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「骨粗鬆症の為の骨を作るメカニズムの発見」【野田政樹 教授】

野田 政樹 教授 難治疾患研究所 分子薬理学分野・グローバルCOEプログラム(右)
江面 陽一 准教授 同上(中)
早田 匡芳 助教 同上(左)



― 骨を作るための二つの受容体分子の必要性 ―


 東京医科歯科大学難治疾患研究所分子薬理学分野・グローバルCOEプログラム -歯と骨の分子疾患科学国際教育研究拠点- の野田教授と江面准教授、早田助教の研究グループは、ピッツバーグ大学、順天堂大学、ハーバード大学との共同研究で骨の折れ易くなる病気(骨粗鬆症)や運動や加齢により骨の減る病態への副甲状腺ホルモン受容体の骨形成促進作用にはアドレナリン受容体が必須であることを突き止めました。この研究は文部科学省科学研究費補助金並びにグローバルCOEプログラムの支援のもとで行われたものでその成果は国際学術雑誌Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)に2012年4月23日【米国時間3時】にオンライン版で発表されました。

ポイント

骨が折れ易くなる病気(骨粗鬆症)の治療の上で、骨形成(骨を作ること)の促進は困難であり、唯一の薬剤の副甲状腺ホルモン(PTH)も使用に制限があり新規の薬剤が待たれますが その骨形成の作用のメカニズムがこれまで不明でした。 本研究では骨を作るために 副甲状腺ホルモン受容体だけでなくアドレナリン受容体の二つのG蛋白共役型受容体(GPCR)が必須であることを発見しました。
骨粗鬆症は、特に寝たきりや宇宙の無重力環境に際して著明に進行しますが、この際には骨形成の低下が重要であり、今回の副甲状腺ホルモン受容体機能へのアドレナリン受容体の関与の発見から病態の解明が期待されます。
今後、副甲状腺ホルモン受容体とアドレナリン受容体を標的にした新しい治療法や創薬への道が開かれました。

研究成果の概要と意義

 骨粗鬆症が寝たきりや無重力の状態で急速に進行する際には 骨形成の急激な低下が起こるのに対して、現在得られる骨形成の促進薬は唯一副甲状腺ホルモンのみで、なおかつ、その使用には大きな制約があり、作用のメカニズムも不明なため、新たな創薬への有効な方法は現在も見出されておりません。私達の研究グループは副甲状腺ホルモン受容体による骨形成の促進作用にはアドレナリン受容体が必須であることを見出しました。この発見により、副甲状腺ホルモン受容体とアドレナリン受容体に作用する骨形成の新しい促進薬の開発を含め、廃用性骨萎縮に関わる治療への道が開かれました。この研究をさらに発展することにより、我が国において急速に増加している骨粗鬆症の中でも特に、重症の骨粗鬆症や廃用性骨委縮に対する病態の更なる解明と新規治療法への開発が期待できます。

説明図

問い合わせ先

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子薬理学分野・グローバルCOEプログラム
野田 政樹(のだ まさき)
TEL: 03-5803-4061
E-mail: noda.mph(ここに@を入れてください)mri.tmd.ac.jp