専門研修プログラム

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専門研修プログラムをご覧になりたい方はこちらを御覧ください。(2019年度版です)

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2019年7月4日 - Updated

プログラム抜粋

1.東京医科歯科大学形成外科専門研修プログラムについて

基幹施設である東京医科歯科大学は御茶ノ水駅前という国内随一のアクセスの良さを誇り、「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」という基本理念のもと、世界的な教育研究の推進に努めています。2016年の英国の高等教育機関情報誌が選んだ世界最高の小規模大学を選出するランキングにおいて日本で第1位、世界で第12位の大学に選出されました。

形成外科は外科系各科のアクティビティーの高さを反映して、頭頸部癌、乳がんなど腫瘍切除後の再建、その後の二次再建の症例数が多いのが特徴です。特に、顔面神経麻痺に対する再建は年々増加してきています。成人病・高齢化社会のニーズに対応するため、糖尿病性壊疽・褥瘡外来を立ちあげました。また、救命センターの充実により、顔面骨折、切断指などの 手足の外傷症例も増加してきています。その一方で、QスイッチルビーとVビームの2台のレーザーを新規購入し、アザ・シミ・母斑・血管腫など治療を行うレーザー設備も整備されました。レーザー、先天異常から、創傷治癒、各種の皮弁移植、マイクロサージャリー、骨切りまで幅広く経験することができます。

一方、連携施設では、経験豊富な当科OB、OGなどの専門医が指導にあたるので、質の高い研修が可能です。国立がん研究センターなどでの研修も可能であり、オープン感覚で、一つのしきたりにとらわれない臨床経験が積めます。出身大学や性別、年齢などにより研修内容を差別することはなく、 やる気のある人全員に活躍の場を提供する体制をとっています。

  1. 東京医科歯科大学形成外科専門研修プログラムの目的

    形成外科は臨床医学の一端を担うものであり、先天性あるいは後天性に生じた変形や機能障害に対して外科的手技を駆使することにより、形態および機能を回復させ患者のQuality of Lifeの向上に貢献する外科系専門分野です。 形成外科専門医制度は、形成外科専門医として有すべき診断能力の水準と認定のプロセスを明示するものであり、専門研修プログラムは医師として必要な基本的診断能力(コアコンピテンシー)と形成外科領域の専門的能力,社会性,倫理性を備えた形成外科専門医を育成することを目的としています。

  2. 形成外科専門医の使命

    形成外科専門医は、形成外科領域における幅広い知識と練磨した技術を習得するこ とはもちろん、同時に医学発展のための研究マインドを持ち、社会性と高い倫理性を備えた医師となり、標準的医療を安全に提供し国民の健康と福祉に貢献できるよう自己研鑚する使命があります。

2.形成外科専門研修はどのように行われるのか

  1. 研修段階の定義

    形成外科専門医は、初期臨床研修の2年間と専門研修(後期研修)の4年間の合計6年間の研修で育成されます。

    • 初期臨床研修2年間に自由選択により形成外科研修を選択することができますが、この期間をもって全体での6年間の研修期間を短縮することはできません。
    • 専門研修の4年間で、医師として倫理的・社会的に基本的な診療能力を身につけることと、日本形成外科学会が定める「形成外科領域専門医研修カリキュラム」(資料1参照)にもとづいて形成外科専門医に求められる専門技能の修得目標を設定します。それぞれの年度の終わりに達成度を評価したのち、専門医として独立し医療を実践できるまでに実力をつけていくように配慮します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
    • 専門研修期間中に大学院へ進むことは可能です。臨床医学コースを選択して、臨床に従事しながら臨床研究を進めるのであれば、その期間は専門研修として扱われます。

3.専攻医の到達目標(習得すべき知識・技能・態度など)

基幹施設である東京医科歯科大学では主として顔面神経麻痺に対する再建手術や頭頸部・乳房・四肢再建や外傷外科を、連携施設では腫瘍、外傷、炎症・変性疾患などを多く学ぶことができます。双方で研修することによりそれぞれの特徴を生かした症例や技能を広く学ぶことができます。

当科の特徴

  1. 頭頸部再建

    1999年から頭頸部外科、脳外科、食道外科と協力してこの領域の再建を行ってきました。特に頭蓋底領域においては日本有数の症例数を誇り、多くの臨床研究を行い国内外に発信してきました。また二次変形についても遊離皮弁、軟骨移植、複合組織移植などの手技を用いて積極的に再建しています。

  2. 乳房再建

    1990年代初めの乳房再建が盛んでないころから乳腺外科と協力体制を構築し、同時再建を積極的に行ってきました。自家組織、人工物を問わず、患者さんの希望に基づいた再建を行っています。脂肪移植、医療用刺青などのタッチアップサージャリーに至るまで、あらゆる症例を経験できます。400例を超える症例の蓄積から、臨床研究も多く行っています。

