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電子情報通信学会・MEとバイオサイバネティックス研究会 (東京、2003年3月)
 ミニシンポジウム・フィジオーム 

筋電信号発生モデルを用いた筋力制御の解析

 吉田正樹(大阪電通大)、赤澤堅造(大阪大)

あらまし  一つの筋は、運動単位と呼ばれる多くのサブユニットから成り立っている。運動単位に着目して筋の張力制御の要因を考えると、次の二つがあげられる。(1)活動している運動単位の数と大きさ、(2)運動単位の発射頻度、である。これらを測定することは、筋の張力制御の仕組みを解明するための重要な手掛りを与え、筋疾患の診断評価手法一助となる。ここでは、集合筋電位を統計的に処理し、活動中の運動単位の数と大きさを推定する手法について述べる。本手法の特徴は次の3点である。1)生理学的知見に基づいた集合筋電位発生モデルを用いる。2)手法に導入した仮定は実験的に検証する。3)推定に必要なデータは、集合筋電位の二次モーメントと四次モーメント、および運動単位の発射頻度だけであるので、容易に推定することができる。本手法をヒトの上腕筋と総指伸筋に適用し、Monster らの閾値張力と運動単位の数との関係やサイズプリンシプルなどの生理結果と比較し、本手法の妥当性を確かめる。

キーワード  筋張力制御、運動単位、筋電信号発生モデル、筋疾患