令和4年度 東京医科歯科大学病院 病院指標



    ◆病院情報の公表の集計対象:令和4年度(2022年4月~2023年3月)当院一般病棟退院患者データ
    ※COVID-19に該当する診断群分類は集計対象外のため患者数には反映していません。
    令和4年度に関しては、COVID-19の影響により入院や手術の受け入れが制限されていた期間があり、全診療科において平時とは異なる数値となっている場合があります。
    各項目10件未満の数値は、-(ハイフン)と表記しています。



  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 718 397 616 829 1372 2265 3213 4563 2052 176
当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が、全体の61.7%、80歳以上が13.8%とご高齢の患者さんが多く入院されている一方で、20代以下が10.7%、10代以下は6.9%と若い世代(小児疾患など)の患者さんの入院治療も行っています。
当院ではご高齢の患者さんの慢性疾患や急性肺炎、脳血管障害など救急医療の受け入れが多く、また若年の患者さんには血液疾患、神経、炎症性腸疾患など入院治療を行っております。
令和4年度に関しては、COVID-19の影響により入院や手術に制限がかかった期間があり、全診療科において平時とは異なる数値となっている場合があります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 46 13.39 10.00 0.00% 65.13
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 21 34.38 30.75 4.76% 66.14
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 5あり 19 17.16 19.67 0.00% 73.79
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 6.31 8.09 0.00% 59.25
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 9あり 16 12.75 13.53 0.00% 67.06
当科では特定機能病院として悪性リンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫といった造血器悪性腫瘍を中心とし、再生不良性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、凝固異常症などの疾患についてもバランスよく診療しています。急性白血病については各症例に応じて同種造血幹細胞移植を含めた包括的な治療を行っています。非ホジキンリンパ腫についてはリツキシマブやポラツズマブを入院で導入したのち外来で治療を継続しています。当科は関東でも数少ないCAR-T細胞療法認定施設であり、再発後にも自家末梢血幹細胞移植やCAR-T細胞療法や他の化学療法などの治療を患者さんの病気や状態に応じて積極的に行っています。悪性リンパ腫が最も多く、豊富な経験をもとに患者さん毎に最適な治療を提供させていただいています。多発性骨髄腫については新規薬剤を含む治療を入院で導入したのち、外来での治療に移行します。また、若年の患者さんには自家末梢血幹細胞移植を積極的に行っています。血液内科においても高齢の患者さんが増加しており、当院の特徴である歯学部との連携のほか、看護部、リハビリテーション部、臨床栄養部、心身医療科など多職種との連携を行い、一人一人の患者さんに最適な医療を行えるよう心がけています。外来化学療法による病床の効率的な利用、血液製剤の適正使用などにより、貴重な医療資源を有効活用して地域、社会に貢献しています。
膠原病・リウマチ内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 148 10.53 14.67 1.35% 55.68
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 41 14.37 18.57 4.88% 69.44
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし 32 16.00 15.73 3.13% 70.31
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり 17 37.65 34.59 0.00% 63.65
070560xx99x70x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし - - 18.79 - -
当科では「全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患」と呼ばれる病気を扱っています。その中には、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎/皮膚筋炎、全身性強皮症、シェーグレン症候群、血管炎症候群、ベーチェット病、IgG4関連疾患、サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛症、成人発症Still病などがあります。これらの病気は全身に影響を及ぼすため、入院治療が必要な場合が多くあります。当科では、都内の大学病院の中でも多くの膠原病・リウマチ疾患の患者さんを診ています。初めて発症した患者さんだけでなく、通常の治療に効果がない難治性の患者さんや、重篤な合併症を起こしている患者さんも多数受け入れています。例えば、大量免疫グロブリン療法や輸血、手術が必要な患者さんや、強力な免疫抑制剤を使っているために真菌感染症にかかってしまった患者さんなどです。当科では、こうした患者さんに対しても適切な診断と治療を行っています。また、多発性筋炎/皮膚筋炎、強皮症、血管炎症候群、関節リウマチなどの膠原病・リウマチ疾患に伴って間質性肺炎が起こることもありますが、当科ではそれらの患者さんも積極的に入院加療を行っています。さらに、高齢者や合併症の多い関節リウマチの患者さんに対しては、入院中に全身の検査と評価を行い、一人一人に合った治療計画を立てています。また、日常生活動作(ADL)が低下して自宅退院が困難な患者さんに関しては、近隣医療機関への転院調整も行っています。
糖尿病・内分泌・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 85 12.94 14.28 1.18% 67.47
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 31 8.35 6.41 3.23% 58.58
100260xx9910xx 下垂体機能亢進症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 26 6.46 5.64 0.00% 59.46
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし 24 11.46 10.80 0.00% 58.04
100202xxxxxx0x その他の副腎皮質機能低下症 定義副傷病 なし 13 5.54 9.67 0.00% 49.00
当科では従来より糖尿病・内分泌疾患の診療に力を入れています。
糖尿病については教育入院プログラムを準備しており、インスリン導入や手術前の血糖コントロールなどそれぞれの病態・状況に応じた入院診療を行っています。また、24時間持続血糖モニタリングやインスリンポンプ治療などの専門的な医療も行っており、糖尿病専門医、糖尿病療養指導士の資格を有する看護師、管理栄養士、薬剤師の専門チームで連携して診療にあたっています。
内分泌疾患では原発性アルドステロン症を中心とする副腎疾患や下垂体疾患に対する内分泌負荷試験および副腎静脈サンプリング検査のための短期入院を積極的に行っています。内分泌疾患の症例数の多さは関東随一であり、多数の周辺施設からご紹介いただいています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 87 10.16 11.77 1.15% 70.23
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 34 1.74 4.23 0.00% 71.65
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 33 5.39 6.45 0.00% 42.24
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 32 13.94 13.82 3.13% 68.41
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 31 6.06 7.59 0.00% 71.39
慢性腎臓病(CKD)は様々な原因から腎臓の機能が低下し、最悪の場合透析に至ってしまう病気です。わが国では透析患者数34万人、透析関連医療費は1兆6千億円程度要しており、CKDの早期診断と適切な治療介入による透析予防は喫緊の課題であると言えます。それを裏付けるように、当科で最も多いのは慢性腎炎の診断・治療や慢性腎臓病の教育に関する入院で、透析導入予防策に尽力しています。一方、維持透析患者さんの様々な合併症への対応も必要不可欠であり、透析導入患者さんのために新たに手術を行うケースを含め、当科では血液透析用内シャント関連手術や腹膜透析関連手術を積極的に実施しています。このように当科入院目的の2〜5番目はシャント関連手術ならびに透析導入が占めています。当科では患者さんやスタッフに放射線被ばくのない超音波ガイド下シャントPTA(経皮的血管拡張術)を採用しています。その他、尿蛋白や尿潜血を伴い腎機能が悪化する糸球体腎炎、尿蛋白が大量に漏出してしまうネフローゼ症候群などに対して腎生検による診断、ステロイドや免疫抑制剤による治療を行っています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 10 39.20 26.42 70.00% 82.50
130090xx97x0xx 貧血(その他) 手術あり 手術・処置等2 なし - - 10.69 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし - - 21.11 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし - - 15.73 - -
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 14.67 - -
当科では大学病院のメリットを活かし、救急科や各分野の高度医療を提供する専門科と連携した診断と治療を行っています。具体的には未診断の各種症状の精査、感染症などをはじめとした急性期救急疾患の治療、外科系専門科と連携した周術期の全身管理などです。患者さん一人ひとりの生活状況など社会的要因も加味し、他職種連携を図りながら、良質な全人的医療を提供します。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 91 2.74 2.64 0.00% 70.63
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 75 7.29 6.59 0.00% 68.99
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 63 7.33 7.76 0.00% 73.87
060180xx01x0xx クローン病等 痔瘻根治手術等 手術・処置等2 なし 39 5.41 7.43 0.00% 42.69
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 7.62 8.94 0.00% 66.86
当科では炎症性腸疾患、肝疾患、内視鏡治療に重点を置き、診療を行っています。当科の炎症性腸疾患・受診者数は全国有数の規模であり、常に最新の治療を取り入れ、QOLを重視した質の高い外来診療を推進しています。これにより入院に至る症例が少ないこと、また入院した場合でも長期入院が少ないことが特徴です。肝疾患はウイルス肝炎のみならず、脂肪肝炎などの非ウイルス性肝疾患や肝硬変・肝がんを対象とした治療を積極的に行っています。肝がんの治療では病状に応じてラジオ波焼灼術・肝動脈化学塞栓術・全身薬物療法等、患者さん一人一人により適切な方法を選択し、治療を行っています。内視鏡はシングルバルーン内視鏡を駆使して小腸疾患の診断や狭窄拡張術・病変切除、止血術等を行っています。併せて上部・下部内視鏡を用いた消化管悪性腫瘍に対する内視鏡的切除(EMRやESD等)や胆膵疾患に対する精査治療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 394 4.45 4.65 0.00% 63.03
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 156 4.15 4.26 0.00% 67.97
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 152 2.97 3.22 0.00% 68.10
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 90 8.64 9.89 2.22% 74.80
