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泌尿器科

泌尿器科 診療日

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午後-木原-沼尾木原

泌尿器疾患

ガスレス・シングルポート手術 (Gasless Single Port Surgery)

この手術は、臓器がようやく取り出せる単一の孔(シングルポート)のみで完了するもので、CO2ガスを使わず、低コスト(最小限の使い捨て器具)で行います。図1にその典型例を示します。

この手術は、当科で開発を進めてきた低侵襲手術であり、2006年に先進医療に認定され、2008年に保険適応(一部は先進医療)となり、現在、認定施設のみで施行することができます。

日本を筆頭に世界が迎える超高齢社会のニーズにも応える低侵襲手術として、さらなる開発および洗練を進めている手術です。超高齢社会における呼吸・循環機能障害者の増加、医療経済の悪化および低炭素社会などに対応した低侵襲手術です。

【図1】
径3cm台のシングルポートで施行された根治的腎摘除(透析腎癌例)。症例によっては、図のように、コインサイズのポートで手術が可能である。

対象臓器

全ての後腹膜臓器すなわち、図2に示す副腎、腎、腎盂・尿管、膀胱、前立腺、尿道および後腹膜・骨盤内リンパ節などを対象としています。

【図2】
全ての後腹膜臓器を対象にしている

低侵襲手術における本手術の位置づけ

手術の低侵襲化は、図3に示すように、内視鏡とCO2ガスとトロカーポート(器具を挿入する小さな孔)を主な3要素として、従来の開放手術から腹腔鏡手術への移行がなされました。その後、腹腔鏡手術の改良として(立体視、動きの良い鉗子)、ロボット手術が登場しました。さらに、各々離れた位置に作成されていたトロカーポートを、腹腔鏡手術、ロボット手術いずれにおいても、単一の部位に集めようという方向性が生まれ、試みられています(シングルサイト手術)。

ミニマム創内視鏡下手術は、ガスレスとシングルポートを当初より基盤とした手術であり、臓器を取り出す創(シングルポート)からすべての手術操作を行い、内視鏡も創から挿入し、CO2ガスとトロカーポートは用いないという手術です。

図4に示す、立体視を伴ったコンパクトなガスレス・シングルポート・ロボット手術を視野に入れた手術です。

【図3】低侵襲手術の進展

【図4】想定目標手術:ガスレス・シングルポート・ロボット手術

基本概念

手術の基本概念を図5および6に示します。初めに、ミニマム創(シングルポート)をつくり、ここから解剖学的剥離面を展開して、広い剥離腔 working space を腹膜外に作る。内視鏡は創から挿入して拡大視と全員での観察を行い、術者は創からの立体視と俯瞰視を併用する(4視で安全を確保:拡大視、全員視、立体視、俯瞰視)。 CO2ガスは使わず、シングルポートのみから手術操作を行い、使い捨て器具は最小限にして低コストで行う。 シングルポートは状況に合わせて調節し、安全とテーラーメードの低侵襲を担保する。

【図5】手術のアウトライン(1)

【図6】手術のアウトライン(2)

国内の普及状況と海外の評価

国内では、本手術の学会である日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会が創立され、総会の開催および学会誌の発行が行われており、全国で約70の施設が施設認定を受けている(2003年3月現在)。海外では、手術書の翻訳出版が行われ、ヨーロッパ泌尿器科学会のビデオライブラリ―に収載され、賞の授与を受けている。