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研究内容

研究内容


ホスホイノシタイド代謝の生理的・病態生理的意義に関する研究


ホスファチジルイノシトールの3、4、5位水酸基が可逆的なリン酸化を受け、ホスホイノシタイド(PIs)と総称される8種類のリン脂質が生じ、細胞膜に存在します。細胞内には様々なPIs 結合蛋白質が存在し、それらの活性や局在を制御することで、PIs は多彩な細胞機能に関与します。PIsの相互変換には24の反応経路を考えることができますが、PIs代謝酵素は既知のものだけでも50に及びます。生理活性脂質であるPIs の精緻な代謝制御がうかがわれます。

私たちは、「PIs代謝の乱れはどのような細胞機能異常や病態を招くのか」、「なぜ生体内には多くのPIs代謝酵素アイソフォームが存在するのか(それぞれの特異的機能は?)」といった点に興味をもって研究を進めています。これまで主にPI(3,4,5)P3に着目した解析を進め、これらの疑問に纏わる興味深い知見を得ています。PI(3,4,5)P3代謝酵素を標的とした、抗炎症薬、抗がん剤などの開発が進みつつあります。一方で、他のPIsについての知見は未だ乏しく、今後の研究の進展が待たれる現状です。

脂質は直接遺伝子の支配を受けていないことやその取り扱いには有機溶媒等を要することもあって、分析技術は旧態然としたままで、核酸、タンパク質と比べて機能解析も遅れています。新しい方法論の確立、手法の開発を進め、PIs代謝の生理的、病態生理的意義を包括的に理解することを目指します。

キナーゼとホスファターゼによる相互変換


方法論

ノックアウトマウス、ノックダウン細胞
脂質は分子生物学のセントラルドグマの範疇外にあります。分子生物学や遺伝学の手法を適用するために、PIs のキナーゼやホスファターゼの遺伝子欠損マウスを作製しています。特定の PIs 代謝酵素欠失により惹起される細胞機能異常や病態を明らかにし、その分子メカニズムを解明します。

PIs 動態解析
多くの場合は試験管内での活性、あるいは、一次配列情報から、PIs 代謝酵素であると“予想”されるタンパク質の遺伝子破壊を行います。ノックアウトマウスの臓器や細胞を用いた生化学的な解析で、着目したタンパク質が細胞内で実際に触媒する PIs 代謝反応を確定します。

ヒト疾患との関連
PIs 代謝酵素欠損マウスで表れる異常を主徴とするヒト疾患に着目します。ヒトでの PIs 代謝酵素遺伝子異常の探索、病理組織での酵素活性や PIs の定量、局在解析を行います。

PIs 代謝酵素の阻害剤・活性化物質の探索
PIs 代謝酵素に作用するタンパク質や低分子化合物を見出し、癌、炎症性疾患、神経疾患、生活習慣病などの予防、診断、治療法の確立を目指します。