性上位職登用制度に登用されていることを記載しました。研究内容が最も大事なのはもちろんですが、ちょっとしたアピールも必要だと感じる出来事でした。

当制度に期待すること、ご要望等はありますか。

女性上位職登用制度が浸透して、これまでは全員男性教授でも何の不思議もなかったように、全員女性教授もありえるくらい、女性が自分の研究室を持つことが普通になったら素晴らしいと思います。女性も男性も、自分自身も、女性がリーダーになることにためらいや違和感を感じない状況になってほしいです。私の研究の専門である発生生物学領域は、飛びぬけて優秀な女性リーダーが複数いるので、研究の上では男女差をあまり感じてきませんでした。今後は、女性だからといって飛びぬけて優秀である必要が無い、普通に優秀な研究者が研究室を主宰できるような状況になったら、リーダーになりたい、なれると思う女性が増えると思います。

今後の目標を教えてください。

教育者としての抱負は、日々の講義・実習の小さな改善の積み重ねが大事だと思っています。わかりやすいを超えて、ちょっとひっかかる、自分で調べてみたいと思ってもらえるような内容を提供したいと思っています。また、研究の指導においては、学生さんが将来どのような進路に進むとしても、思い込みの無いデータの読み取り方、思考の整理、正しく分かりやすく伝える方法等、自分が必要と感じていることを一緒に経験してほしいと思っています。
研究者としての目標は、大きいことでも、小さいことでも、まだ誰も知らない、えーっ、こうなっているの、という生命原理に気付き、それを知ってもらうことです。

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