取組責任者:生体材料工学研究所 三林 浩二 教授
細胞や個体、病理等など様々なレベルで生命現象や疾病情報を直接生体内で計測(in vivo センシング)する研究が重要となっています。本事業では、これまでに培ってきた生体へのインターフェイス性に優れたセンシングデバイスや計測プローブの技術 及び手法を発展させ戦略的に推進することで、in vivoセンシングにより生命現象及び生体機能を理解し、医学や歯科の領域への発展に貢献するものです。
特に細胞内部及び組織において連続的にモニタリングすることは生命現象や難治疾患 研究において極めて重要であり、また環境との相互作用の蓄積により引き起こされる難治疾患に関しては、従来の「ある瞬間の」状態を検査する検査手法から、「ある一定の期間」継続的に変化を計測して、その結果を解析する「時系列解析」の需要がますます高まっており、個体ベースにおいては「常時携帯でき、患者負担が少ないセンシングデバイス」が、細胞ベースにおいては「細胞周囲の環境を完全に制御しながら長期非侵襲長期計測が可能となる微小環境長期制御・計測技術の開発」が求められています。
例えば、生体への長期組み込み性や装着性を考慮し、臓器表面や皮膚、患部、術後部位への装着が可能な、柔らかく生体適合性に優れた計測デバイスや、細胞と接着し膜タンパク質を介して細胞との化学情報の直接対話ができる高分子デバイス、細胞個々について内部情報を調べ、分類そして培養ができるチップ等が必要とされています。また、臓器科学においても、既存の人工臓器と将来の再生医療の間に位置し、生体情報をセンシングし自律的且つ能動的に機能する、人体組込み型の有機系臓器デバイスの研究が近未来医療に求められています。
本事業では、本学の特徴である以下の研究開発を行います。
| 1 | 有機系材料とデバイス技術を組み合せ構築が可能な、柔らかく生体適合性に優れたセンシングデバイス技術 |
|---|---|
| 2 | ルソーターや培養機能を有するセロミックスチップ技術 |
| 3 | 細胞情報との対話が可能な有機高分子デバイ ス |
| 4 | 化学認識・能動駆動型有機臓器等の技術を結集・組織化し、細胞や生体とのイ ンターフェイス特性に優れた in vivoセンシング用有機デバイス |
これらの新しいセンシング技術によって、細胞から個体までを総合的にセンシングすることで生命現象を理解し、疾病診断及び治療へと展開します。また、ケミカルバイオロジー事業と連携することで、本プロジェクトで開発された計測手法に基づく 結果のフィードバックを行うと共に、この戦略の構築によって医療分野への貢献及び 本領域の世界的な人材の養成を図ります。





