グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 分子免疫学分野  > 年報  > 2018

2018

分 子 免 疫 学 分 野                          
Molecular Immunology

教授    東 みゆき
准教授   永井 重徳
助教     大野 建州
非常勤講師 
      清野 宏
      東 剛司
大学院生(博士)
      西井 直人(顎口腔外科学分野)(~3月)
      Xia Yulong
       古澤 慧美(小児歯科学分野)
      加藤 寛史(顎顔面外科学分野)(~5月)
      Yang Yue
      加島 義久(顎口腔外科学分野)
      Ao Xiang(歯髄生物学分野)
      Wongtim Keeratika
       Amrita Widyagarini Subagyo (小児歯科学分野)(1月~)
特別研究生(博士)  
      立浪 秀剛(富山大学大学院生)(~3月)
連携研究員  
      立浪 秀剛(富山大学大学院生)(4月~)

(1)分野概要
 分子免疫学分野は,大学院重点化に伴い新たに設置された専攻分野の一つとして2000年4月に設立されました。基礎および臨床歯学研究における免疫学の理解の必要性の増大に伴い、日本の歯学部では、口腔細菌・微生物学教室とは別に設置された初めての免疫学研究室でもあります。免疫システムは、生体防御の基本であり、生命現象を考える医歯学研究にますます不可欠なものとなりつつあります。口腔の免疫応答は、口腔由来の抗原に対する全身免疫と腸管を主体とする粘膜免疫の2つの融合免疫システムにより担われています。歯や歯槽骨などの硬組織と歯肉・口腔粘膜などの軟組織が混在し、日々の生活の中で多くの病原性および共生細菌や食餌性抗原に曝されている口腔は、他の臓器と比べてユニークな環境におかれています。免疫学はこの30年間に大きな進歩を遂げてきましたが、生体のしくみには、まだまだ解明されていない“不思議”がたくさんあります。当分野では、口腔と全身のネットワークを追求しながら、医歯学・生物学の幅広い観点から免疫システムの“不思議”の解明に取り組み、病態解明と治療法開発を目指しています。

(2)研究活動
研究目標:
生体防御において重要な役割を果たしている免疫システムは、リンパ球上の膜分子と可溶性分子の相互反応により巧みに制御され維持されています。なかでも、抗原特異的な適応免疫を担うT細胞とB細胞は、抗原受容体を介した刺激のみならず、共刺激分子 (Co-signal molecules)と呼ばれる細胞表面機能分子の働きにより免疫応答の質と量が決定されています。先天免疫と適応免疫システムは、別々に働いているわけではなく、お互いに強くリンクしています。T細胞およびB細胞、マクロファージ、樹状細胞などの抗原提示細胞を含む免疫担当細胞はもちろんのこと、各種臓器における組織細胞上の多種多様な補助シグナル分子の発現制御や機能的役割を明らかにし、これらの分子を標的とした、骨髄移植・臓器移植・自己免疫疾患・癌・炎症(歯髄炎,歯周炎を含む)およびアレルギー性疾患における免疫治療法を開発することを目的としています。
 口腔粘膜や歯における口腔免疫応答は、全身性免疫と共通な部分と口腔独自のユニークな部分から成り立っています。全身性免疫および腸管粘膜免疫と口腔独自のユニークな点を分子レベルで明らかにしていくことで、全身性疾患と口腔疾患の関連が明らかになり、これらの研究成果を基盤に、口腔疾患の治療法および口腔から全身疾患の治療法開発へ繋げます。

研究テーマ
1. 次世代 B7ファミリー新規免疫チェックポイント分子の同定および機能解析
2. 舌下粘膜に出現する免疫寛容誘導樹状細胞・マクロファージの解析
3. 口腔粘膜上皮細胞における抑制性共刺激分子CD274 (PD-L1)の発現と機能制御
4. 口腔粘膜経由の抗原に対する2次リンパ組織と口腔粘膜における免疫応答の解析
5. マウス扁平上皮癌モデルにおける免疫チェックポイント分子阻害との複合免疫療法効果
6. がん微小免疫環境と癌免疫治療効果との関連
7. IL-33のがん免疫応答への関与
8. 歯肉炎症における PD-L1/PD-1経路の関与
9. 免疫麻痺における免疫チェックポイント分子および制御性細胞の役割
10. B7-H1発現誘導に関わるシグナル経路の解明
11. 皮膚樹状細胞におけるPD-1第2リガンド分子の機能解析

