学内女性研究者インタビュー 杉本 昭子さん

杉本 昭子(Akiko Sugimoto)

生体材料工学研究所 分子設計分野 支援研究員
昭和44年東京薬科大学薬学科卒、薬学博士。昭和47年東京医科歯科大学医用器材研究所化学部門文部技官、昭和56年同助手、平成16年生体材料工学研究所分子設計分野准教授、平成20年同特任准教授を経て現在に至る。

研究者を志したきっかけは何ですか

大学で酵素の働きに興味を持ちましたが、関連する研究ができる場所が見つからず、いずれ生化学系の大学院に進学することを考え、とりあえず大学に募集が来ていた医科歯科の有機合成の研究室に就職しました。ここで有機化学の面白さを教わり、先生方から有機化学の研究を続けないかと勧められ、研究者として残ることにしました。

なぜ学術機関で研究することを選ばれたのですか

当時、企業に行った女性は結婚ですぐに辞めてしまうと不評で、大学の就職課から「入社後3年は勤めるように」と強く言われていました。当初はいずれ生化学の研究をしたいと思っていたので自由が利く学術機関を選びました。

どんなことを人生の価値観としていますか

「自分らしく生きる」ことですね。人に左右されずに、自分の中にある美学や生き方に忠実に生きていくことを大事にしています。

どんなことをモチベーションにして、研究意欲を持続されていますか

研究をしていると、2年や3年に1回は凄い感動があります。あの感動をまた味わえるかもしれない!と思って研究をしています。うまくいかない時には、感動した時の自分を思い出すようにしています。

困難に直面した時、どのように乗り越えてきましたか

時間が解決してくれます。迷った時は、すぐに結論を出さないことが大事。少し時間が経てばおのずと方向が見えてきますから、それに従えば良いのです。

研究者の先輩として、私たちが今何をすべきかを教えてください

もっと「考える癖」を付けた方がいいですね。「どの知識を応用すれば何が出来るか」を考えることを大事にして、応用できるところまで基本をしっかり押さえるような勉強の仕方をすべきだと思います。

女子大学院生に対するメッセージをお願いします

今は女性の方がのびのびとしているから、そのままでいいと思います。男性・女性の差を意識する必要はありませんが、生物学的に違うのは事実です。しかしそのことは、比較したりマイナスに捉えたりするのではなく、お互いに補い合っていけばいいことです。あとは、自分らしく研究していって欲しいですね。

(インタビュー:平成22年9月2日 博士1年 山田 歩)

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