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 40 3.23 3.04 0.00% 69.55
当科では心房細動や心室頻拍といった頻脈性不整脈に対して、患者さんの病気に合わせた様々な手法を用いて数多くのカテーテル治療を行っています。出血リスクの高い持続性心房細動症例においては、脳梗塞の原因となる血栓の形成を防ぐため、経皮的左心耳閉鎖術も扱っています。徐脈性不整脈や致死的不整脈に対しては、ペースメーカや植込み型除細動器などのデバイス治療も多く行っており、重症心不全に対する両室ペースメーカ植込みや、感染などによりデバイスの抜去が必要となった際には、内科的に経静脈的リード抜去術を行っています。狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患に対しては、積極的にカテーテルによる検査、治療を行っており、様々な機器を用いて正確に病変を評価し、それぞれの患者様の病変に合わせた治療方法を選択しています。今後は、弁膜症に対するカテーテル治療の開始も予定しており、様々な分野において、患者さんの病態や背景に合わせた安全で最適な医療を提供できる環境を整えています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり 41 13.90 16.50 2.44% 53.29
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 13.06 14.67 5.71% 61.34
010090xxxxx0xx 多発性硬化症 手術・処置等2 なし 28 11.82 14.51 3.57% 51.14
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 12.14 13.13 0.00% 64.57
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 14.44 18.58 16.00% 71.72
当科では全身の筋力低下や筋萎縮の原因となる筋萎縮性側索硬化症をはじめとした運動ニューロン疾患、歩行障害や手足の震えの原因となるパーキンソン病や関連疾患、手足の筋力低下や視力障害の原因となる多発性硬化症および視神経脊髄炎スペクトラム障害、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎といった免疫介在性の末梢神経障害、さらに意識障害や痙攣を来す急性脳炎などといった、神経難病(国の指定難病である疾患を含む)の診療に特に力をいれています。また、複数の診療科が連携した神経難病先端治療センター、認知症予防外来、多発性硬化症専門外来など専門外来を設置することによって、外来診療から入院加療までトータルなケアを目指しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 163 15.55 18.57 4.91% 70.50
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 122 3.75 3.05 0.00% 70.75
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 73 2.00 2.03 0.00% 59.70
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 38 9.95 8.60 0.00% 69.24
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 32 15.25 13.49 6.25% 73.59
呼吸器内科の診療実績は主に間質性肺炎、肺癌、睡眠時無呼吸症候群で構成されます。これに引き続いて喘息・COPDとなります。アレルギー性の間質性肺炎である過敏性肺炎については、当科で蓄積した基礎からトランスレーショナル研究の成果まで、専門的な検査を行い診断・治療を可能として多数の紹介を頂いています。また、難治性喘息などは、アレルギー疾患先端治療センターの一員として各科のアレルギー専門医と協力した体制を構築して多数の抗体製剤を駆使した先端的な治療を行っています。肺癌診療においては、がんゲノム医療拠点病院としての特性を活かして積極的にがんゲノム解析を行い進行期胸部悪性腫瘍の治療選択肢の拡大に努めています。また標準治療が定まっていない間質性肺炎合併肺癌など、多くの併存疾患を有する悪性腫瘍の症例においても安全で質の高い治療を提供しています。睡眠時無呼吸症候群の診療においては当科、耳鼻咽喉科、精神科、歯科から構成される快眠センターを有して、多面的に睡眠障害の治療にあたっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 110 6.53 6.13 0.00% 0.00
140010x197x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術あり 手術・処置等2 なし 28 9.86 7.94 0.00% 0.00
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 2.63 7.33 0.00% 3.67
130010xx99x2xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2 2あり 25 9.20 9.70 0.00% 3.88
010230xx99x4xx てんかん 手術なし 手術・処置等2 4あり 24 6.08 6.76 0.00% 5.71
小児科では6つのグループ(血液・免疫・腫瘍、循環器、神経、内分泌・代謝、腎臓・膠原病、新生児)の専門医と、看護師、チャイルドライフスペシャリスト、病棟保育士などを含めたチームで、希少疾患、難治疾患に対する高度医療を中心に診療を行っています。地域周産期母子医療センターとして、新生児集中治療室では、超出生体重児から、正期産病的新生児、小児外科手術が必要な新生児まで、幅広い医療を行っています。
血液腫瘍や免疫不全症のお子さんに対しては多数の造血細胞移植を行っており、また難治性白血病には遺伝子改変がん免疫療法「CAR-T細胞療法」を導入しています。免疫不全では日本の中心的診療施設となっています。
難治性てんかんのお子さんに対しては内科的治療のほか、脳神経外科と協力して外科的治療も行っています。脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンス核酸医薬品・遺伝子治療も行っています。
特色ある診療として、数多くのリウマチ性疾患・自己炎症性疾患を幅広く診療しています。詳細な免疫学的評価に基づき、病勢・病態に応じた医療(生物学的製剤、免疫抑制剤、血漿交換など)を行っています。
その他、内分泌・代謝疾患(先天性副腎過形成、性分化疾患、先天性代謝異常など)、循環器疾患(先天性心疾患手術、肺動脈性肺高血圧症)、腎疾患(難治性ネフローゼ症候群)に対して専門医による診療を行っています。
食道外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060010xx04xx0x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 内視鏡的食道粘膜切除術等 定義副傷病 なし 116 4.97 8.87 0.00% 70.12
060010xx02xx0x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの) 頸部、胸部、腹部の操作によるもの等 定義副傷病 なし 36 18.39 29.48 0.00% 64.97
060010xx99x41x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり 35 13.14 15.33 0.00% 65.40
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 27 9.78 8.87 0.00% 61.56
03001xxx01x0xx 頭頸部悪性腫瘍 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。)等 手術・処置等2 なし 21 5.48 11.38 0.00% 69.10
食道がんの診療には内視鏡治療、外科手術、放射線治療、薬物療法など、様々な治療法の中から患者さんそれぞれに適切なものを選択し、あるいは組み合わせにより、確実に遂行することが重要で、当科はその全てに豊富な経験を有しています。低侵襲治療とされるロボット手術を含めた胸腔鏡・腹腔鏡手術を基本としながら、心臓血管外科、呼吸器外科、形成外科などの診療科に協力いただき、大学病院という特性を活かして外科治療を行っています。さらに、喉頭機能温存とがんの根治性を両立させた頸部食道がん手術や、胃管再建が困難な患者さんに対する空腸または回結腸再建術を積極的に行っています。
胃外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 40 3.18 4.59 0.00% 74.25
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 39 12.21 18.05 0.00% 70.05
060020xx01xxxx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 13 12.92 22.01 0.00% 60.62
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病 なし 12 4.58 7.05 0.00% 68.08
060020xx97x0xx 胃の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし - - 13.83 - -
当科で扱っている疾患は胃がんが中心ですが、胃粘膜下腫瘍(GISTなど)や胃・十二指腸潰瘍なども対象として扱っています。
また鼠径ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニアといった腹壁ヘルニアの治療にも力を入れております。 手術による治療だけでなく、早期胃がんや良性腫瘍などを中心に、病気や進み具合に応じて内視鏡治療も積極的に取り入れています。 胃の手術には様々な術式がありますが、病状に合わせた適切な術式を選択しています。最も古くから日本で腹腔鏡下胃切除術を始めた施設であり、様々な術式を腹腔鏡下手術で行なう技術を有しています。ロボット手術も保険診療で行なうことが可能であり、現在、胃がん手術のほとんどはロボット手術で行っています。また、正しい診断を行なうために、審査腹腔鏡手術を積極的に行っていることも特徴の1つです。
2001年よりクリニカルパスを導入していること、手術合併症が少ないことなどから、術後在院日数が非常に短いことが特長で、全国でも有数の成績となっています。
大学病院という特性を活かして、基礎疾患を多く抱える方も安心して治療が受けられるような体勢を整えています。安全確実な治療と早期の社会復帰を提供できるよう診療を行っています。
大腸・肛門外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 58 9.50 15.40 0.00% 66.21
060040xx0200xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 51 10.14 14.89 1.96% 63.65
060040xx0210xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 32 10.44 23.07 0.00% 64.56
060040xx04xx0x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術(ポリープ摘出を含む。)等 定義副傷病 なし 20 8.65 12.29 0.00% 64.05
060040xx01xxxx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 骨盤内臓全摘術等 19 10.74 27.92 0.00% 66.79
当科では大腸がん(結腸がん、直腸がん)を中心とする大腸悪性疾患、虫垂炎、憩室炎、腸閉塞などの良性疾患、また痔核や痔瘻などの肛門疾患を持つ患者さんの診療を担当しています。その中でも大腸がんに対する低侵襲手術を積極的に行っています。当科の特徴としては、直腸がん、結腸がんともに全例でロボット支援手術を行っていることや、潰瘍性大腸炎に対しても腹腔鏡手術をほぼ全例で施行していることが挙げられます。また、これらの手術において、合併症が極めて少なく、早期の退院ができていることから、術後在院日数が短いこと、直腸がんの肛門温存率が高いことが特徴です。安全、かつ確実に治療を行い、患者さんが早期に社会復帰できるよう日々の診療に取り組んでいます。
臨床腫瘍科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x40x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 17 5.35 9.27 0.00% 64.47
03001xxx99x41x - - - 14.90 - -
06007xxx9905xx - - - 7.70 - -
060035xx99x7xx - - - 4.79 - -