(3)教育活動
学部教育:
歯学部歯学科 第3学年;感染と生体防御モジュール・モジュール責任者、講義および実習 ユニット1:感染と生体防御概論、ユニット4:バイオインフォーマティクス、ユニット5:生体免疫応答、 病態科学演習モジュール 口腔粘膜疾患担当、第4学年 研究実習分野配属、
歯学部口腔保健学科・口腔保健衛生学専攻 第2学年「病原微生物と生体防御」
歯学部口腔保健学科・口腔保健工学専攻 第2学年「感染予防」
医学部医学科 第2学年「免疫学I:共受容体による免疫調節」

大学院教育:
博士課程(医歯学総合研究科)分子免疫学特論・演習・実験
大学院特別講義(医歯学・生命理工学先端研究特論)「がん免疫の基礎から臨床まで」藤井眞一郎、「外来抗原に対する皮膚免疫の特異性と多様性」椛島健治
博士課程(医歯学総合研究科) 医歯学総合研究科コース特論(Basic-clinical borderless education)口腔化学・機能コース・コースリーダー
修士課程(医歯理工学専攻)「免疫学 T細胞の活性化と免疫応答」講義

(4)教育方針:
学部教育:生体防御機構において免疫システムがどのようにかかわっているかを理解させる。また、免疫システムが関与する全身性および臓器特異的疾患の発症メカニズムを理解させる。
大学院教育:免疫応答を細胞・分子・遺伝子レベルで理解し、免疫関連疾患の病態および免疫制御による疾患治療の可能性を考えられる能力を身につける。

(5)研究業績 
[原著]
1. Ohno T, Zhang C, Kondo Y, Kang S, Furusawa E, Tsuchiya K, Miyazaki Y, Azuma M. The immune checkpoint molecule VISTA regulates allergen-specific Th2-mediated immune responses. Int Immunol. 30(1):3-11, 2018.
2. Nishii N, Tachinami H, Kond, Kashima Y, Ohno T, Nagai S, Li L, Lau W, Harada H, Azuma M. Systemic administration of TLR7 agonist attenuates regulatory T cells by dendritic cell modification and overcomes resistance to PD-L1 blockade therapy. Oncotarget 9(17):13301-13312, 2018.
3. Arae K, Morita H, Unno H, Motomura K, Toyama S, Okada N, Ohno T, Tamari M, Orimo K, Mishima Y, Suto H, Okumura K, Sudo K, Miyazawa H, Taguchi H, Saito H, Matsumoto K, Nakae S. Chitin promotes antigen-specific Th2 cell-mediated murine asthma through induction of IL-33-mediated IL-1 production by DCs. Sci Rep. 6;8(1):11721, 2018.
4. Azuma T, Sato Y, Ohno T, Azuma M, Kume H. Serum soluble B7-H4 is a prognostic marker for patients with non-metastatic clear cell renal cell carcinoma. PLoS One.13(7): e0199719, 2018.


[総説]
1. 大野建州、中江進. DAMPとしてのIL-33. 医学のあゆみ264:1029-1035, 2018

[書籍等出版物]
[プレスリリース]
「低濃度TLR7アゴニスト投与は免疫チェックポイント療法の感受性を高める」新たな免疫チェックポイント併用薬としての可能性-、Oncotarget. 2018年2月

[学会発表] 
(国際学会)
1. Furusawa E, Ohno T, Miyashin M, Azuma M. Topical application of B7-DC/PD-L2 siRNA inhibits contact hypersensitivity. 15th International Symposium on Dendritic Cells. 2018.6.10-14, Aachen (Germany)
2. Nishii N, Tachinami H, Kondo Y, Xia Y, Kashima Y, Ohno T, Nagai S, Li L, Lau W, Harada H, Azuma M. Systemic administration of a TLR7 agonist attenuates regulatory T cells by dendritic cell modification and overcomes resistance to PD-L1 blockade therapy. 15th International Symposium on Dendritic Cells. 2018.6.10-14, Aachen (Germany)
3. Nakagawa D, Kizukuri R, Kagami S, Nagai S, Aizawa M. Fabrication of boron-containing apatite ceramics by reaction sintering method and their cellular responses of immunocytes. The 18th Asian Bioceramics Symposium. 2018.9.19-20, Bandung (Indonesia)
4. Kagami S, Kizukuri R, Nagai S, Aizawa M. Responses of immune cells to hydroxyapatite ceramics loaded with immunostimulators. 30th Symposium and Annual Meeting of the International Society for Ceramics in Medicine. 2018.10.26-29, Aichi (Japan)

