江石 義信 Yoshinobu Eishi(人体病理学分野 教授)
お茶の水醫学雑誌編集委員長

 『お茶の水醫學雑誌』は昭和 27 年(1952 年)に第1巻が発刊されて以来、これまで毎 年発行されてきており昨年(2011 年)までに第 59 巻を数えています。昭和 2 年から昭和 19 年まで「口腔病学会」が発行していた『口腔病学会雑誌』を基盤として、医学部設立後 の昭和 24 年には医歯学合同の「お茶の水学会」が設立され『お茶の水学会誌』なるものが発行されました。その後、医学・歯学それぞれの専門性が高まるなか、昭和 27 年には 医学部と歯学部がそれぞれ「お茶の水医学会」と「口腔病学会」を立ち上げ、現在の『お茶の水醫學雑誌』と『口腔病学会雑誌』が別々に発行されるようになり 現在に至っていま す。医歯学合同の基盤となった「お茶の水学会」は昭和 25 年に財団法人化されましたが、 両雑誌発行後の昭和 28 年以降は実質的な活動は行われていません。  『口腔病学会雑誌』は、毎年学内歯学部教授会メンバーの持ち回りにて編集が行われ(、財) 口腔保健協会に事務局を委託して刊行されていると聞いています。他方、『お茶の水醫學 雑誌』は、「お茶の水医学会」会長である医学部長が選任した編集長と編集委員から構成される編集委員会組織によって、原稿受付、学内教授・教官への peer review 依頼、雑誌 の発行・配布などすべての作業が行われています。最近、医歯学総合研究科の学位論文を英語で書くことが一般的になったことから、これまで日本語での学位論 文投稿の受け口の なっていた本雑誌の役割が限定的となり、保健衛生学研究科からの学位論文が主体となって掲載されるようになりました。 この変化を受けて、編集長が医歯学総合研究科の木原和徳教授から保健衛生学研究科の 佐藤健次教授に引き継がれ、佐藤編集長が定年退任となる昨年度まで私を含めた少数の 編集委員とともに細々と本誌の発行が続けられてきました。私が医科同窓会学術担当理事も兼務していた関係から、本誌をもっと時代に適合した本学独自の邦文 医学系総合学術雑 誌として改編できないかどうか検討したこともありましたが当時は実現に至りませんでした。昨年 4 月に湯浅新医学部長から新編集委員 7 名と共に本誌編集長に任命されたのをきっかけに、総勢 8 名の編集委員会組織において昨春から入念に準備を進めてきました結果、今回ようやく新しい体裁と内容で記念すべき第 60 巻を発行するまでにこぎつけました。 雑誌発行にはまったく素人である本学教官が編集した内容ですから問題点も多いかもしれません。編集委員たちの理念からすれば、本学の英文医歯学系学術雑誌 として発行されている『Journal of Medical and Dental Sciences』に対応した邦文医歯学系学術雑誌として『お茶の水医歯学雑誌』なるものを将来は発行できないものかと思案しています。  しかし資金面の基盤もなく本学教員のボランティア活動により運営されている現状には 大きな問題を感じています。今回の改訂版第1号をご覧いただき、本学の邦文学術雑誌としての重要性や役割が感じ取られるようであれば、ぜひとも将来には大 学の機関が編集・ 発行を担当することにより、より内容の充実したものへと発展させて頂きたいと考えています。そのためには、『Journal of Medical and Dental Sciences』と同様な扱いが必要とな りますから、本学歯学部が発行している『口腔病学会雑誌』との新たな再統合を検討する 必要がでてくるかもしれません。本学における医歯学融合の機運や医歯学診療連携の必要性からすれば、英文雑誌だけでなく邦文雑誌においても医歯学合同での 発行を今一度再考 する時期に来ているのではないかと考えています。本学の将来の方向性や時代の変化に迅速に対応するためにも皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。


河野 辰幸  Tatsuyuki Kawano(食道・一般外科学分野 教授)
編集委員


宮崎 泰成  Yasunari Miyazaki(保健管理センター長)
編集委員


古川 哲史  Tetsushi Furukawa(生体情報薬理学分野 教授)
編集委員


沢辺 元司  Motoji Sawabe(分子病態検査学分野 教授)
編集委員


明石 巧  Takumi Akashi(診断病理学分野 准教授)
編集委員


秋田 恵一  Keiichi Akita(臨床解剖学分野 教授)
編集委員


         


東京医科歯科大 学
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