060040xx99x70x - - - 4.47 - -
当科では主に大腸がん、胃がんなどの消化器がんに対する薬物療法を行っています。次に頭頸部がんに対する薬物療法も多く扱っています。大腸がん、胃がんで使用する治療レジメンのほとんどは外来化学療法・注射センターでの通院治療が可能ですが、一部のレジメンでは中心静脈ポートの造設後に薬物療法を開始するものがあり、その場合は初回のみ入院治療を行っています。一方、シスプラチンなどのプラチナ系薬剤を含むレジメンが主流である頭頸部がんでは、入院治療を繰り返す必要があります。その他にもご高齢や既存症のため、慎重な経過観察を要する患者さんも入院治療を行う場合があります。また、がん救急、副作用、がん終末期で緩和治療を受ける患者さんについては、症状安定まで入院が長くなる傾向があります。がん随伴症状で苦しんでおられる患者さんには緩和ケア科と連携して症状軽減とQOL向上に努めています。
肝胆膵外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx010xxx 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等1 なし 41 24.59 24.71 0.00% 66.41
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 41 4.02 4.25 0.00% 70.39
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 34 19.79 14.50 2.94% 65.35
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 6.11 6.93 0.00% 64.37
06007xxx97x0xx 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 25 15.72 11.74 0.00% 65.64
肝胆膵外科は肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、脾臓などの疾患に関する手術や薬物療法を含めた集学的治療を行う診療科です。この診療科の名前は、それらの頭文字をとって「肝胆膵外科」と呼ばれています。当科は、肝切除術と膵切除術の手術件数が多いハイボリュームセンターとして知られ、大学病院の特長を活かして、手術以外の化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療の取り組みにも力を入れています。膵臓がんにおいて、腫瘍が近接する重要な血管への進展がみられる局所進行がんに対し、術前化学療法を導入しています。さらに手術時には、必要に応じて他診療科と協働し、血管の再建術を伴う拡大手術により根治的切除の可能性を高める取り組みを行っています。DPCコードの1番目は、膵臓がんに対する手術を受けた患者数を示しています。肝臓がんに対しては、ラジオ波焼灼術、肝動脈塞栓療法、肝動脈動注化学療法、及び肝動脈化学塞栓療法といった手術以外の治療法も行っております。DPCコードの3番目は、手術治療を受けた患者数を示しています。膵切除術と肝切除術の両方で、負担の少ない腹腔鏡手術やロボット手術を積極的に採用し、これが当科の特色となっています。良性疾患である胆のう結石症や肝嚢胞に対する腹腔鏡手術も行っており、合併症が少なく、体への負担も軽減される治療を多く行っています。DPCコードの4番目は、腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた症例数を示しています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 71 10.04 9.99 0.00% 62.06
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 41 5.02 5.67 0.00% 61.68
090010xx011xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 あり 10 15.30 15.14 0.00% 50.40
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし - - 9.71 - -
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 4.04 - -
当科は主に乳がん治療に携わります。乳がん治療において、入院を要する治療は主に手術です。術式は、乳房切除、乳房部分切除、乳房切除+乳房再建があります。術式については、放射線診断科、放射線治療科、形成外科、病理診断科と合同カンファレンスを行い、決定しています。
また進行再発乳がんに対しても、化学療法や内分泌治療、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行い、より良いQOLを目指します。遺伝性乳がん卵巣がん症候群に対しても、女性科と遺伝子診療科と診療にあたっています。
末梢血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 59 7.15 5.18 0.00% 72.88
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 32 2.13 2.66 0.00% 69.38
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 29 10.41 10.62 0.00% 72.28
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 23 10.43 9.01 8.70% 66.78
050170xx02000x 閉塞性動脈疾患 動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 15.00 - -
当科の対象疾患である下肢閉塞性動脈硬化症は本邦において年々増加傾向にあり、当科でも同様の傾向にあります。下肢閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一部であり、この病気を持つ患者さんは、脳・心臓等、他の部位での動脈硬化症の合併も多いため、治療においては全身的な管理、治療が必要となります。そのため、より体に負担の少ない治療、低侵襲治療が望ましく、当科でも体に優しい治療(カテーテル治療=足の付け根から細い医療用器具を血管内に進めて目標の血管を治療する方法)を積極的に行っています。一方で、この治療だけでは不十分である患者さんに対しては、従来通りのバイパス手術を含めた外科的治療を行います。
また本邦での高齢化に伴い、動脈が膨らむ病気、すなわち胸部・腹部大動脈瘤・腸骨動脈瘤も多くみられるようになりました。この治療に対しても従来は外科的治療が主流でしたが、先にも述べたように高齢の患者さんに対してはより負担の少ない治療としてカテーテル治療(ステントグラフト内挿術)を行っています。動脈瘤の治療は、患者さんの状態や動脈瘤の形に応じた適切な治療方法を選択しており、手術前に十分な全身状態および動脈瘤の評価を行い、術式を決定しています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 12 1.25 3.00 0.00% 2.25
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 11 2.09 2.78 0.00% 2.73
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病 なし - - 7.05 - -
140245xx01xxxx 舌・口腔・咽頭の先天異常 舌繋瘢痕性短縮矯正術等 - - 2.93 - -
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 - - 4.59 - -
開設後7 年が経過し、スタッフ数、診療実績共に充実してきました。小児の疾患数が多い、腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術・停留精巣手術・臍ヘルニア手術等は、「日帰り」での入院・手術を安全に行っています。新生児手術も安全に行えており、合併症率が非常に少ないことが当科の特徴です。腹腔鏡下手術も併用しながら、それぞれの患児に最適な術式を選択し、低侵襲で創が目立たない手術を第一に考えています。当院は小回りが利く組織であることを活かして、小児科をはじめ、麻酔科、周産期科、整形外科など小児関係科が密接に連携しながら患者背景に合わせたオーダーメイド的な治療を適切に選択しています。そのため合併症の少ない安全な治療を行うことが可能となっています。最近は、新生児手術、小児がんに対する手術も増加しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 159 17.79 20.14 20.13% 67.40
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 117 8.81 13.19 0.85% 32.88
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 69 21.23 20.05 20.29% 71.04
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 62 18.26 22.44 51.61% 73.85
070341xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 手術なし 手術・処置等2 あり 55 2.11 2.89 0.00% 63.05
当科では脊椎、膝、スポーツ、上肢、股関節、外傷、小児、腫瘍すべての整形外科領域において、最先端の治療を行っています。
頚椎、腰椎に生じる脊柱管狭窄症に対しては、適切な術式選択を行ったのち、除圧術や固定術を行っています。また変形脊椎に対しても、矯正固定術を積極的に行っています。 高齢化社会に伴って増加する下肢の変形性膝関節症と変形性股関節症に対しては、早期に日常生活動作と除痛を獲得できるように人工関節置換術を行い、良好な治療成績を得ています。また、若年者や比較的変性の程度が軽い方に対しては、関節温存手術である骨切り手術を行っています。さらにスポーツによる肩・膝関節の障害に対しての治療も得意としており、多くのスポーツ選手の手術を行い、競技復帰をサポートしています。運動器疾患の幅広いニーズに対して、最適の治療を提供いたします。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx03x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 19.46 20.55 10.81% 57.84
010120xx01xxxx 特発性(単)ニューロパチー 三叉神経節後線維切截術等 20 11.45 13.03 0.00% 61.35
010010xx991xxx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 20 2.40 4.99 0.00% 60.25
010010xx02x0xx 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術+術中血管等描出撮影加算 手術・処置等2 なし 19 15.05 20.80 5.26% 42.05
100260xx9700xx 下垂体機能亢進症 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19 14.16 15.79 0.00% 58.42
当科では脳・脊髄神経の外科的治療を要する疾患全般を対象に、高度な医療を提供しています。疾患の種類は、脳腫瘍、てんかん、頭部外傷、脳血管障害など多岐にわたり、最も患者数が多かった疾患は脳腫瘍でした。中でも悪性脳腫瘍では、手術のみならず放射線治療、化学療法などの集学的治療を駆使して治療にあたっており、手術以外での入院症例数も多くなっています。また、近年では経鼻的に内視鏡を使用して執刀する下垂体腫瘍の症例が増えています。
脳腫瘍以外では歯学部部門からの紹介による三叉神経痛の患者数が多く、最先端の画像診断技術を開発して適切な治療方針を提案しており、手術症例が増加しています。
そのほかに、当科では他科と連携して迅速・最適な治療を提供できる体制を整えております。脳血管障害では血管内治療科、脳神経内科、救急科と連携して治療にあたっており、超急性期脳梗塞の血栓回収療法などの体制が整っています。またてんかん症例では小児科、脳神経内科、精神科、救急科と連携をとって、てんかんセンターとして包括的なてんかんの診療にあたり、脳神経外科では必要に応じて手術治療も担っています。
血管内治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 57 2.32 2.95 0.00% 63.23
050170xx99100x 閉塞性動脈疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 46 2.00 3.30 0.00% 58.39
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 30 2.40 3.23 3.33% 72.73
