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研究部門・分野紹介

先端分子医学研究部門

Medical Research Institute Tokyo Medical and Dental University

部門長あいさつ

先端分子医学研究部門は、難治疾患の病因・病態形成解明の基礎ならびに診断・予防・治療法開発の基盤を築くため、最先端の分子生物学的・細胞生物学的・発生工学的・電気生理学的・光学的手法を駆使した研究を推進しています。
生体の恒常性機構が破綻した状態と考えられる難治疾患の克服のためには、生活習慣や生活環境の多様化が著しい現代において、遺伝的要因と環境因子の双方から多角的・複合的なアプローチが必要です。
部門内の各分野においては、種々の異なる視点から細胞、器官、あるいは個体の恒常性維持と修復の分子基盤について、遺伝子や蛋白質の構造・機能から、多細胞集合体である器官、さらには日々適応を求められる個体に至るまでのさまざまなレベルで取り組んでいます。
本部門の研究で得られた成果をもとに、今後増加することが予想される生活習慣病、骨粗鬆症、免疫疾患、神経疾患、循環器疾患、悪性腫瘍などの病因解明や新規治療法・予防法の確立に寄与したいと考えています。

部門長 澁谷 浩司

脊椎動物の形態形成、器官形成は、さまざまなシグナル分子が時間的・空間的に細胞を誘導することにより成立します。 また、これら多くのシグナル分子の破綻が疾患の発症にも結びついています。 したがって発生・分化の制御するシグナル分子によるシグナル伝達ネットワークの解明は形態形成、器官形成機構、さらには疾患の発症機構を明らかにする上で重要課題となります。 本研究分野では発生過程における形態形成、器官形成を制御するシグナル伝達ネットワークの制御機構を中心に分子生物学的解析を進めています。


本分野の最終目標は、記憶・学習などの脳高次機能の分子、細胞レベルでのメカニズムの解明です。 現在そのために、複数電極により多点同時計測や光学的測定法を用い、脳の活動を計測することがおこなわれています。 しかし、現在の方法は時間・空間分解能に限界があり、細胞レベルで高次機能を解析するためには不十分です。 そこで我々の研究室では、さまざまな遺伝子改変動物を駆使し、脳の神経活動と記憶・学習の対応関係を解析し、脳高次機能の分子・細胞レベルでの解明をめざします。


本分野は、「生体の防御と恒常性維持の統合的理解」に焦点をあて、それらを担う免疫細胞や組織幹細胞の分化や機能を、正常および疾患病態において理解することを目的としています。主として、単核球系貪食細胞(樹状細胞・マクロファージ)などの免疫細胞、血液・腸・皮膚などの組織幹細胞を研究対象として、免疫系ならびに組織幹細胞系ホメオシターシスの維持とその破綻による病態構築機序の解明に取り組むことで目的を達成します。そして、それら成果に基づき、難治性疾患の予防法・治療法の開発へ繋がる応用研究への糸口が得られるよう研究を推進しています。


イオンチャネル・トランスポーターは受容体と並んで頻度の高い薬物のターゲット分子であり、今後もこれらをターゲットとした薬物の開発が期待されます。 生体情報薬理分野ではイオンチャネル・トランスポーターを電気生理学・光学・生化学・バイオインフォマティクス・構造分析など多角的なアプローチにより解析し、特に難治性循環器疾患(突然死・不整脈・心不全・動脈硬化など)の病態解明と新たな治療戦略を確立し、臨床応用を実現することを目指しています。


本分野は、生体内各組織の形成・維持・再生に重要な役割を果たす幹細胞に焦点をあてて、増殖分化因子群等を介した細胞外来性シグナルと、エピジェネティック修飾等に基づく細胞内在性プログラムなど多角的観点から幹細胞制御の分子基盤を明らかにすることを目標としています。主として中枢神経系や造血系などの正常組織特異的幹細胞や、腫瘍における幹細胞様細胞を研究対象として、その特性解析と、自己複製・分化誘導・移動・成熟の機構解明により目標達成を図ります。それにより、広く生体内の正常組織幹細胞や病態における幹細胞の普遍的な理解と応用研究への糸口が得られるよう研究を推進します。


本分野は、X線結晶解析を中心に生体高分子の立体構造をキーワードに研究を進めています。ゲノム配列の決定やプロテオミクスの進歩により、多くの蛋白質の一次配列やその経時的な機能が解明されてきていますが、蛋白質はある特定の立体構造をとることにより初めてその機能を発揮します。いわゆるプリオン病が示すように、蛋白質の化学的組成が同じでも、その立体構造が正しくなければ活性を示さないだけでなく疾病の原因ともなりえます。そこで、本分野は疾患や創薬に関連した蛋白質の構造を明らかにし、その機能を原子レベルで理解したり、創薬の候補化合物など低分子と蛋白質の相互作用の詳細を解析しています。また、こうした立体構造が構成される過程(フォールディング)など、タンパク質の動的な性質の研究も行っています。


私たちは空気中の酸素を取り込み、さまざまな生命活動に利用しています。私たちの体が酸素濃度の低い環境におかれると、低酸素応答と呼ばれる一連の生理応答を引き起こし、恒常性の維持に働きます。フロンティア研究室(低酸素生物学)では、低酸素応答が ①どのように起こり(センサー機構)、②どのようなシグナル伝達経路を介して、③どのような生理現象に働くのか、を解明することを目標としています。これらの知見を低酸素性の疾患である、虚血性疾患や癌の治療戦略に結びつけることをめざします。


生体には外界からの刺激や内因性のストレスに応答して体内の環境を維持する恒常性維持機構が存在すると考えられています。慢性炎症は、生活習慣病や癌、神経変性疾患など多彩な病態に共通する基盤病態であり、何らかの原因で炎症の収束が妨げられた状態と捉えることができますが、分子機序は明確ではありません。本分野では、炎症の慢性化を恒常性維持機構の動的な変容にともなうセットポイントの変化と捉え、肥満や加齢に伴い増加する生活習慣病やメタボリックシンドローム、発がんのメカニズムを多細胞間の機能ネットワークと転写ダイナミズムの観点からグローバルに理解してゆくことを目的としています。


運動器系の難治疾患として「骨系統疾患」や「骨代謝疾患」などの比較的稀な疾患が知られています。これらの疾患の病態成立の基盤となるメカニズムについて、「骨粗鬆症」や「変形性関節症」、「関節リウマチ」などの、より一般的な疾患との関連を含めて、骨系細胞の分化制御とストレス応答、細胞間ネットワーク、カルシウム代謝などの解析から解明を目指します。病態成立の分子機構の解明から、生体内ホメオスタシス制御の分子メカニズムを解明することも重要な目標です。