お知らせ

新たな複合免疫不全症の発見を通じ免疫応答におけるNF-κB経路の重要性を指摘

小児地域成育医療学講座の金兼弘和寄附講座特任教授と発生発達病態学分野の谷田けい大学院生と森尾友宏教授の研究グループは、オーストラリア国立大学、広島大学、京都大学、岐阜大学などとの共同研究で、IKBKB遺伝子の機能獲得変異による新規の複合免疫不全症を発見しました。複合免疫不全症は原発性免疫不全症の1つで免疫細胞のうちT細胞やB細胞の機能異常によって感染症を発症しやすくなる病気です。

原発性免疫不全症は、遺伝子の異常などによって生まれながら、免疫がうまく働かないことで、重度の肺炎などを繰り返す難病で、当院小児科は、原発性免疫不全症に関して最先端の研究、診療、治療を積極的に行い、全国の医療機関からの相談にも多数応じています。今回の研究成果は、原発性免疫不全症の発症原因や新規治療法の開発に寄与するものと期待されます。

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体細胞復帰変異T細胞を用いた遺伝子治療に期待

小児地域成育医療学講座の金兼弘和教授と発生発達病態学分野の星野顕宏元助教(現在フランス、Imagine留学中)と森尾友宏教授の研究グループは、富山大学、京都大学、東京大学などとの共同研究で、X連鎖リンパ増殖症候群1型の臨床症状軽症化の原因が、体細胞復帰変異を有するT細胞によって細胞性ならびに液性免疫が修復されることをつきとめました。この研究によって、正常なT細胞がわずかでも存在すれば、機能的修復が可能であることが示唆され、遺伝子治療によって作成した正常なT細胞を少数でも移植することによって、臨床症状の改善が得られることが期待されます。

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