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし 29 9.93 9.06 3.45% 65.41
010070xx02x0xx 脳血管障害 経皮的頸動脈ステント留置術 手術・処置等2 なし 20 10.15 9.00 0.00% 75.20
当科の診断群分類別患者数で最も多いのは、未破裂脳動脈瘤に対する脳血管造影撮影検査です。未破裂脳動脈瘤の術前に詳細な評価を行い、脳神経外科との連携のもと最善の治療法を提案しています。その中で脳血管内治療が適していると判断した症例に対して治療を行っています。とくに、PIPELINEなどのフローダイバーターステントを使用した巨大脳動脈瘤の治療件数は増加しています。頸動脈ステント留置術などの虚血性疾患(脳梗塞など)の治療も積極的に行っています。その他、脳卒中センターのカンファレンスにおいて診断や治療方針の決定が困難な症例に対しても連携をとりながら数多くの脳血管撮影を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 17 23.94 21.78 5.88% 68.76
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等2 1あり 14 31.36 28.45 14.29% 65.21
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 1,2あり 手術・処置等2 1あり 10 24.80 26.75 0.00% 63.10
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2 1あり - - 28.13 - -
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし - - 10.62 - -
当科では弁膜症、大動脈疾患、狭心症・心筋梗塞などの心臓と大血管に対する手術を中心に行っています。大学病院の特徴として、重症の弁膜症をはじめ、治療が難しい患者さんにも最先端で質の高い医療を提供いたします。中でも重症心不全に対する再生医療や補助人工心臓治療などはその最たるもので、治療が難しい重症の患者さんに対しても医療を提供する事が出来ます。一方でロボット心臓手術を含めた低侵襲心臓手術(MICS)などの患者さんに優しく、早期の社会復帰を促す治療も行い、患者さんの状態やニーズに合わせた総合的な治療を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 195 11.22 10.06 1.03% 70.69
040050xx99x4xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 18 10.22 9.75 0.00% 60.06
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 16 8.63 8.84 0.00% 60.94
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 8.73 9.68 0.00% 37.18
040050xx01x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 肺切除術 1側肺全摘等 手術・処置等2 なし - - 11.72 - -
わが国のがん死亡原因の1位は肺がんです。当科では最大対象疾患として肺がんの外科治療を積極的に行っています。原発性肺がんに対して治癒を目指す外科治療を提供します。早期肺がんに対しては低侵襲の完全鏡視下手術(胸腔鏡またはロボット支援)で早期回復早期退院を目指します。局所進展肺がんに対して隣接臓器合併切除の拡大手術を行います。予後の悪い局所進行肺がんに対して術前化学療法、放射線療法ののちに完全切除を目指す集学的治療を行います。気胸や低悪性度の縦隔腫瘍に対して低侵襲な鏡視下手術(胸腔鏡またはロボット支援)を行います。難治性の縦隔悪性腫瘍や悪性胸膜中皮腫に対して外科的完全切除や胸膜全摘除術に化学療法や放射線療法を加える集学的治療を行います。いずれの外科治療においても在院期間の短縮に努めています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 117 5.79 6.89 0.00% 72.79
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 106 9.79 9.51 0.00% 69.99
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 85 13.76 11.30 0.00% 70.34
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 75 6.25 6.85 0.00% 76.29
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 43 9.63 10.27 0.00% 60.60
当科では泌尿器がんに対する診療に特に注力しており、前立腺がん、膀胱がん、腎盂尿管がん、腎臓がんに対してロボット支援を広く施行しています。前立腺がんに対しては、最新のMRI超音波融合生検により、診断率を向上させるだけではなく、個々の患者さんのがんのリスク評価を高い精度で行っています。リスク分類や患者さんの状態に基づき、積極的監視療法、密封小線源療法による前立腺部分治療、IMRTによる放射線治療、あるいは手術などを適切に選択しています。筋層非浸潤性膀胱がんに対しては、再発、進展を予測する新しいモデルを開発し、適切な診療方針決定に役立てています。また、アラグリオによる光線力学診断(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。筋層浸潤性膀胱がんに対しては、適切な症例選択のもと、化学放射線療法とミニマム創内視鏡下膀胱部分切除を組み入れた膀胱温存療法の開発と実践に取り組んでいます。腎臓がんに対しては、ロボット支援腎部分切除、ミニマム創内視鏡下無阻血腎部分切除の両者を行い、高い安全性、低侵襲性、機能温存の達成に取り組んでいます。
周産・女性診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 79 5.67 5.98 0.00% 43.10
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 47 6.00 6.04 0.00% 42.53
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 43 2.77 3.02 0.00% 39.60
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等 37 9.84 9.70 0.00% 51.84
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 36 2.39 4.27 0.00% 60.83
当科は新生児集中治療室を備えた地域周産期母子医療センターを担っており、正常分娩だけでなく、妊娠27週以降の早産症例や緊急性の高い母体搬送も受け入れています。母体合併症や胎児異常を有するハイリスク症例では、様々な診療科と連携をとりながら妊娠・分娩管理を行っています。また2020年度より無痛分娩を導入し、医学的適応のある患者さんだけではなく、患者さんの希望による無痛分娩を提供しています。その影響で分娩件数は増加傾向にあります。
良性疾患に対しては腹腔鏡手術を主に行っており、初期の子宮体がんに対してはロボット支援下手術を導入し、患者さんの負担軽減に取り組んでいます。ロボット支援下手術の件数も増加傾向にあります。います。開腹を必要とする良性疾患、悪性疾患の手術も積極的に行っており、悪性疾患に対する化学療法や放射線療法も数多く行っています。不妊の原因となる子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどに対する子宮鏡手術、また高度生殖補助医療(体外受精・顕微授精)、妊娠成立後の妊娠・分娩管理を同一施設で一貫して行い、患者さんに安心いただけるスムーズな治療を提供しています。乳がんや造血器悪性腫瘍などのために妊孕性温存を希望される方に対しては、卵子凍結、胚凍結を積極的に行っています。また、中高年女性の健康管理を専門とする外来を設け、多様な健康問題に対してQOLを主眼とした治療・健康管理を行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080220xx99xxxx エクリン汗腺の障害、アポクリン汗腺の障害 手術なし 226 2.68 3.26 0.00% 33.13
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 65 3.40 3.61 0.00% 52.52
080080xxxxxx0x 痒疹、蕁麻疹 定義副傷病 なし 42 2.07 4.66 0.00% 30.55
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 39 5.51 7.29 0.00% 73.15
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 なし 37 4.05 2.57 0.00% 41.68
当科ではアレルギー先端治療センターを担っており、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、痒疹といったアレルギー疾患の治療、また入院管理下での食物や薬剤アレルギーの原因同定検査(プリックテスト、皮内テスト、負荷テスト)の患者さんが多くなっています。また、皮膚の自己免疫疾患である水疱症を中心に、血管炎・膠原病といった多種多様な免疫疾患にも積極的に対応しています。発汗異常外来も開設していることから、厚生労働省指定難病の一つである特発性後天性無汗症の診断・治療のための入院は当科の特色であり、全国有数の患者数となっています。下肢潰瘍へは手術を含め入院加療を行っています。
さらに、腫瘍専門外来においては、皮膚の良性腫瘍、悪性腫瘍に対して、診断から手術、化学療法、また特に悪性黒色腫に対するがん免疫療法と幅広い診療を行っております。そのほかの皮膚癌においても、がんゲノム診療科と協力し、先進医療に指定される網羅的がん遺伝子検査を行い、治療薬の最適候補探索の試みも行っています。
形成・美容外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 50 6.36 6.45 0.00% 52.22
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 35 2.66 2.90 0.00% 69.97
090040xx97xxxx 乳房の形態異常、女性化乳房、乳腺症など その他の手術あり 21 4.81 4.73 0.00% 35.62
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 20 6.50 7.71 0.00% 52.80
160200xx02000x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 5.00 4.72 0.00% 47.55
当科では自科単独で行う治療とともに、他科と連携して行う治療も重要な比重を占めます。本学の外科系各科のアクティビティーの高さを反映し、乳がんなど腫瘍切除後の再建手術、その後の二次再建手術の症例数が多いのが特徴です。
乳房再建は20年以上の実績があり、遊離皮弁移植のほか、脂肪注入・刺青などのタッチアップ手術なども含めた一貫した治療が可能です。女性化乳房手術も多く手掛けています。 顔面の変形では、眼瞼下垂・眼瞼けいれんなどの眼形成外科、鼻・耳の変形、歯科と協力した唇顎口蓋裂治療などを得意とします。顔面外傷の症例も多く、顔面骨骨折や軟部組織損傷の治療にも積極的に携わっています。
腫瘍性疾患としては、母斑・血管腫などに対するレーザー治療、良性腫瘍の整容的な切除のほか、皮膚科と連携した皮膚悪性腫瘍の外科的治療も数多く行っています。
形成外科では体表の整容性と良好な機能を追求し、患者さんのQOL向上に寄与しています。
2022年4月より形成・美容外科に加えて再建形成外科が発足し、2診療科体制となりました。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 948 2.19 2.63 0.00% 71.09
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 137 3.10 5.18 0.00% 70.57
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 97 5.81 5.80 0.00% 69.04
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 60 7.00 8.05 1.67% 53.45
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術 片眼 55 8.58 8.97 0.00% 64.44