  3. 救命救急センターとの連携

    都内随一の救急車受け入れ台数を誇る救命センターと協力して、積極的に外傷の治療にあたっています。これによって顔面骨骨折や切断指を含む四肢外傷の症例を多く経験できます。

  4. 眼形成外科

    眼科と連携して眼瞼下垂、眼瞼痙攣、眼瞼外反内反、眼窩底骨折、重瞼術などの診療を行っており、多くの症例を経験できます。

  5. 歯学部との連携

    日本一の患者数を誇る当大学歯学部と連携をとり、定期的な症例検討会を開きながら顎骨の骨折・再建、顎顔面変形、唇顎口蓋裂などに対してチーム診療を行っています。先天異常は、手術後も成長とともに機能的,整容的変化が伴うため、長期にわたり協力しながら診療しています。顎顔面骨変形に際しては画像評価に加えて3Dプリンターも用いて術前シミュレーションを行っています。

  6. 難治性潰瘍・足壊疽に対するチーム医療

    全国的にニーズの高い難治性潰瘍に対し、皮膚科、血管外科、内科と定期的にFoot & Leg カンファレンスを開き、下肢救済のためバイパス術・血管内治療(血管外科)、遊離皮弁術などの再建術、フットケア(皮膚科)までチーム医療を行っています。難治性潰瘍についても手術のほかにエアーフローティングベッド、陰圧閉鎖療法、各種創傷被覆材を駆使して治療成績を上げています。

  7. レーザー治療

    4台のレーザー機器を駆使して、苺状血管腫や単純性血管腫にあざ治療からしみなどの美容的治療まで幅広く行っています。形成外科領域と皮膚科領域の皮膚疾患を広くカバーできるよう体制を整えています。

  8. 皮膚悪性腫瘍に対するチーム医療

    皮膚科と定期的にカンファレンスを開き、診断、化学療法は皮膚科、手術療法は形成外科が担当し、患者のQOLを重視した再建を行っています。

  9. 陳旧性顔面神経麻痺に対する集学的治療

    当科の特色の一つとして遊離筋肉移植による動的再建を患者さんの状態に合わせてバリエーションをもたせて行うほか、筋膜移植などの静的再建も駆使して、笑いの再建、閉臉の再建、対称性の獲得に務めています。また筋電図、ビデオなどを用いて術前後評価を行い常に進化を求めています。保存治療としてボツリヌス毒素を用いた拘縮の治療も行っています。これらの分野では日本有数の実績を誇ります。

4. 各種カンファランスなどによる知識・技能の習得専門医の取得

  • 基幹施設および連携施設それぞれにおいて、医師および看護スタッフによる治療および管理方針の症例検討会を行います。専攻医はその場で積極的に意見を述べ、上級医だけでなく同僚や後輩の意見を聞くことにより、具体的な治療方法や管理方法を自ら考えていくことができるようにします。
  • 他科との合同カンファランス:頭頸部腫瘍の治療に対する頭頸部外科とのカンファランスや乳がん治療における乳腺外科・放射線科とのカンファランスなど、それぞれの疾患に関わる他科との協力のもと治療を進める課程を学んでいきます。
  • Cancer Board:複数の臓器にまたがる疾患症例,内科疾患の合併を有する症例,非常にまれで標準治療がない症例などの治療方針決定について、各科医師や緩和スタッフおよび看護スタッフなどによる合同カンファランスを行います。
  • 基幹施設と連携施設による症例検討会:まれな症例や検討を要すると判断された症例などについては、施設間による合同カンファランスによって症例の検討を行います。
  • 専攻医・若手専門医による研修発表会を年間に数度大学内の施設を用いて行い、発表 内容,スライド資料の良否,発表態度などについて、指導的立場の医師や同僚や後輩から質問を受けて検討を行います。
  • 各施設において抄読会や勉強会を実施します。専攻医は学術誌だけでなく、インターネットなどを利用して最新の情報検索を行います。
  • 手術手技をトレーニングする設備,教育DVD,学会が提供するインターネット上のコンテンツなどを用いて積極的に手術手技を学びます。
  • 日本形成外科学会の学術集会(特に学術講習会),日本形成外科学会地方会,日本形成外科学会が承認する関連学会,日本形成外科学会が提供するe-learningなどで下記の事項を学んでいきます。各病院内で実施される講習会にも参加してください。

