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研究成果・プレスリリース

脂肪肝メダカを用いた代謝系疾患病態の解明

Medical Research Institute Tokyo Medical and Dental University

仁科教授らの難治疾患共同研究拠点における共同研究の成果が医生物学の国際専門誌Disease Models & Mechanismsに総説として発表されました。


仁科博史 教授、浅岡洋一 助教(東京医科歯科大学難治疾患研究所 発生再生生物学分野)、寺井崇二 准教授、坂井田功 教授(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学)

Asaoka Y, Terai S, Sakaida I, Nishina H: The expanding role of fish models in understanding non-alcoholic fatty liver disease. Disease Models & Mechanisms 6, 905-914, 2013.

成果のポイント

平成22年度からの山口大学との共同研究の成果、1)ヒト非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を模倣した新規脂肪肝メダカの作出、および 2)ヒト治療剤EPA(多価不飽和脂肪酸)やテルミサルタン(核内受容体活性化剤)、エゼチミブ(コレステロール吸収阻害剤)が本脂肪肝メダカにも有効であることを、最新のNASH研究の観点から紹介されています。

研究の背景

正常の肝臓は脂肪肝の前段階を経て、線維化、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝癌へと病態を悪化させる場合が多いことが知られています。それ故、重篤な肝疾患を予防するためには、脂肪肝を軽減させることが有効です。 しかしながら、脂肪肝発症機構は不明な点が多いこと、また創薬研究を見据えた適切な病態モデル生物が不在あるという未解決な問題が残されています。

本研究の成果

高脂肪食をメダカに摂取させることによって、 NASHをメダカに発症させることに成功しました。ヒトと類似の病理所見や遺伝子発現の変化が観察されました。興味深いことに、米国消化器および肝臓病学会が推奨する治療剤であるEPAやテルミサルタン、エゼチミブの投与によってNASHの発症は抑制されました。欧米では既にゼブラフィッシュを用いた各種疾患に対するハイスループット薬剤スクリーニングが行われています。マウスに比較して、スクリーニングできる薬剤の数は百倍以上、繁殖や飼育にかかる実験費用も数十分の1以下という利点があるからです。それ故、ヒト疾患を模倣する小型魚類病態モデルを用いた病態発症機構の解明と創薬研究が注目されています。

謝辞

本研究は、文部科学省科学研究費補助金、厚生労働省科学研究費補助金(肝炎等克服緊急対策研究事業)および難治疾患共同研究経費等の助成を受けて実施されました。