白内障、水晶体の疾患に対する手術は、いわゆる白内障手術を指します。当科では眼合併症や全身合併症を有する患者さんが多く、近視、ぶどう膜炎、緑内障、網膜外来など難治性疾患に力を入れており、入院での加療を原則としています。乱視矯正レンズ、多焦点眼内レンズも数多く扱っています。緑内障手術は眼圧下降を目的とした手術で、濾過手術は緑内障に対する手術加療として最も多く用いられる術式です。眼内法による流出路再建術は、短時間の手術で良好な手術成績を収めており、術後の入院期間も短縮することができています。濾過手術では、従来の術式に加えて新しい術式も積極的に取り入れています。他の眼科疾患に引き続いて起こる続発緑内障に対する手術が多いことも特徴です。網膜剥離手術には、硝子体手術、強膜バックリング手術のいずれかまたは両者が行われます。極小切開創による硝子体手術を行っており、入院期間をより短くできています。黄斑、後極変性手術は、主に網膜前膜や黄斑円孔を対象として行われる手術で、強度近視やぶどう膜炎といった眼疾患に合併する病態にも多数例の手術を行っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x30x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 108 4.89 21.41 0.00% 60.69
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 87 10.03 12.88 1.15% 63.00
03001xxx97x0xx 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 59 8.59 10.70 0.00% 65.15
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 52 6.10 6.81 0.00% 45.29
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 38 4.21 6.23 0.00% 58.61
当院はあらゆる頭頸部がん治療を行うことが可能です。特に他院で治療が難しいとされる頭蓋底腫瘍や外耳道がんについては国内屈指の手術数を誇っています。局所進行がんの手術では形成外科や脳神経外科と連携して同時再建手術を行っています。咽喉頭の表在がんに対しては鏡視下の咽頭悪性腫瘍手術(ELPS)を食道外科と合同で行っています。鼻副鼻腔がんに対しては一般的な頭蓋底手術より、低侵襲な経鼻内視鏡頭蓋底手術を積極的に行っています。一方、手術による機能低下が著しい場合は化学放射線療法による治療を行っています。本治療では肺炎や脱水による緊急入院が問題になりますが、当院では一時的な胃瘻を作成することでこれを予防しています。耳科手術においては冒頭で述べた外耳道がんの他にも、側頭骨腫瘍や頸静脈孔腫瘍など難易度の高い頭蓋底手術を多数施行しています。また慢性中耳炎などに対する中耳炎手術、人工内耳やめまい手術などの内耳手術も積極的に行っています。近年では顕微鏡に代わり4Kの外視鏡や内視鏡を用いた、より低侵襲な手術を行っています。高難易度手術においては術中CTによる高精度ナビゲーションを導入して安全性を担保しています。
放射線治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x2xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 62 7.29 28.48 1.61% 74.98
12002xxx99x2xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 13.33 - -
03001xxx99x0xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし - - 12.44 - -
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 27.24 - -
- - - - - - -
当科は小線源治療の専用病室を有し、舌がんをはじめとした早期の口腔がん・中咽頭がんに対する低線量率密封小線源治療を行っています。局所麻酔で可能な体への負担が少ない治療ですが、周囲の方への被ばくを避けるために数日から1週間程度の入院が必要となります。頭頸部外科や当院歯学部など関係する各科と連携して治療にあたっています。
子宮がん患者さんへの小線源治療(腔内照射/組織内照射)も、当院の周産・女性診療科や他院の放射線治療科からご紹介いただき、多数治療を行っています。
乳がん温存術後の放射線治療の副作用を軽減しつつ短期間で終わらせるために、SAVIアプリケーターという器具を用いて、入院の上、5日間で照射を終了する小線源治療を行っています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 2.38 3.61 14.29% 36.19
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 3.88 8.54 56.25% 60.44
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 5.85 9.00 30.77% 68.00
060210xx9700xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 10 8.40 14.15 20.00% 67.80
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 10.14 - -
当科の特徴として、他病院での対応が難しい精神科的な介入を要する薬物中毒症例、夜間休日を含めて緊急を要する手術症例などの割合が多いことが挙げられます。また、脳血管障害を伴うバイタルサインが不安定なケースなど全身管理が必要な重症疾患を多く受け入れています。当科では救急搬送された患者さんについて他科と連携をとりつつ、初期対応から手術などの処置、その後の全身管理まで同一の診療科で行う事により、患者さん第一につながる一貫した管理を行っています。
また、当院は令和2年より新型コロナウイルス感染症の国内流行当初から重症・中等症患者さんの受け入れを行っており、当科はその中でも人工呼吸器やECMOなどの治療を要する重症例を担当しています。流行の状況にもより患者数には変動がありますが、新型コロナウイルス感染症患者の対応にも非常に精通しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 91 23 21 10 20 1 8
大腸癌 72 53 65 55 65 1 8
乳癌 89 50 10 10 1 8
肺癌 137 39 63 65 19 65 1 8
肝癌 16 77 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
がんのうち患者数の多い上記5つの癌について、がんの進行度であるUICC※2病期分類という国際分類別に集計したものです。
当院はがん診療連携拠点病院※3に指定されており、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。 当院ではがんゲノム医療拠点病院に指定されており、「がんゲノム診療科」を設立し、標準治療で進行または進行見込みの患者さんに対して、遺伝子変異を調べ、変異に基づいた治療を提供しています。2021年8月より血液からがんゲノム解析を行うリキッドバイオプシーも保険診療でできるようになり、当院でも2017年から臨床研究として行っているリキッドバイオプシーの経験を活かし、患者さんに提供をしています。保険診療での診断、治療の他にも、最先端の診断法、治療法の研究も行っています。その他にも緩和ケアの導入も含めた緩和医療の提供のために、緩和ケア部門が設立され、機能充実を図っています。

※UICC:1933年に設立された、世界的な広がりを持つ民間の対がん組織連合で、ジュネーブに本部を置き、現在は世界の155カ国から800団体が参加しています。
※2 UICC TNM分類:がんの進行度を一定の基準を設けて分類したものです。
  T=腫瘍、N=リンパ節、M=転移という意味で、腫瘍の大きさ、リンパ節にどれくらい転移しているか、他の臓器や組織に転移しているかという3つのカテゴリーからStage分類しています。
※3 がん診療連携拠点病院:全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国にがん診療連携拠点病院を456箇所(都道府県がん診療連携拠点病院51箇所、地域がん診療連携拠点病院357箇所、地域がん診療連携拠点病院(特例型)24箇所、特定領域がん診療連携拠点病院1箇所、地域がん診療病院を47箇所)指定しています。(令和5年4月1日現在)
小児・AYA世代の患者についても、全人的な質の高いがん医療及び支援を受けることができるよう、全国に小児がん拠点病院を15箇所、小児がん中央機関を2箇所指定しています。(令和5年4月1日現在)
さらに、ゲノム医療を必要とするがん患者が、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制を構築するため、全国にがんゲノム医療中核拠点病院を13箇所、がんゲノム医療拠点病院を32箇所指定し、がんゲノム医療連携病院を207箇所公表しています。(令和5年9月1日現在)
これらの医療機関においては、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 43 14.79 73.00
重症
超重症
不明
市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人が発症する肺炎です。市中肺炎は次の様に定義されます。
・90日以内に入院歴がない。
・療養病床に入院しておらず、介護施設に入所していない。
・介護を必要とする高齢者、身体障害者でない。
・継続的な血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬など)を受けていない。

重症度はこの病気で一般的に用いられているA-DROPスコアを使用します。年齢(Age)、脱水(Dehydration)、呼吸(Respiration)、意識(Orientation)、血圧(Pressure)の5つを点数化して病気の重症度を評価します。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 79 20.09 71.56 29.81%
その他 25 14.12 67.92 7.69%
脳梗塞とは脳を栄養する動脈が閉塞して起こる疾患です。閉塞した動脈により、麻痺や言語障害、認知機能障害、意識障害など多彩な 障害が出現し多くの後遺症が残ります。閉塞した血管をできるだけ早く再開通させることで、後遺症を取り除いたり、軽くしたりすることができるため、当院では脳血管障害に対して迅速に対応できる診療体制のもと、境界領域の困難な症例に対しても、複数の診療科が協力して積極的な治療を行っています。
一般的な脳梗塞の他に、もやもや病など特殊な脳血管疾患の治療も行っています。脳卒中地域連携パスを使用し、近隣のリハビリテーション病院や他病院と患者さんの情報を共有することで、よりスムーズにリハビリテーションや退院後の治療が提供できるようにしています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) 12 6.17 1.50 0.00% 53.92
K921-32 末梢血単核球採取(採取、細胞調整及び凍結保存) 11 6.55 1.09 0.00% 62.55
K922-2 CAR発現生T細胞投与 11 11.18 20.55 18.18% 63.91
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
当科では特定機能病院として悪性リンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫といった造血器悪性腫瘍を中心とし、再生不良性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、凝固異常症などの疾患についてもバランスよく診療しています。多発性骨髄腫や難治性悪性リンパ腫に対しては、若年者であれば積極的に自家末梢血幹細胞移植を施行し、急性白血病に対しては同種造血細胞移植を施行しています。関東でも数少ないCAR-T細胞療法認定施設であり、輸血・細胞治療センターと協力してリンパ球採取、CAR-T細胞療法を行なっています。時として診断が困難な造血器腫瘍においても各科と連携しつつ生検など検査を行い、速やかな治療につなげています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 等 47 4.17 6.64 0.00% 71.57
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 等 38 1.50 4.34 0.00% 72.42
K616-42 的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 等 - - - - -
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
当科では保存期慢性腎臓病(CKD)から透析に至るまで我々腎臓内科医が包括的に治療を行う方針としています。
血液透析に必要な内シャント造設術は当科で実施しています。血管が乏しくシャント造設が困難なケースは末梢血管外科と協力して人工血管を用いた手術治療も行っています。透析導入後のシャントトラブルついては「透析合併症外来」にてスクリーニング検査を施行し、シャント狭窄やシャント閉塞が疑われた際には、超音波ガイド下あるいは透視下にて経皮的血管拡張術(シャントPTA)を積極的に実施しています。その他腹膜透析を行うための腹膜灌流カテーテルの留置・抜去についても、当科で手術を実施しています。また、耳鼻咽喉科の協力のもと、IgA腎症に対する扁桃摘出・ステロイドパルス療法も積極的に行っています。
