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耳鼻咽喉科学分野 頭頸部外科学分野

中耳炎外来

・毎週水曜の午後に中耳炎の専門外来を開いています。
・耳科学を専門とする医師により、難聴・耳漏などの訴えのある方を対象に、外来での診断・通院治療、手術適応の決定ならびに施行まで一貫して行っています。
・他院から手術目的にご紹介いただく場合も多く、また口腔外科で口蓋裂の診療の際に滲出性中耳炎のチェックのため紹介受診される方も見られます。


受診の流れ

・専門外来では、皆様に出来るだけ滞りなく診療を受けていただくため完全予約制をとっております。
初診の方はまず午前中の一般外来を受診していただきます。その後、専門外来の予約とともに、聴力検査・CTなどの必要な検査を施行し、その上で水曜午後の専門外来を受診していただいています。
・また、専門外来終了後に毎回担当医全員が参加して中耳炎の専門カンファレンスを行い、初回受診の方および難治症例、状態に変化の見られた方などについて、治療法の選択・手術適応の決定なども含め詳細な検討を重ねています。
・中耳炎は一般に外来処置に時間がかかり、また耳科学専門の医師の処置を要する症例も多いため、通院日が制限されて不都合な点もあるかとは思いますが、出来るだけ水曜の午後の専門外来に通院していただくようお願いしております。

代表的疾患と治療法

慢性中耳炎

・ 中耳の炎症、鼓膜の穿孔などにより耳漏・聴力低下などをきたします。
・投薬・外来処置にて治療可能な方については、ある程度頻繁に通院していただき治療をしています。また、手術の必要な症例では、手術施行後しばらくは頻回の通院を要する場合も少なくありません。
・外来処置で難治性の耳漏が抑えられない場合なども、手術による治療が効果を挙げています。
・あまり耳漏の伴わない穿孔性中耳炎では外来での日帰り手術が可能な場合も多く、また仕事の都合などで入院の出来ない方は多いと思います。
・ このような方に対して、外来手術室を完備し、さらに症例によっては手術室も用いて日帰りないしは一泊入院による局所麻酔下の手術も積極的に行っております。

真珠腫性中耳炎

・鼓膜の外耳道側の上皮が中耳に入り込み、垢の塊を作って周囲の骨を壊しながら大きくなっていきます。
・外来処置でコントロールできる場合は、通院治療による定期的な処置を行います。また、手術が必要になる場合も多く、詳細な検査後病状を詳しくご説明させていただいた上で手術を施行しています。近年は入院期間を短縮する傾向が世界的に見られ、当科でも短期入院を希望される方には出来るだけご希望に添えるように努力しております。
・骨を破壊して進行するため、難聴だけでなくめまいや、さらに頭蓋内に進展して脳神経症状をきたし開頭手術が必要となる場合もあります。出来るだけ早めの発見・治療のため、症状が軽くても放置せず受診していただくようお願いいたします。

滲出性中耳炎

・中耳に液体がたまって聴力の低下をきたします。主に小児に多い疾患ですが、成人に発症した場合は上咽頭の腫瘍のチェックが必要となります。また、口蓋裂のお子様には高率に合併するため、必ず耳鼻咽喉科診療を受けていただく必要があります。放置しますと難聴のため、言葉の習得に影響が出る恐れがあります。
・治療としては、薬物の内服のみで軽快する場合もありますが、投薬で治癒しない場合は外来での鼓膜切開を行います。
・両側で難治性の場合は鼓膜換気チューブの挿入を施行します。この場合、5~6歳未満のお子様では外来での局所麻酔下の施行は不可能で、入院による全身麻酔下の手術が必要となります。鼓膜換気チューブを挿入した状態では水にもぐることが出来ません。小学校に入学すると授業でプールが始まるため、その半年から一年ほど前に機能検査を行い、可能であればチューブを抜去します。

耳硬化症

・音を伝える骨が硬くなるために、聴力が徐々に低下します。
・女性では妊娠を契機に増悪することが多いといわれています。手術しか治療法はなく、3番目の耳小骨を人工のものに置き換えます。
・手術自体は2時間程度で、ほとんどの方で聴力は改善します。また、耳小骨の同じ部分が先天的に硬くなっている方もおり、この場合も同じ術式で手術を行います 。

外傷性鼓膜穿孔

・スポーツなどの外傷により鼓膜穿孔を起こし、聴力が低下します。
・外来処置のみで穿孔が閉鎖する場合も多く、しばらくは外来で通院・治療します。
・穿孔が閉鎖しない場合、鼓膜形成手術を施行します。穿孔の大きさと場所にもよりますが、多くの場合外来での日帰り手術で閉鎖可能です。

好酸球性中耳炎

・喘息や副鼻腔炎をお持ちの方で、滲出性中耳炎と同様中耳内に液体が貯留し、聴力の低下する方がいらっしゃいます。
・滲出性中耳炎と異なりこの液体が非常に粘稠で、顕微鏡下に観察すると好酸球と呼ばれるアレルギーに関与する白血球が多く含まれています。
・治療には鼓膜換気チューブ挿入や、アレルギーの薬の一種やステロイドが用いられます。

BAHA (Bone-Anchored Hearing Aid: 埋め込み型骨導補聴器)

BAHA装着の様子
(耳の後ろの黒い装置がBAHA本体)

・BAHAシステムは埋め込み型の骨導補聴システムで、生まれつき外耳道が狭かったり、耳漏が持続するなどの理由で気導補聴器が装用できない人に対して、欧米では現在までに約25,000例の方が手術を施行されています。