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胃外科

胃外科 診療日

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午前--小嶋--
午後--小嶋--

胃疾患

腹腔鏡下胃切除術

当院では腹腔鏡(補助)下胃切除を行っています。
従来の開腹手術では腹部を約15-20cm切開します。

腹腔鏡下手術では腹部に数カ所の孔(05-1.2cm)をあけて、お腹の中に二酸化炭素を入れて空間をつくり(気腹)、腹腔鏡というカメラや特殊な器械を用いて、テレビモニターをみながら手術します。切除した胃を取り出すために4-5cm程度の傷は必要です。

現在までの腹腔鏡下手術の術後長期の成績は従来の開腹手術と同等です。

腹腔鏡下手術の利点

1.術後の腸運動の回復が早く、食事の開始が早い。入院日数が短い(術後は5~7日で退院です)。
2.痛みは従来の開腹手術よりは少ない(傷はありますから痛みは多少あります。また痛みは個人差も大きいです)
3.手術中の出血量が少ない。(多くは100cc以下)
4.術後の腸閉塞の発生が開腹手術より少ない。

腹腔鏡下手術の問題点

1.開腹手術に比べて手術時間が1時間ほど長い。
2.視野が限られているため他の臓器を損傷する可能性がある。
3.思わぬ出血のとき対処しづらい。

2、3の時は危険が伴いますので従来の開腹手術へ移行します。

すなわち、技術的には難しいと言えます。当院では約12年前からこの手術を開始し、現在までに約900例(幽門側胃切除で約630例)に施行しており、全国でも指折りの症例数と技術を持っております。

この治療は胃癌学会のガイドラインでは、研究的治療と位置づけられており、標準治療=普通の施設で行う治療ではないと考えられています。施行可能な施設はまだ限られていますが保険診療となっています。従って入院費用は開腹手術とほぼ同等(入院期間が短いため)になります。3割負担の場合、一時的な自己負担額は約50万となります。当院では腹腔鏡の手術も開腹手術も施行可能ですので、ご希望をお知らせください。

消化管の再建(つなぎ方)

幽門側胃切除後は十二指腸断端を閉鎖し、残胃と切り離した空腸(十二指腸の次に来る上部の小腸)をつなぎあわせる方法(ルーワイ法)を用いています。胃と十二指腸を直接つなぐ方法(ビルロートI法)で行うこともあります。

胃全摘後も同様に十二指腸断端を閉鎖して食道と切り離した空腸をつなぎあわせる方法(ルーワイ法)で行っています。

実はつなぎ方は施設によって様々です。胃の全摘後に胃袋の代わりに空腸を袋状にしてつなぐ方法(パウチ法)もありますが、どちらがより優れているのかはわかっていません。逆に食事がたまって食べられなくなる方もいます。われわれはより確実・安全な方法を選択しています。

幽門側胃切除後の再建法

胃全摘後の再建法

合併症

胃の手術に関連するもの

1. 縫合不全(ほうごう不全)
幽門側胃切除では1%以下、胃全摘や噴門側胃切除では2-3%の患者さんに起こります。
胃や腸をつないだ部分が一部くっつかずに小さな穴があいた状態になることです。
穴から腸液や腸内の細菌が漏れ出てうみ(細菌のかたまり)がお腹の中にたまると発熱、腹痛が起こります。それを防ぐためにドレーン(管)を手術の最後にお腹に入れて、もし縫合不全が起こってもうみが体の外へ出るようにしておきます。絶食と点滴の治療で自然に穴はふさがりますが約1ヶ月かかります。
しかしドレーン(管)の効果がなくうみがお腹の中にたまった場合は、もう一度ドレーン(管)をおなかに入れてうみを外に出す処置が必要です。局所麻酔で皮膚からドレーン(管)を刺すか、難しい場合は全身麻酔で再開腹術になることもあります。
万が一、悪化するとうみは血液中から全身に広がり致命的になり得ます。

