医療を志す若者へ

医療を志す若者へ

2020.11.17

9月26日に開催された 読売新聞オンラインセミナー「Withコロナ 未来の医療を創る君へ」に参加した高校生から寄せられた質問に回答しました。

【質問】コロナ患者さん以外の患者さんへの対応は現在どうなっていますか?(淑徳高校)

【回答】コロナ以外の患者さんの安全と安心を守るために、動線を切り分けた形で病棟・外来を準備しています。これから長い闘いになる方向性が見えてきますので、いかにして皆が疲弊しないようにしながら治療体制を保っていくか、常に議論を続けています。
(病院長補佐 若林健二医師)

  • 通常通りの診療を行っております。外来診療では、医師と患者さんが一定の距離を保ち、マスク着用で対応しています。発熱や咳の症状がある患者さんにはあらかじめ申し出ていただき、一般の患者さんとは違うエリアで診療を行うことにあっております。

  • コロナ以外の患者さんの治療の場合も、患者さんにマスクを着用してもらいます。これは、血管内治療科によるカテーテル治療のようすです。

  • コロナ以外の患者さんに対する心臓血管外科の治療のようす。重い心臓病の患者さんなど、一刻を争う手術も行っています。

  • コロナ以外の患者さんに対する肝胆膵外科のロボット支援下(ダビンチ)手術のようす。コロナ診療のために、手術が遅れてしまわないように、難易度の高い手術にも全力で立ち向かっています。

【質問】新型コロナウイルスに対応するにあたって医療関係者にも感染の危険があると思いますが、皆さんはご家族の方にはどのように理解してもらっているのでしょうか?(都立日比谷高校)

【回答】コロナに関しては正しく防護服を着れば安全です。当初はこのあたりははっきりしなかったのですがすでに明らかです。しっかり家族に説明することで理解していると思います。皆さんにも多くの情報が流れると不安や心配が減りますね。
(リハビリテーション部部長 酒井朋子医師)

  • リハビリテーション部長酒井朋子医師が、防護服を着用して、コロナ陽性重症患者さんのリハビリテーション治療を行うようす

  • 防護服の着脱は、特に脱ぐ時に注意が必要で、医療者同士で確認しながら、最も効率的で安全な着脱法について話し合います。

田中雄二郎学長メッセージ

新型コロナウイルス感染に正面から取り組む
―大学基金へのご協力のお願い―

全世界が新型コロナウイルス感染という危機に直面しています。これは世界の4 人に1 人が感染し、5000 万人が死亡したスペイン風邪以来の大規模パンデミックとも言われており、大きく世の中を変えることになると思います。
大学自体も、卒業式、入学式が相次いで中止となり、教育はe-ラーニング、研究もコロナウイルス感染関連以外は最低限となり危機的状況です。
もともと、本学は「知と癒しの匠みを創造し人々の幸福に貢献する」という理念を掲げています。
この理念に基づき、東京に位置する医系国立大学としてこの危機に正面から取り組むのは使命だと考えて行動を開始しました。

新型コロナウイルス感染克服を最優先に

新型コロナウイルス感染克服への取り組みを最優先課題としました。
大学病院は高度先進医療を優先すべきだという議論もあります。しかし感染爆発の状況に至れば、そのような姿勢は社会的に許容されないだろうと考え、3月初旬から準備を開始しました。
診療面では、医学部附属病院がこの前面に立ち、集中治療室全体を陰圧化するなどの改装や、病院前に検体採取用テントを設置するなどのハード面の改修を行いました。また、新たに20台の人工呼吸器を購入し、ECMO(人工肺)5台、人工呼吸器82台の体制を敷いて多くの重症患者様の治療に当たっています。
ソフト面では、多くの研究者たちの応援のもと院内感染ゼロを維持するため入院患者様およびコロナウイルス対応職員の院内PCR検査体制を実施しています。また、コロナウイルス感染拡大防止の観点から医学部および歯学部附属病院の通常診療も大幅縮小し、患者様にはご迷惑をおかけしつつ、そのスタッフたちがコロナウイルス対応スタッフの応援に回っています。

このような本学の取り組みの結果、全国でも有数の新型コロナウイルス感染者の治療に当たることができ、その社会貢献を評価して頂き、防護服の寄附や弁当の差し入れなどを頂戴することが出来ました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

しかしながら、病院の改装、医療機器、防護服、検査試薬など諸費用は莫大なものになっており、より良い診療、教育、研究を維持向上させるために、皆様のご支援を重ねてお願い申し上げる次第です。お寄せ頂いたご厚意には必ず報いることが出来ますよう使途も明らかとして、一層の社会貢献に努めて参りたいと思います。
宜しく、ご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。

東京医科歯科大学 学長 田中雄二郎

新型コロナウイルス対策基金にご協力ください

東京医科歯科大学は、新型コロナウイルス感染症に正面から立ち向かっています。そのため、病院の改装、医療機器、防護服、検査試薬など諸費用は莫大なものになっており、より良い診療、教育、研究を維持向上させるためには、皆様のご支援が必要です。お寄せ頂いたご厚意には必ず報いるよう、一層の社会貢献に努めて参りたいと思います。宜しく、ご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。