交流計画の概要 (共同研究) 骨粗鬆症の成因に関わる骨形成および骨吸収の異常をもたらす分子メカニズムについての共同研究ならびに変形性関節症および関節リウマチに関わる軟骨および骨の異常をもたらすシグナルについての共同研究を行う。骨粗鬆症や、変形関節症の基盤には骨形成シグナルの相対的な異常が存在する。疾患成立の基盤には局所因子、全身性の因子をはじめとする骨形成性のシグナルの制御が関与する。また、これらのシグナルの下流には細胞内のアダプター蛋白を介して最終的な転写調節に関わる核内の転写因子、核内受容体およびコファクターの異常が推察される。さらに関節リウマチでは著しい支持機能低下に至る破骨細胞の機能の異常が起こる。そこで骨芽細胞、破骨細胞および軟骨細胞についてその臨床病態に対する治療に寄与する基礎研究としてこれらの細胞の外から核内に至るシグナル系の異常とこれにより生ずる細胞分化と骨軟骨の異常のメカニズムについて東京医科歯科大学、東京大学、ハーバード大学、トロント大学ならびにウィーン分子病理学研究所の共同研究を推進する。 (セミナー) 骨・軟骨組織の主要な疾患である骨粗鬆症、変形性関節症、関節リウマチの分子レベルの病態生理学の解明を目的とし、最先端の知見についての討論を行う。平成16年6月22日に第1回のシンポジウムを開催し、東京医科歯科大学、東京大学、ハーバード大学、トロント大学、ウィーン分子病理学研究所の研究者による骨粗鬆症および変形性関節症および関節リウマチに関わる先端的な知見の情報交換を行う。 (研究者交流) 東京医科歯科大学、東京大学、ハーバード大学、トロント大学、分子病理学研究所の間での骨軟骨研究に関わる研究者会議を推進し、この中でシニア研究者ならびに若手研究者による緊密な研究推進会議および若手研究者ネットワークの専門会議を開催し、研究者交流を推進する。