2. 膵液漏(すいえきろう)
すい臓内のすい液がしみ出てくることです。
胃のリンパ節の一部はすい臓とくっついているので、これを取るときにすい臓の表面が少し傷ついてすい液がしみだしてくることがあります。またそこに細菌がついてうみがたまりやすくなります。胃全摘ですい臓周囲のリンパ節を完全に取った場合では約10-20%の患者さんに起こります。その他の胃切除では約1%しか起こりません。
絶食と点滴の治療で自然に治るのを待ちますが2週間から1ヶ月くらいかかります。すい液、うみがお腹の中にたまった場合は、もう一度ドレーン(管)をおなかに入れて外に出す処置が必要です。局所麻酔で皮膚からドレーン(管)を刺すか、難しい場合は全身麻酔で再開腹術になることもあります。まれですが、すい液のもれがひどい場合に致命的になることがあります。

3. 術後出血
術後はドレーン(管)から血液状のものが出てきますが、自然に止血されるので通常心配ありません。まれに術後に血管の切れ端や胃や腸のつないだ部分から出血をすることがあります。その時は輸血や再手術が必要となる場合があります。

4. 吻合部狭窄(ふんごうぶきょうさく)
胃や腸のつなぎ目(吻合部)がはれてきてせまくなることです。食べ物や水分が通らなくなってはき出すことがあります。絶食と点滴の治療によって自然に治ることもありますが、治りにくい場合は内視鏡(胃カメラ)から風船(バルーン)を入れて、せまくなったつなぎ目を広げます。治るまで2-3週間かかります。

5. 腸の癒着(ゆちゃく)・腸閉塞(ちょうへいそく):
腸がお腹を閉じた傷にくっついたり、腸どうしがくっついたりすることがゆ着です。ひどく曲がったりねじれたりすると食べ物・腸液・ガスが通らなくなりたまります。お腹がはる、お腹が痛い、食べ物をはき出すなどの症状がでます。これが腸閉塞(ちょうへいそく)です。
治療法は様々です。絶食・点滴だけで治ることもあります。鼻から腸の中へ管を入れて腸液・ガスを外に出すと治ることもあります。しかしひどい腸閉塞では再手術になります。腹腔鏡下の手術ではゆ着が少ないので腸閉塞が起こることはまれです。ただし術後何年もたってから起こることもあります。

6. 傷の感染
皮膚の傷の下(皮下脂肪)に細菌がついてうみがたまることがあります。
皮膚の傷口を開いてうみをだします。傷は表面の皮膚と奥の筋肉を二重に閉じてあるので皮膚を開いてもお腹の中まで開くことはありません。治るまで約2-3週間かかります。しかし食事や歩行などは問題ありません。完全に治る前に退院していただいて、通院しながら自然に治るのを待ちます。

7. 血栓症(けっせんしょう)
足から心臓へ戻る血管(静脈)の流れが悪くなり、静脈の中で血液が固まることです。足にできた血栓が飛んで肺の血管につまると緊急処置が必要なことがあります。大きな血栓がつまると致命的です。
手術中、術後も足に簡易ポンプを巻いて血行をよくする予防をしているのでほとんど起きていません。
全身麻酔による手術に関係するもの
・肺炎
・心筋梗塞(しんきんこうそく)、心不全
・脳梗塞(のうこうそく)
・肝機能障害
・腎機能障害
・せん妄(せんもう)・・麻酔がさめた後で幻覚がみえたり、暴れたりすることがあります。一時的なものです。

など いずれもまれに起こりますが、ご高齢の方や他に病気をかかえている患者さんに多い傾向があります。確実な予防法はなく早期に発見して対応するしかありません。

セカンドオピニオンについて

当院での治療方針をお知らせしましたが、他の施設での治療方針等について聞いてみたいと思う方は、国立がんセンター、癌研、慶応大学、東京大学、駒込病院等に資料をもって話を聞きにいくことができますのでお知らせください。