総合診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 等 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
当科では外科系各専門科との連携による周術期の内科的な全身管理を行っています。複数の疾患を合併する症例に対して、院内の他の専門診療科と連携して、疾患の状況に応じて慎重に治療や処置の適応を協議しながら、質の高い高度急性期医療を提供します。また、超高齢化社会のニーズに合わせ、高齢者や合併症が多い状態で手術を必要とする患者さんに対して、個別化・最適化した治療を行います。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 92 1.02 5.23 0.00% 67.67
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 88 0.61 1.32 0.00% 71.92
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 等 63 1.00 5.33 0.00% 73.87
K735-2 小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの) 等 47 1.28 3.47 0.00% 43.23
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2センチメートル以内のもの その他のもの 等 22 2.64 6.68 0.00% 72.95
当科では炎症性腸疾患、肝疾患、内視鏡治療に重点を置き、診療を行っています。当科の炎症性腸疾患・受診者数は全国有数の規模であり、常に最新の治療を取り入れ、QOLを重視した質の高い外来診療を推進しています。これにより入院に至る症例が少ないこと、また入院した場合でも長期入院が少ないことが特徴です。肝疾患はウイルス肝炎のみならず、脂肪肝炎などの非ウイルス性肝疾患や肝硬変・肝がんを対象とした治療を積極的に行っています。肝がんの治療では病状に応じてラジオ波焼灼術・肝動脈化学塞栓術・全身薬物療法等、患者さん一人一人により適切な方法を選択し、治療を行っています。内視鏡はシングルバルーン内視鏡を駆使して小腸疾患の診断や狭窄拡張術、病変切除、止血術等を行っています。併せて上部・下部内視鏡を用いた消化管悪性腫瘍に対する内視鏡的切除(EMRやESD等)や胆膵疾患に対する精査治療を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 等 325 1.40 2.33 0.00% 65.37
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 119 1.74 2.27 0.84% 67.86
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 等 74 1.57 1.78 0.00% 52.66
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 等 41 3.39 6.80 2.44% 78.56
K599-51 経静脈電極抜去術(レーザーシースを用いる) 33 4.00 17.18 15.15% 71.18
当科では心房細動や心室頻拍といった頻脈性不整脈に対して、患者さんのご病気に合わせた様々な手法を用いて数多くのカテーテル治療を行っています。また、出血リスクの高い持続性心房細動症例においては、脳梗塞の原因となる血栓の形成を防ぐため、経皮的左心耳閉鎖術も扱っています。また、徐脈性不整脈や致死的不整脈に対しては、ペースメーカや植込み型除細動器などのデバイス治療も多く行っており、重症心不全に対する両室ペースメーカ植込みや、感染などによりデバイスの抜去が必要となった際には、内科的に経静脈的リード抜去術を行っています。また、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患に対しては、積極的にカテーテルによる検査、治療を行っており、様々な機器を用いて正確に病変を評価し、それぞれの患者さんの病変に合わせた治療方法を選択しています。今後は、弁膜症に対するカテーテル治療の開始も予定しており、様々な分野において、患者様の病態や背景に合わせた安全で最適な医療を提供できる環境を整えています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 等 55 0.00 15.56 0.00% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 等 11 0.00 51.45 0.00% 0.00
K5761 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの 等 10 16.70 10.90 20.00% 1.90
K566 体動脈肺動脈短絡手術(ブラロック手術、ウォーターストン手術) - - - - -
K5741 心房中隔欠損閉鎖術 単独のもの 等 - - - - -
当院は東京都地域周産期母子医療センターに指定されており、周産・女性診療科と連携し、胎児の状態に応じて迅速な帝王切開術の決定を行います。出生されたお子さんには、新生児集中治療室医師立会いの下、重症度に対応した蘇生術を行っています。
また、心室中隔欠損をはじめとする先天性心疾患の手術(新生児期に行う姑息手術(肺動脈絞扼術、Blalock-Taussig短絡手術)、重症の房室弁逆流に対する弁形成術を含む)という高度先進医療を行なっています。
これら以外にも、血液腫瘍・原発性免疫不全および小児リウマチ性疾患・自己炎症性疾患といった希少疾患を幅広く診療している施設でもあり、必要に応じて診断確定のためにリンパ節生検を施行しています。
食道外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 等 98 0.14 3.44 0.00% 69.38
K529-21 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術 頸部、胸部、腹部の操作によるもの 等 29 2.66 15.62 0.00% 64.00
K374-2 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。) 21 1.00 3.48 0.00% 69.10
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 等 18 8.11 15.28 11.11% 67.44
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 17 0.29 3.82 0.00% 70.82
食道がんの診療には内視鏡治療、外科手術、放射線治療、薬物療法など、様々な治療法の中から患者さんそれぞれに適切なものを選択し、あるいは組み合わせ、確実に遂行することが重要であり、当科はその全てに豊富な経験を有しています。低侵襲治療とされるロボット手術を含めた胸腔鏡・腹腔鏡手術を基本としながら、心臓血管外科、呼吸器外科、形成外科などの診療科に協力いただき、大学病院という特性を活かして外科的治療を行っています。さらに、喉頭機能温存とがんの根治性を両立させた頸部食道がん手術や、胃管再建が困難な患者さんに対する空腸または回結腸再建術を積極的に行っています。
胃外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等 27 1.07 1.19 0.00% 78.30
K655-23 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 等 25 1.04 10.36 0.00% 67.44
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 16 1.00 1.13 0.00% 69.06
K657-24 腹腔鏡下胃全摘術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 等 - - - - -
K655-53 腹腔鏡下噴門側胃切除術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 等 - - - - -
当科では胃がんを中心に胃粘膜下腫瘍(GISTなど)、胃・十二指腸潰瘍など胃の疾患を扱っています。胃がんでは近年増加している、食道胃接合部がんの切除・再建にも力をいれています。また鼠径ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニアといった腹壁ヘルニアの手術も行っています。
手術による治療が主で、病状に合わせた適切な術式を選択し、それぞれの患者さんに最適な治療を提供しています。
腹腔鏡下手術に関しては、日本で最も古くから取り組んできた施設の1つであり、多くの経験を活かして病期に合わせた術式を選択しています。また、ロボット手術も積極的に導入しています。
2001年よりクリニカルパスを導入していること、手術合併症が少ないことなどから術後在院日数が非常に短いことが特長で、全国でも有数の成績となっています。
基礎疾患の多い方でも安心して手術が受けられるよう、各診療科と協力して安全な手術を行っています。
大腸・肛門外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) 等 71 2.21 7.31 1.41% 62.56
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器) 等 64 2.25 7.69 0.00% 66.42
K7322ロ 人工肛門閉鎖術 腸管切除を伴うもの その他のもの 等 30 1.13 6.77 0.00% 62.03
K740-25 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切断術)(内視鏡手術用支援機器使用) 等 22 2.59 8.32 4.55% 68.09
K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術)(内視鏡手術用支援機器使用) 等 21 3.81 6.24 0.00% 70.00
当科では小腸、大腸、肛門の良性疾患から悪性疾患まで多彩な手術治療を担当し、2022年度は330件を超える手術件数を実施しました(National Clinical Databaseへの登録件数)。大腸がんの原発巣切除手術は177件で、直腸がん・結腸がんともに全例でロボット支援手術を導入しています。低侵襲手術を積極的に取り入れて、安全に手術を行って、その結果、術後合併症の低減と術後の早期退院を達成しています(平均術後日数参照)。その他、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対する手術も多く行って、侵襲の少ない手術を目指し、ほぼ全例で腹腔鏡下手術を施行しています。また、大腸ポリープ(腺腫などの良性腫瘍、早期大腸がん)に対する内視鏡治療も行っています。
臨床腫瘍科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 23 0.74 10.00 0.00% 64.61
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
当科の医師はがん薬物療法を担当しており、外科的処置やIVRなどは外科、消化器内科、泌尿器科などの専門の診療科と連携し治療を行っています。具体的には、化学療法導入目的、緩和治療のために中心静脈ポート造設、腎後性腎不全に対する尿管ステント留置や腎瘻造設、そのほか、胸・腹水に対する体外ドレナージ、閉塞性黄疸に対する体外ドレナージ、内瘻ステント留置、また外科的処置の適応外のイレウスに対する腸管ステント留置などがあります。化学療法導入のための処置以外は、患者さんの状態不良のことがほとんどであり、過度な侵襲が加わらないように配慮し、症状緩和にも努めています。
肝胆膵外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 44 1.34 4.18 0.00% 63.43
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 26 1.50 10.92 0.00% 68.58
K702-21 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術(脾同時切除) 等 21 1.81 24.86 4.76% 61.48
K695-21イ 腹腔鏡下肝切除術(部分切除)(単回切除) 等 13 1.15 14.92 7.69% 65.92
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 等 12 2.25 6.00 0.00% 68.08