(その他 海外講演)

(国内学会)

1. 立浪 秀剛、西井 直人、加島 義久、加藤 寛史、冨原 圭、野口 誠、東 みゆき. 2つのマウス扁平上皮癌モデルの癌微小環境におけるミエロイド系細胞の相違とTLR7アゴニストの投与効果. 第72回日本口腔科学会 2018.5.11-13、名古屋(ウィンクあいち).
2. Yang Yue、永井 重徳、東 みゆき. Immunosuppressive status of CD206hl cells appeared in sublingual mucosa. 第60回歯科基礎医学会 2018.9.5-7、福岡(九州大学).
3. 夏 玉龍、西井 直人、永井 重徳、東 みゆき、大野 建州. 抗腫瘍応答における内因性および腫瘍内投与IL-33の機能評価. 第77回日本癌学会 2018.9.27-29、大阪(大阪国際会議場)
4. 立浪 秀剛、西井 直人、永井 重徳、加島 義久、冨原 圭、野口 誠、東 みゆき. 2つのマウス扁平上皮癌モデルの癌微小環境におけるミエロイド系細胞の相違とTLR7アゴニストの投与効果. 第77回日本癌学会 2018.9.27-29、大阪(大阪国際会議場).
5. Kumurus Murat、濱西 潤三、松村 謙臣、茶本 健司、三瀬 名丹、安彦郁、馬場 長、山口 建、村上 隆介、細江 裕子、東 みゆき、小西 郁夫、万代 昌紀. VISTA expressed in tumor cells regulates T cell function. 第77回日本癌学会 2018.9.27-29、大阪(大阪国際会議場).
6. Furusawa E, Noda T, Komiyama T, Ohno T, Yokozeki H, Kobayashi K, Hamamoto H, Miyashin M, Azuma M. Silencing effects of B7-DC in cutaneous DCs on allergic skin diseases. 第47回日本免疫学会 2018.12.10-12、福岡(国際会議場).
7. Yang Y, Nagai S, Azuma M. Involvement of CD206+ cells in oral mucosal tolerance. 第47回日本免疫学会 2018.12.10-12、福岡(国際会議場).
8. 上野 太郎,木造 理萌子,山田 清貴,永井 重徳,相澤 守.イノシトールリン酸を表面修飾した水酸アパタイトセラミックスの作製とその免疫細胞応答.第22回生体関連セラミックス討論会.2018.11.30、東京(東京工業大学田町キャンパス).
9. 加々見 早苗,木造 理萌子,永井 重徳,相澤 守.免疫賦活担持水酸アパタイトセラミックスの作製と免疫細胞応答性.第40回日本バイオマテリアル学会大会.2018.11.12-13、
神戸(神戸国際会議場).
10. 中川 大輝,木造 理萌子,加々見 早苗,永井 重徳,相澤 守.反応焼結法によるホウ素含有アパタイトセラミックスの作製とその免疫細胞応答性. 第27回無機リン化学討論会. 2018.8.30-31、愛知(中京大学春日井キャンパス).

(その他 講演)

平成30年度
[研究助成金]
1. 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究A 「口腔慢性病変および口腔癌における負の免疫動態解析と全身への影響」研究代表者 東 みゆき 
2. 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究B 「免疫細胞のクロストークによる抑制性免疫応答制御機構の解明」研究代表者 永井 重徳
3. 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究C 「歯周病病態形成における新規抑制性共刺激分子VISTA関与の解明」研究代表者 大野 建州
4. 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究B「免疫系の修飾による放射線増感機構:腫瘍細胞動態からの解明」研究分担者 東 みゆき
5. 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究C「再発転移頭頚部癌に対するニボルマブ最適化投与のためのバイオマーカーに関する研究」研究分担者 東 みゆき


[その他] 2018.1-12
(セミナー)

(特許) 

 
(受賞)