当分野では,大学院生,研究生を問わず若手医局員向けに様々な新人研修を行っています.
皆さんが入局すると,最初の2~3か月は,毎週木曜日の昼休み,研究室に集まって,補綴治療を行う上で必要な知識について,座学で勉強していただきます.
WebClass上にUPしてある資料をもとに,事前に自己学習をしてきてもらい,当日,テストを受けて解説を聞く,という形式です.
・バルクウィル角
・フィッシャー角
・スプリットキャスト法
・クロール型とクラトビル型のRPIクラスプの違い
などなど,みなさん,説明できますか??
咬頭嵌合位(IP)と中心咬合位(下顎頭が中心位にある状態で閉口した咬合位,CO)は半数以上のヒトが一致していないと言われています.多くの健常歯列者では、IPとCOがズレていても,大きな問題がないことが殆んどです.そのような患者さんでは,タッピング運動は安定し,タッピングポイントとIPが一致していることでしょう.
しかし,欠損が進んだり,歯周炎で残存歯が移動したり,睡眠時ブラキシズムがある,などの問題が出てくると,IPとCOのズレは無視できなくなってきます.いわゆる「早期接触」により,残存歯や顎関節に障害をきたす恐れがあるからです.
このような患者さんの治療に際しては,術前の診査・診断が重要であり,診査において,IPとCOのズレや,早期接触の有無,さらには咬合平面の乱れを,研究用模型(マルモ)で確認する必要があります.
このためには,中心位で咬合採得を行い,咬合器に適切に模型を付着する必要があります.
本研修では,補綴治療において重要な手技である,中心位における咬合器装着に関連して必要なテクニック(中心位への誘導,咬合採得,フェイスボウトランスファー)に加えて,顆路調整を行うためのチェックバイト採得および咬合器の顆路調整を実習してもらいます.
事前に,自分の歯列模型を製作し,ルシアのアンテリアジグを用意して,相互実習を行います.
①フェイスボウトランスファー
②中心位への誘導(アンテリアジグ)
③チェックバイト
④中心位での咬合採得
⑤咬合器装着
⑥顆路調整
実習は2回に分けて行い,実習の間に,今回行う手技に関する講義を行い,理解を深めます!
医局で行っている臨床研究のデータ採取に必要な,検査法を相互実習で学んでいただきます.
唾液検査で,う蝕活動性,抵抗性を検査します.
自分たちの検査結果を目の当たりにして,あちらこちらで喜んだり,悲しんだりする医局員たちが・・・(笑)
留学生も交えて,和気あいあいと練習します☆