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研究成果・プレスリリース

インターフェロンが造血幹細胞の運命決定を制御

Medical Research Institute Tokyo Medical and Dental University

-副作用の少ない骨髄移植法・慢性白血病治療法の開発へ福音-

樗木俊聡教授らの研究がNature Medicineオンライン版に掲載されました。


「インターフェロンが造血幹細胞の運命決定を制御」

樗木俊聡教授等 (先端分子医学研究分門生体防御学分野)

"Interferon regulatory factor-2 protects quiescent hematopoietic stem cells frim type I interferon-dependent exhaustion"
Sato T, Onai N, Yoshihara H, Arai F,Suda T, Ohteki T.
Nat Med 15,696-700(2009)

I型インターフェロンは、ウィルス感染の際、宿主に抵抗性を付与する重要なサイトカインとして知られています。本研究では、これまで知られてない重要なI型インターフェロンの機能を明らかにしました。即ち、一過性のI型インターフェロンの刺激が造血幹細胞の増殖を、持続的なI型インターフェロンの刺激が造血幹細胞の減少を誘導することです。I型インターフェロンシグナルを抑制する転写因子IRF2を欠損するマウスでは、持続的なI型インターフェロンシグナルに起因する造血幹細胞の減少が観察されました。現在の抗がん剤治療では、増殖能力の高い白血病細胞のみが標的となります。したがって、本研究成果は、I型インターフェロンを投与することで、一過性にがん幹細胞の増殖を盛んにし、抗がん剤の効果を高める新治療法の有用性を示すものです。また、このようなI型インターフェロン(と抗がん剤の併用効果)の効果は、放射線照射を軽減・回避可能な骨髄移植法の開発に繋がることが期待されます。

造血幹細胞へのI型インターフェロンの作用の図

(上図)造血幹細胞へのI型インターフェロンの作用
Ⅰ型インターフェロンの一過性の刺激は造血幹細胞の増殖を、慢性的な刺激は造血幹細胞の減少をもたらす。