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主な疾患Medical guide

主な疾患

睡眠障害

不眠

現代社会に生きる私たちは様々な要因によって睡眠が阻害されていますが、良質な睡眠が障害されることによって心と体の障害が生じることが理解されます。近年ではうつ病を初めとした心身・精神疾患のみならず、不眠と認知機能の低下、不眠と肥満・高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中との関連が指摘されてきました。

こうした中、当センターでは不眠の原因を見つけて早期に治療することにより、不眠に起因する心身・精神・身体疾患を予防するという役目を担っています。

※不眠は特にうつ病などの心身・精神疾患に関連する割合が高いため、必要と判断される場合は精神科専門外来に紹介させて頂くことがあります。

過眠

過眠は、日中眠るべきでない場面で強度の眠気により居眠りを強いられてしまう状態です。これにより日常生活・学業・就業に支障を来すことがあります。

通常の生活の中で、急激な眠気に襲われ眠ってしまうナルコレプシーは過眠症の代表です。寝入りばなに金縛りや幻覚を経験したり、笑ったり驚いたりするような感情の変化により急に脱力する情動脱力発作を伴うことが特徴的です。

反復性過眠症は、過眠が数日から数週間繰り返して起こる病気です。食事や排泄の時以外は昼夜を問わず眠り続けることもあります。

他に体内時計の狂いによって睡眠リズムがずれる睡眠・覚醒リズム障害や、日中の眠気を主症状とし、目覚めの悪さを伴う特発性過眠症などがあります。

むずむず足症候群 (レストレスレッグ症候群)

じっとしているとき、「むずむずする」「かゆい」「虫が這っている」「電気が流れている」などの不快な感覚が起こります。この症状は足を動かすことによって一時的に改善するのが特徴です。また夕方から夜間にかけて現れやすく、このために眠れなくなり、日中に仕事に集中できないなど日常生活に支障を来すことになります。

原因はまた解明されていませんが、脳内の神経伝達物質の一つであるドパミンの機能低下や鉄欠乏が関連していると考えられています。また慢性腎不全、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチなどの内科疾患や妊娠が原因となることもあります。

人口の2-5%が罹患していると言われますが、認知度はまだまだ低いと言えるでしょう。検査はまず血液検査などで内科疾患の有無を調べ、更に必要であれば終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。治療は生活習慣を改善した上で、それでも症状が継続する場合はドパミンの働きを補う薬剤や安定剤、抗てんかん薬による薬物治療を行います。

夜間異常行動、異常運動

夜寝ている間や寝る直前、寝起きに様々な変わった行動や体の動きをすることがあります。俗に言う寝ぼけや夢遊病というような症状や手足のぴくつきなどがよく知られているものですが、これらのために十分な睡眠が妨げられたり、怪我をしてしまったりすることがあります。
その原因となる病気は、睡眠時随伴症(parasomnia)と総称される異常行動を呈するものから、てんかん、歯ぎしり、夜間食行動異常など数多くあります。特に、睡眠時随伴症のなかのレム睡眠行動障害はみている夢の内容と一致した行動を取ってしまう病気で、怪我をしてしまうだけでなく将来の神経変性疾患の発症につながる可能性が近年指摘されており注目されています。
これらの病気の鑑別や診断を行うには最終的には終夜睡眠ポリグラフを行う必要がありますが、一晩の検査では家でいつも起こる症状が起きず、数日間検査をしないとわからないこともあります。当センターでは症状の内容と検査結果を合わせて診断を明確にし、その症状が起こる原因を探った上で治療法や対策を提案します。