当科では日本肝胆膵外科学会から認定された高度技能指導医、専門医を中心に高度先進的な医療に取り組んでいます。肝胆膵領域の悪性疾患は進行した状態で発見されることも多いのですが、化学療法や放射線療法も含めた集学的な治療を行うことにより、これまで手術が不可能であった患者さんに対しても手術の可能性を探っていく先進的な治療や、身体への負担の少ない腹腔鏡手術、ロボット手術も積極的に行っています。手術の適応とならない場合も、複数科と連携して新規化学療法や遺伝子診断、放射線治療を導入し、病状に最も適した治療を提供しています。当院での主な治療疾患は肝胆膵領域の悪性疾患ですが、良性疾患では胆のう結石症や肝嚢胞に対しての腹腔鏡手術なども行っており、合併症が少なく体への負担も少ない治療を数多く行っています。 当科では、希少疾患である神経内分泌腫瘍を専門的に診療する外来を併設しており、全国から多くの患者さんが受診されています。こちらでも内科的治療と外科的治療を有効に組み合わせた集学的治療を行っています。新たな治療法であるソマトスタチン受容体陽性神経内分泌腫瘍に対する抗体付加放射線源を用いた内照射療法であるペプチド受容体核医学内用療法(PRRT)の施行施設でもあります。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 等 49 1.10 7.24 0.00% 61.90
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 等 41 1.12 2.90 0.00% 61.68
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 等 22 1.00 11.23 0.00% 61.36
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) 等 - - - - -
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm以上) 等 - - - - -
当科では主に乳がん治療に取り組んでいます。乳がんの手術術式は、乳房切除、乳房部分切除、乳房切除+乳房再建があります。
術式については、放射線診断科、放射線治療科、形成外科、病理診断科と合同カンファレンスを行い、決定しています。進行乳がんに対しては、手術前に抗がん剤治療を行い、腫瘍を縮小し、切除範囲を小さくする方法を選択する場合もあります。腋の下のリンパ節(腋窩リンパ節)については、80%以上の症例にセンチネルリンパ節生検を行い、適切な郭清範囲を手術中に判断しています。乳房再建については、20年以上の経験を基に、積極的に1次再建(乳がん手術と同時に乳房再建を行う)に取り組んでいます。遺伝性乳がん卵巣がん症候群の方の予防切除も行っています。
末梢血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 68 1.68 5.65 4.41% 70.68
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 37 0.05 1.00 0.00% 68.81
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 等 27 2.11 10.44 7.41% 74.70
K6093 動脈血栓内膜摘出術(その他) 21 3.67 9.62 0.00% 71.62
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) その他のもの 10 0.90 1.30 0.00% 59.30
当科の対象疾患である下肢閉塞性動脈硬化症は本邦において年々増加傾向にあり、当科でも同様の傾向にあります。下肢閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一部であり、この病気を持つ患者さんは、脳・心臓等、他の部位での動脈硬化症の合併も多いため、治療においては全身的な管理、治療が必要となります。そのため、より体に負担の少ない治療、低侵襲治療が望ましく、当科でも体に優しい治療(カテーテル治療=足の付け根から細い医療用器具を血管内に進めて目標の血管を治療する方法)を積極的に行っています。一方で、この治療だけでは不十分である患者さんに対しては、従来通りのバイパス手術を含めた外科的治療を行います。
また本邦での高齢化に伴い、動脈が膨らむ病気、すなわち胸部・腹部大動脈瘤・腸骨動脈瘤も多くみられるようになりました。この治療に対しても従来は外科的治療が主流でしたが、先にも述べたように高齢の患者さんに対してはより負担の少ない治療としてカテーテル治療(ステントグラフト内挿術)を行っています。動脈瘤の治療は、患者さんの状態や動脈瘤の形に応じた適切な治療方法を選択しており、手術前に十分な全身状態および動脈瘤の評価を行い、術式を決定しています。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 13 0.00 0.77 0.00% 5.31
K836 停留精巣固定術 12 0.00 0.25 0.00% 2.25
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア - - - - -
K419 頬、口唇、舌小帯形成手術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
開設後7年が経過し、スタッフ数、診療実績共に充実してきました。小児の疾患数が多い、腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術・停留精巣手術・臍ヘルニア手術等は、「日帰り」での入院・手術を安全に行っています。新生児手術も安全に行えており、合併症率が非常に少ないことが当科の特徴です。腹腔鏡下手術も併用しながら、それぞれの患児に最適な術式を選択し、低侵襲で創が目立たない手術を第一に考えています。当院は小回りが利く組織であることを活かして、小児科をはじめ、麻酔科、周産期科、整形外科など小児関係科が密接に連携しながら患者背景に合わせたオーダーメイド的な治療を適切に選択しています。そのため合併症の少ない安全な治療を行うことが可能となっています。最近は、新生児手術、小児がんに対する手術も増加しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 225 1.23 15.77 28.44% 69.30
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 等 85 2.40 19.38 24.71% 70.01
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 等 60 1.00 7.32 1.67% 31.47
K054-2 脛骨近位骨切り術 56 1.00 17.11 25.00% 58.11
K069-3 関節鏡下半月板縫合術 53 1.04 6.26 1.89% 35.06
当科では脊椎、膝、スポーツ、上肢、股関節、外傷、小児、腫瘍すべての整形外科領域において、最先端の治療を行っております。
脊椎に生じる靭帯骨化症や脊柱管狭窄症に対しては、適切な術式選択を行ったのち、除圧術や固定術を行っています。また変形脊椎に対しても、矯正固定術を積極的に行っています。 高齢化社会に伴って増加する下肢の変形性膝関節症と変形性股関節症に対しては、早期に日常生活動作と除痛を獲得できるように人工関節置換術を行い、良好な治療成績を得ています。また、若年者や比較的変性の程度が軽い方に対しては、関節温存手術である骨切り手術を行っています。さらにスポーツによる肩・膝関節の障害に対しての治療も得意としており、多くのスポーツ選手の手術を行い、競技復帰をサポートしています。運動器疾患の幅広いニーズに対して、最適の治療を提供いたします。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 等 58 3.10 22.79 10.34% 57.21
K160-2 頭蓋内微小血管減圧術 24 1.04 9.71 0.00% 60.25
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 等 21 1.90 11.52 0.00% 60.05
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 等 18 1.17 21.67 16.67% 65.56
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等 17 0.82 15.35 29.41% 78.00
当科では脳・脊髄神経系の外科治療全般を担っており、手術の内訳としては脳腫瘍の手術が最も多く、神経膠腫や髄膜腫などに加えて他の診療科から紹介される転移性脳腫瘍に対する手術も増加しています。また、近年では下垂体腫瘍に対する経鼻的手術が増加している他、耳鼻咽喉科・頭頸部外科や形成外科など複数の診療科で合同して執刀する頭蓋底腫瘍を得意としています。
くも膜下出血に対するクリッピング術など脳血管障害に対する緊急手術も多く、これは24時間体制で救急患者を受け入れていることに由来しています。また、当院歯学部部門からの紹介による三叉神経痛の患者数が多いことが特徴であり、微小血管減圧術の症例数は豊富です。地域のクリニックなどとの連携も重視しており、コロナ禍においても手術が必要な慢性硬膜下血腫の症例も多数ご紹介いただくため件数が伸びています。
これらの手術では外視鏡を用いて4Kのモニタに映し出される3次元の映像を視認しながら執刀にあたっています。
血管内治療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 等 30 4.00 7.97 6.67% 61.37
K1781 脳血管内手術(1箇所) 等 28 2.50 12.61 21.43% 64.86
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 22 3.41 6.91 0.00% 76.14
K178-4 経皮的脳血栓回収術 13 1.46 22.08 53.85% 71.31
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
当科では未破裂脳動脈瘤に対する脳血管内手術(コイル塞栓術)の症例が最も多く、動脈瘤の部位、形状を考慮した上で再破裂予防に最も効果的かつ安全な方法で手術を行っています。とくに脳血管内ステントを併用したコイル塞栓術、大型動脈瘤に対してPIPELINEなどのフローダイバーターステントを使用した治療を数多く行っています。その他、急性期脳梗塞に対する血栓回収療法や虚血性疾患(脳梗塞など)に対しての頸動脈ステント留置術の治療にも力をいれています。また、硬膜動静脈瘻などの希少疾患に対する治療経験も多く行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 等 13 6.15 18.54 0.00% 62.77
K5601ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈 その他のもの 11 1.09 30.82 27.27% 71.64
K5551 弁置換術 1弁のもの - - - - -
K604-24 植込型補助人工心臓(非拍動流型)(91日目以降) 等 - - - - -
K560-22ニ オープン型ステントグラフト内挿術 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術 その他のもの - - - - -
当科では弁膜症治療や冠動脈バイパス術を得意としています。中でもロボット手術や低侵襲心臓手術(MICS)、オフポンプバイパス術など患者さんに優しい手術を行うようにしています。また、24時間の緊急体制をとっており大血管手術も得意としています。中でもオープンステントなどのステントグラフトを用いた手術も多く行っており、これも患者さんに優しい低侵襲手術の一つです。また、重症心不全に対しては再生医療・人工心臓治療ともに日本をリードする施設であるべきと努めています。この他、先天性心疾患にも積極的に取り組んでおり、他科との強い連携を基に総合的な治療を患者さんに提供しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 等 98 1.80 8.27 1.02% 71.61
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 等 40 2.10 8.38 0.00% 71.23
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 等 33 1.70 5.42 0.00% 68.00
K5143 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 等 18 2.17 42.61 5.56% 69.00
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 13 1.46 3.54 0.00% 68.38
当科手術の約7割が胸部悪性腫瘍の手術です。原発性肺がんが最多数で、転移性肺腫瘍がこれに続きます。病巣の広がり、リンパ節転移の有無によりアプローチと切除術式を決定します。早期肺がんに対して低侵襲の完全胸腔鏡下手術を行います。周囲臓器に進展する腫瘍には合併切除を伴う拡大手術を行います。局所進行肺がんに対して術前化学療法・放射線療法後に肺切除術を行います。浸潤のない早期肺がんに対して肺機能を温存する積極的縮小切除を行います。気腫性疾患・膿胸など良性疾患に対して低侵襲な胸腔鏡手術を行います。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 等 190 1.15 3.80 0.00% 74.17
