高柳 広 教授
大学大学院医歯学総合研究科
分子情報伝達学分野
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学の高柳広教授らのグループは、米国DNAX研究所のDaniel Cua博士らと共同し、破骨細胞を増やすT細胞がTh17であることを解明し、Th17を増やすインターロイキン23やTh17が作るインターロイキン17を標的にすれば、関節リウマチの骨破壊の治療に有効であることを動物実験で示しました。本研究は、東京医科歯科大学大学院21世紀COEプログラム「歯と骨の分子破壊と再構築のフロンティア」(COE拠点リーダー・野田政樹教授)の一環としておこなわれたものです。この成果は米国の医学雑誌Journal of Experimental Medicine の11月号に掲載され、その表紙を飾りました。
・破骨細胞を増やす免疫細胞としてT細胞のなかでもTh17と呼ばれる細胞が重要であることを発見
・Th17を増やすインターロイキン23やTh17が作るインターロイキン17を標的にすれば、関節リウマチの骨破壊の治療に有効であることを動物実験で証明
・Th17を制御する方法による、骨破壊を防ぐ新しい関節リウマチの治療法の可能性
関節リウマチは自己免疫疾患のひとつですが、最終的には骨が破壊される病気です。これまで、関節に集まったT細胞が骨を壊す細胞(破骨細胞)を増やすことがわかっていました。しかし、T細胞は破骨細胞を作るRANKLと同時に、抑制するインターフェロンγも作るため、どのようなT細胞が破骨細胞を増やすのかが不明でした。破骨細胞を増やすT細胞は、免疫系の活性化に伴う骨破壊を引き起こす原因となる細胞であるため、その細胞を解明することは非常に重要な課題となっていました。
免疫系を制御するヘルパーT細胞は、従来、Th1, Th2に大別されると考えられてきましたが、最近になって、Th17細胞や抑制性T細胞などが存在することが明らかになりました。そこで本研究では、これらのTh細胞を培養して増やした後、破骨細胞形成への作用を調べました。その結果、インターロイキン23によって増えるTh17細胞だけが破骨細胞を増やす作用をもつことがわかりました。Th17細胞は、インターロイキン17を作り出すことで、周囲の細胞の炎症を引き起こすと同時に、RANKLを増やすことで、破骨細胞ができやすい環境を作り出していました。さらにインターロイキン23や17の遺伝子を破壊したマウスでは、炎症性骨破壊が生じなかったことから、これらの因子が骨破壊に重要な役割を果たすことが証明されました。このような本研究成果の応用により、骨破壊を防ぐ新しい関節リウマチの治療法の開発の可能性が示されました。
| 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 分子情報伝達学分野 高柳 広 (たかやなぎ ひろし) 電話:03-5803-5471 FAX:03-5803-0192 E-mail:taka.csi(ここに@を入れてください)tmd.ac.jp 研究室ホームページ:http://homepage.mac.com/osteoimmunology/ |



