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バージャー病による潰瘍





バージャー病による潰瘍




歯周病


歯周病
たばこを吸う20才代から40才代の男性(女性は少ない)にみられる代表的な手足の動脈の病気です.しかもだんだんと血管がつまってくるために,ほっておけば足が腐ってしまう病気です.別名として特発性脱疽とか,閉塞性血栓血管炎とか言われることがあります.

病気は,足趾(あしゆび)や指にチアノーゼ(皮膚が濃い青紫色になること)や強い痛みがおこり,時間ともに皮膚が剥げたような潰瘍,腐った壊死と呼ばれる状態になります.ついには足だけの切断,ひどくなると膝関節の15cm位下での切断になることがあります. 静脈にも炎症を起こすこと,たばこをやめると病気が進行しないことなど特徴があります.しかし依然原因不明の難病とされています.国の特定疾患に指定されています

アメリカ人のバージャーさんが1900年初頭研究論文を多数発表したことから彼の名があります.我が国では,1990年頃より発症患者さんが減少しています.欧米ではすでに我が国より早くから減少していますが,南および東アジアには依然多く,対策が急がれている血管の病気です.かつて喜劇王エノケンが本疾患で下肢の切断をうけたことは有名です.

われわれは,バージャー病にかかるということは,たばこによる歯周病の悪化に引き続く歯周病菌の血管感染によるものではないかと考え,幅広く研究を続けています.



本学におけるバージャー病研究

この難病の原因の解明と予防法や治療法の開発のために,東京医科歯科大学ではバージャー病共同研究グループを組織して,歯周病学分野石川烈教授と当科教授岩井武尚を中心に研究を進めてきました.

バージャー病患者の口腔内と患部の血管を調べて,歯周病とバージャー病との関連について検討しました.その結果,全てのバージャー病患者は歯周病と診断され,その程度はいずれも中等度から重症でした. また,患部の血管試料のほとんどから歯周病菌が検出されました.それに対して,正常血管の試料からは歯周病菌は全く検出されませんでした.

この発見は,今まで原因不明であったバージャー病と歯周病の関連を示した世界で初めての成果で,米国の血管外科専門誌 Journal of Vascular Surgery 41巻2005年7月号に 「Oral bacteria in the occluded arteries of patients with Buerger disease」 (バージャー病患者の閉塞動脈内に口腔細菌) と題して発表されます.

この発見によりバージャー病の原因や悪化が口腔内の細菌特に歯周病菌によるという可能性が強く示され,バージャー病の予防法や治療法の開発のための大きな手掛かりが得られました.


この成果について,2005年7月1日付けで各種報道機関において報道されました.
本学プレスリリースもご参照ください.
http://www.tmd.ac.jp/cmn/soumu/kouhou/kisyakaiken.pdf
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以下バージャー病に関する最近の知見についてまとめます.
  • 現在までにクラミジア肺炎菌,サイトメガロウイルス,ヘリコバクタピロリ菌,それに今回証明した歯周病菌がバージャー病以外の動脈病変からも見つかっており,そのことは我々がまとめた昨年の報告(ヨーロッパのジャーナル)も含めて世界中から報告されております.
  • Dr Buerger自身また日本の研究者(Haga E)も含めて,急性期の病理所見などからなんらかの細菌感染(今回最も多かった歯周病菌と同じスピロヘータ属の梅毒,1928年Dr Allenの口腔内細菌説など)を強く示唆しておりました.
  • バージャー病と喫煙は,強い因果関係があることはすでに証明されておりますし,喫煙により歯周病が悪化する事実に関しても多くの報告があります.
  • 社会的,経済的に安定し,さらに口腔内ケアーの行き届いた国ではバージャー病が減少しているという現実があります.
  • バージャー病が減少している我が国においても口腔内ケアーの改善は,各年代において厚生労働省の資料でも明らかになっております.
  • 歯周病菌は血栓をつくりやすく,内皮細胞内に侵入するなどの事実がすでに報告されています.
  • 歯周病菌のPCR法による検出法は,キット化されており,確立された感度の高い検査法であります.
  • 歯周病菌は酸素を嫌う嫌気性菌であり,かつ口腔内に常在する共生菌とよばれる弱い菌であります.かつ,培養や抗菌薬治療に抵抗するきわめて扱いにくい細菌の一種であるとされています.


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