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 等 83 1.02 12.10 0.00% 70.22
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 等 32 1.41 3.16 0.00% 65.16
K773-51 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 原発病巣が7センチメートル以下のもの 30 1.27 6.97 0.00% 59.23
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 26 0.65 3.04 3.85% 67.23
当科では泌尿器がんに対する診療に特に注力しており、前立腺がんに対する前立腺全摘除、膀胱がんに対する膀胱全摘除、腎盂尿管がんに対する腎尿管全摘除、腎臓がんに対する根治的腎摘除・腎部分切除をロボット支援手術で施行しています。一方、当科で開発したもう一つの低侵襲手術であるミニマム創内視鏡下手術も行っており、患者さんの状況に応じて、適切な術式を選択しています。筋層非浸潤性膀胱がんに対しては、アラグリオによる光線力学診断(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を広く行っています。また、臓器温存療法を希望される前立腺がん、膀胱がん、腎臓がんの患者さんに対する診療を積極的に施行しており、専門外来を設置しています。この他、骨盤臓器脱に対するロボット支援下仙骨膣固定術、尿路結石に対する手術、近年術式が多様化している前立腺肥大症に対する手術にも力を入れています。
周産・女性診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 等 63 0.94 4.11 0.00% 41.29
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 等 53 1.25 4.02 0.00% 49.66
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 等 38 3.24 7.66 0.00% 34.82
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 開腹によるもの 等 37 1.54 7.76 0.00% 51.03
K867 子宮頸部(腟部)切除術 34 0.94 1.00 0.00% 41.44
当科は新生児集中治療室を備えた地域周産期母子医療センターを担っており、正常分娩だけでなく、妊娠27週以降の早産症例や緊急性の高い母体搬送も受け入れており、様々な診療科と連携をとりながらハイリスク症例の帝王切開術も行っています。今年度は無痛分娩導入による分娩件数の増加により、帝王切開術の手術件数が前年度よりも増加しました。良性疾患に対しては腹腔鏡手術を主に行っており、初期の子宮体がんに対してはロボット支援下手術を導入し、患者さんの負担軽減に取り組んでいます。それと同時に開腹を必要とする良性疾患、悪性疾患の手術も積極的に行っています。また、子宮頸がんの前がん病変に対する腟式手術も数多く行っています。不妊の原因となるような子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどに対する子宮鏡手術、また高度生殖補助医療(体外受精・顕微授精)および妊娠成立後の妊娠・分娩管理を同一施設で一貫して行い、患者さんが安心して治療を受けられる治療環境を提供しています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 等 47 1.11 3.53 0.00% 73.79
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 等 16 1.06 1.56 0.00% 57.69
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル以上4センチメートル未満 - - - - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6センチメートル以上12センチメートル未満 - - - - -
当科では皮膚の良性腫瘍、悪性腫瘍の幅広い疾患に対して手術を行っています。最も多いのは皮膚がん(基底細胞癌、有棘細胞癌、乳房外パジェット病、悪性黒色腫など)の切除術で、単純切除だけでなく、植皮術や皮弁術にて再建も同時に行っています。悪性腫瘍のみならず、高齢者や免疫低下状態にある方や腫瘍の部位によって出血や創離開・感染リスクが高い場合には、良性腫瘍の手術の場合でも入院管理下での安全な医療を心がけています。 また、下肢潰瘍への手術を含め入院加療が増えています。
形成・美容外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 等 27 0.59 1.11 0.00% 69.26
K476-2 再建乳房乳頭形成術 等 23 0.26 1.35 0.00% 50.91
K475 乳房切除術 21 1.00 2.81 0.00% 35.62
K0171 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付き)(乳房再建術) 20 1.00 9.80 0.00% 53.55
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 20 1.00 4.50 0.00% 52.80
当科では自科単独で行う治療とともに、他科と連携して行う治療も重要な比重を占めます。本学の外科系各科のアクティビティーの高さを反映し、乳がんなど腫瘍切除後の再建手術、その後の二次再建手術の症例数が多いのが特徴です。
乳房再建は20年以上の実績があり、遊離皮弁移植のほか、脂肪注入・刺青などのタッチアップ手術なども含めた一貫した治療が可能です。女性化乳房手術も多く手掛けています。
顔面の変形では、眼瞼下垂・眼瞼けいれんなどの眼形成外科、鼻・耳の変形、歯科と協力した唇顎口蓋裂治療などを得意とします。顔面外傷の症例も多く、顔面骨骨折や軟部組織損傷の治療にも積極的に携わっています。
腫瘍性疾患としては、母斑・血管腫などに対するレーザー治療、良性腫瘍の整容的な切除のほか、皮膚科と連携した皮膚悪性腫瘍の外科的治療も数多く行っています。
形成外科では体表の整容性と良好な機能を追求し、患者さんのQOL向上に寄与しています。
2022年4月より形成・美容外科に加えて再建形成外科が発足し、2診療科体制となりました。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 等 932 0.12 1.00 0.00% 71.24
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 等 230 0.43 4.87 0.00% 64.76
K2686 緑内障手術 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術 等 124 0.04 1.33 0.00% 71.98
K2683 緑内障手術 濾過手術 等 55 0.29 7.29 0.00% 64.44
K2682イ 緑内障手術 流出路再建術 眼内法 等 46 0.20 2.48 0.00% 66.98
当科では近視、ぶどう膜炎、緑内障、網膜外来など難治性疾患に力を入れています。水晶体再建術はいわゆる白内障手術を意味し、当院では手術施行件数が最も多い術式です。多岐にわたる専門外来を背景に、全身合併症を伴う症例が多いため、1泊2日の入院治療を原則としています。また、最先端の乱視矯正用のトーリック眼内レンズ、多焦点眼内レンズを用いた手術も行っています。硝子体茎離断術(網膜付着組織を含むもの、その他)は、網膜前膜、黄斑円孔、増殖糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、硝子体出血、硝子体混濁など網膜硝子体疾患全般を対象として行われる手術です。強度近視やぶどう膜炎などに続発した難症例の網膜硝子体疾患に対する手術を積極的に行っています。
緑内障手術は眼圧下降を目的とした手術で、濾過手術は緑内障に対する手術加療として最も多く用いられる術式です。眼内法による流出路再建術に加え、白内障手術と同時に行う眼内ドレーン挿入術は、それぞれ短時間の手術で良好な手術成績を収めています。新しい術式も導入し、多岐にわたる選択肢を持っています。他の眼科疾患に引き続いて起こる続発緑内障に対する手術が多いことも特徴です。手術には最先端の手術顕微鏡や3Dモニターを導入し、低侵襲で安全な手術を提供しています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 等 37 1.57 2.41 0.00% 58.51
K4691 頸部郭清術(片) 28 1.36 9.50 0.00% 68.36
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 等 26 1.23 6.27 0.00% 32.88
K374-2 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む) 26 1.35 8.96 0.00% 65.73
K319-21 経外耳道的内視鏡下鼓室形成術(上鼓室開放を伴わない) 25 1.00 1.56 0.00% 41.44
当院はあらゆる頭頸部がん治療を行うことが可能です。特に他院で治療が難しいとされる頭蓋底腫瘍や外耳道がんについては国内屈指の手術数を誇っています。局所進行がんの手術では形成外科や脳神経外科と連携して同時再建手術を行っています。咽喉頭の表在がんに対しては鏡視下の咽頭悪性腫瘍手術(ELPS)を食道外科と合同で行っています。鼻副鼻腔がんに対しては一般的な頭蓋底手術より低侵襲な経鼻内視鏡頭蓋底手術を積極的に行っています。一方、手術による機能低下が著しい場合は化学放射線療法による治療を行っています。本治療では肺炎や脱水による緊急入院が問題になりますが、当院では一時的な胃瘻を作成することでこれを予防しています。耳科手術においては冒頭で述べた外耳道がんの他にも、側頭骨腫瘍や頸静脈孔腫瘍など難易度の高い頭蓋底手術を多数施行しています。また慢性中耳炎などに対する中耳炎手術、人工内耳やめまい手術などの内耳手術も積極的に行っています。近年では顕微鏡に代わり4Kの外視鏡や内視鏡を用いたより低侵襲な手術を行っています。高難易度手術においては術中CTによる高精度ナビゲーションを導入して安全性を担保しています。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K639 急性汎発性腹膜炎手術 21 0.81 39.33 19.05% 65.29
K654 内視鏡的消化管止血術 15 1.07 6.93 73.33% 67.73
K386 気管切開術 15 8.67 14.80 80.00% 68.20
K7162 腸閉塞症手術(小腸切除術)(その他) 等 12 0.67 20.50 58.33% 76.50
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 等 - - - - -
当科は分野や重症度に関係なく、救急車で搬送される患者さんについて搬送時の初期対応からその後の集中治療に至るまで継続して医療を提供しています。当科には外科医、麻酔科医、内科医、集中治療医が在籍しており、例えば消化管穿孔によって腹膜炎を呈している患者さんや腸管壊死に陥っている患者さんには救急科医師による迅速な診断とともに早期に緊急手術を行います。疾病や病状に応じて開腹手術、開胸手術、腹腔鏡手術なども行い、その後の集中治療管理、内科管理も含めて当科で完結させます。
また、吐血やそれに伴う出血性ショックの状態で搬送される患者さんには当科にて内視鏡的止血術を行い、引き続き全身管理を行います。蘇生と同時に治療を行う当科の特徴と考えています。
また、長期の人工呼吸器管理を必要とする患者さんについては適切なタイミングで気管切開術を行い安全な管理へと繋げます。その他、外傷などにより体の中で出血を呈している患者さんに対しては止血手術や血管塞栓術について適切に判断し、治療を行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 23 0.14%
異なる 17 0.10%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 121 0.75%
異なる 19 0.12%
厚生労働省による2022年度の全国の DPC 対象病院データ集計では、全症例に対する割合は播種性血管内凝固症候群(DIC)が0.15%、敗血症が0.51%、その他の真菌感染症は0.04%でした。当院の患者数は少なく、全国平均と比べ患者割合は低く抑えられています。手術、処置後の合併症を生じさせないよう、日々細心の注意を払い患者さんのケアに努めています。起こり得る合併症については、患者さんとのコミュニケーションを大事にしていくとともに、より一層の注意を払い、発生率をさらに低下させるよう努力して参ります。
 「180040手術・処置等の合併症」に該当する症例数が多い理由として、他院にて処置が困難となった植込み型医療機器(植込み型ペースメーカー、除細動器等)の感染に伴うこれらの摘出手術・処置が必要となった患者さんを多く受け入れていることが挙げられます。
更新履歴
2023.9.28
DPC機能評価係数Ⅱの保険診療指数にかかわる「病院情報の公表」を公開しました。