カテーテルアブレーションによる不整脈治療のための新しいカテーテル誘導法を提案しました。この方法では、心臓の電気活動を等価ダイポールで近似し、体表面電極の位置と心電図から逆問題を解いて、等価ダイポールの位置を推定します。得られた等価ダイポールの位置から、治療（焼灼）部位を決定し、その位置にカテーテルを誘導します。その際、カテーテル先端に別のダイポールを取り付けることによって、カテーテル先端の位置と焼灼部位を同一の方法で推定します。したがって、逆問題を解くときに胸部をかなり単純化しても、系統的な誤差の影響を低減できます。コンピュータシミュレーションと物理モデルを用いた検討により、数ミリ程度の精度で目標に誘導できることが示されました。