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東京医科歯科大学 難治疾患研究所 ゲノム解析室 

M&Dタワー22F 南西角
内線(4960)
kaisekisitsu.nri@mri.tmd.ac.jp

Ion PGM(次世代シークエンス)について

ゲノム解析室には次世代シークエンサーIonPGMが導入されております。
以下にIon PGMについて簡単に説明致します。
より詳細を知りたい方はメーカーサイトを参照されるか、ゲノム解析室にお問い合わせ下さい

現在ゲノム解析室では以下の受託解析サービスを行っております。

(1)Ion PGMシークエンス受託解析(Template作成〜シークエンスまで)
(2)アンプリコンシークエンスのライブラリ作製サービス(一部の用途のみ)

詳細はお問い合わせください。


Ion PGMとは

Ion PGM(以下PGM)はLifeTechnologies社より販売されている次世代シークエンサーです(PGMはPersonal Genome Machineの略)。一回のランで最大で長さ400bpの配列を500万配列程度(最大10億塩基)決定することが可能です。解析チップは3種類あり、それぞれ解析可能な塩基数が異なりますので、目的に応じて適切なものを選択することが可能です。

PGMのシークエンス原理

PGMに限らず次世代シークエンサーは、サンガー法に基づいた従来型シークエンサーと異なりキャピラリーを使用しないことで一度に大量の配列解析を実現しています。PGMのシークエンス原理は、DNAの伸長反応に伴い生成するピロリン酸を検出することでシークエンスを行うパイロシークエンス法に基づいています。PGMの場合、pHの変化を測定することでピロリン酸の生成を検出します。PGMの解析チップには数百万の小さなウェルがあり、それぞれのウェルがpHセンサーとなっているため、一回のランで最大数百万程度の配列を決定することができます。ただし、一つのリードにつき決定できる長さは最大で400bp程度です。また、解析チップには解析したいDNAを混合して流し込むため、由来が異なるDNAを同時に解析する場合はその数に制限があります。このため、従来ゲノム解析室に依頼されているようなサンプルを同時に数百万サンプル解析できるわけではない点にご留意ください。


PGMによるシークエンス手順


(1)ライブラリ調製
解析したいDNAに、PGMでシークエンスするためのアダプター配列を付加します。この調整を終えたサンプルはライブラリと呼ばれます。アンプリコンシークエンス(PGMのアプリケーションの項参照)の場合はPCRによる標的配列の増幅もこのステップに含まれます。

(2)テンプレート調整
微細な水滴の中にビーズと一分子のライブラリを入れ、その水滴中でPCRを行うことにより一つのビーズにつき一つの配列が付加したビーズを調整します(エマルションPCR)。このステップは専用の装置で行います。

(3)シークエンス
解析チップに調整したテンプレートを流し込むことでチップ上の各ウェルに一つのビーズが入ります。シークエンスを行うと1ウェルに対して一つの配列が得られるので、1ランで最大数百万の配列を同時に決定することが可能となります。


PGMのアプリケーション


アンプリコンシークエンス

解析したい領域をPCRにより増幅してシークエンスする手法です。数百〜数千種類に及ぶ増幅産物を混合した状態でまとめてシークエンスします。通常1チューブ(解析領域のサイズによっては2-4チューブ)でPCR増幅を行うため、微量のDNAから幅広い領域を解析することが可能です。アンプリコンシークエンスに使用するプライマーセットは専用のウェブサイトを利用することで、遺伝子名を入力するだけで自動でデザインしてくれます。また、カタログ化されたプライマーセットもキットとして販売されており、50種類のがん遺伝子をターゲットとするCancer Hotspot Panel v2や、遺伝性疾患に関わる328遺伝子をターゲットとするInherited Disease Panel等が販売されています。

ゲノムシークエンス

 ゲノムDNAを断片化し、その断片を一度にシークエンスします。全ゲノム領域に渡るシークエンスが可能であり、de novoゲノム配列決定等に用いられます。PGMの場合細菌やウィルスのようなゲノムサイズの小さいものには対応できますが、ヒトやマウスのようにゲノムサイズが大きい生物の場合はリード数が十分ではないため、上述のアンプリコンシーケンスやキャプチャーシーケンスのようにターゲット領域を絞り込む必要があります。