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外科的切除

外科的切除(手術)の対象となるのは、遠隔転移がない胃がんで、内視鏡的切除では取り切れない病変です。手術の目的は、がんを肉眼的に取りきって治癒を目指すことです(根治的手術といいます)。手術では、病変を含む胃の一部またはすべてを取り除く胃切除、胃の周囲のリンパ節を取り除くリンパ節郭清(かくせい)、食物の通り道をつくり直す消化管再建を行います。
手術中に、根治的手術が不可能であると判断した場合には、手術を中止することもあります。その場合は体力の回復をまって、抗がん剤治療を行います。

• 胃切除の方法
胃切除の方法には、幽門側胃切除(下2/3の切除)、噴門側胃切除(上1/2の切除)、胃全摘(胃を全て切除)があります。病変の部位、深達度(腫瘍の深さ)などにより切除範囲を決定します。胃の周辺の臓器にがんが浸潤している場所は、膵臓の一部、副腎や横行結腸の一部、横隔膜の一部などを同時に切除することもあります。

• リンパ節郭清
胃切除の際に、胃とともに胃の周囲にあるリンパ節を切除します。胃のすぐそばのリンパ節と、胃から少し離れたリンパ節を合わせて切除する「D2リンパ節郭清」が標準的に行われます。早期がんでは郭清するリンパ節の範囲を狭くした手術を行います(D1またはD1+郭清)。

• 消化管再建
 胃の手術は胃を切除した後の食物や消化液の通り道を確保するために、食道や残った胃、小腸をつなぎ合わせること(再建といいます)を行います。
 おもな再建方法を図 に 示します。切除後の状態を考慮して最も適切と考えられる再建方法を選択します。

• 手術アプローチ
手術アプローチには、開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術があります。根治切除可能な原発性胃がんに対しては、低侵襲手術(腹腔鏡、またはロボット支援下)を積極的に行っています。当科における、低侵襲手術の詳細は下記リンクをご参照ください。

  低侵襲手術について

• 手術後の経過
手術のあと、順調に経過した場合は手術翌日から水分摂取、2−3日から食事摂取を開始します。退院までの期間は術後6-8日程度となります。退院後は継続して自宅での食事療養が必要です。入院中に管理栄養士と面談し 、胃切除後の食事療法について確認をしていただきます(栄養指導)。
しかし、手術のあとは一定の頻度で合併症が発生します。合併症とは、手術に伴い発生する、患者さんにとって不利益な病状のことをいいます。胃切除術のあとに、合併症のみられる割合は約10-20%と報告されています。当科で2014年から2018年までの期間に、合併症により術後2週間以上の入院が必要になった患者さんの割合は8.6%でした。
合併症の多くは薬剤の投与、局所麻酔での傷の処置、体内への管の挿入で軽快します。しかし、これらの治療でよくならない場合には集中治療や再手術を行うことがあります。また、生命にかかわる可能性も0ではありません。もちろん、すべての患者さんに対して、合併症を起こさないよう細心の注意をしていますが、合併症の発生を完全に防ぐことは困難です。