5.学問的姿勢について

指導医は専攻医が研修目的を達成できるよう指導しますが、専攻医も自らの診療内容を常にチェックし、研鑚、自己学習し、知識を補足することが求められます。知識としてEvidence-Based Medicine(以下EBM)は当然その基礎となります。専門研修プログラムでは症例に関するカンファランスが設定されていますが、これに積極的に参加し、呈示と討論ができるようにしてください。専攻医は受け持ち患者についての疑問を提示し、同僚や指導医から提示された疑問については、EBMに沿って批判的吟味を行う姿勢が重要です。次に、日常の診療から疑問に思ったことを研究課題とし、参考文献を資料として研究方法を組み立て、結果をまとめ、論理的、統計学的な正当性を持って評価、考察する能力を養うことが大切です。そして、専攻医は学会に積極的に参加し、その成果を発表する姿勢を身に付けてください。

専門研修プログラム修了後に形成外科領域専門医資格を受験するためには以下の条件を充足する必要があります。

  1. 6年以上の日本国医師免許証を有するもの。

  2. 臨床研修2年の後、学会が推薦し機構の認定を受けた専門研修基幹施設あるいは専門 研修連携施設において通算4年以上の形成外科研修を修了していること。ただし、専門研修基幹施設での最低1年の研修を必要とします。

  3. 研修期間中に直接関与した300症例(うち80症例以上は術者)および申請者が術者として手術を行った10症例についての所定の病歴要約の提出が必要です。

  4. 日本形成外科学会主催の講習会受講証明書を4枚以上有すること。

  5. 少なくとも1編以上の形成外科に関する論文を筆頭著者として発表しているもの。(発 表誌は年2回以上定期発行され、査読のあるものに限ります)

また、専門医資格の更新には診療実績の証明、専門医共通講習、診療領域別講習、学術業績・診療以外の活動実績など5年間に合計50単位の取得が求められます。

8.専門研修プログラムの施設群について

(専門研修基幹施設)

東京医科歯科大学形成外科が専門研修基幹施設となります。(研修プログラム責任者:1名,指導医:3名,症例数:約1000例)

(専門研修連携施設)

東京医科歯科大学形成外科研修プログラムの施設群を構成する連携病院は以下の通りです。専門研修連携施設は、診療実績基準を満たす必要があります。

  • 亀田総合病院形成外科(指導医:2名,症例数:約1100例)
  • 横浜市立みなと赤十字病院形成外科(指導医:2名,症例数:約400例)
  • 武蔵野赤十字病院形成外科(指導医:1名,症例数:約600例)
  • 国立がん研究センター東病院形成外科(指導医:1名,症例数:約200例)
  • 国立がん研究センター中央病院形成外科(指導医:1名,症例数:約450例)
  • 静岡県立静岡がんセンター形成外科(指導医:2名,症例数:約400例)

また連携候補病院は以下の通りです。

  • 土浦協同病院形成外科(専門医:1名,症例数:約160例)
  • 新松戸中央総合病院形成外科(専門医:1名,症例数:約430例)

※東京医科歯科大学グループ全体の症例数は、約4000例にのぼります。

(地域医療研修施設)

  • 亀田総合病院
  • 横浜市立みなと赤十字病院
  • 武蔵野赤十字病院
  • 土浦協同病院
  • 新松戸中央総合病院

(専門研修施設群)

東京医科歯科大学形成外科と連携施設、連携候補施設により専門研修施設群を構成します。

(専攻医受入数)

東京医科歯科大学グループ全体で、症例のデータベースをもとに1年間で専攻医の教育可能な人数を算出すると、最も効率的に行った場合で約6.4名です。しかし実際には、人事異動などの都合上その約半分の3名までが1年間に教育可能な人数となります。

9.施設群における専門研修コースについて

形成外科領域専門研修カリキュラムでは、到達目標の達成時期や症例数を1年次から4年次まで項目別で設定しています。しかし実際には、各施設の症例数や人事異動などでその時期が前後すると予測されます。そのため、設定した年次はあくまで目安であり、4年次までにすべての到達目標を達成することを最終目標とした上で、基幹施設と連携施設で連携しながら専門研修コースを設定していく必要があります。

東京医科歯科大学を中心とした9つの施設ですべての形成外科専門研修カリキュラムを達成することを目標としますが、それぞれの病院には取り扱う疾患の分野にばらつきがあります。このため、各専攻医のカリキュラム達成度を年度毎にチェックし、不足分を補うような病院間での移動を配慮します。

  1. 各年次の目標

    (専門研修1年目)
    医療面接・記録:病歴聴取を正しく行い、診断名の想定・鑑別診断を述べることができる。 検査:診断を確定させるための検査を行うことができる。 治療:局所麻酔方法、外用療法、病変部の固定法、理学療法の処方を行うことができる。基本的な外傷治療、創傷治療を習得する。 偶発症:考えられる偶発症の想定、生じた偶発症に対する緊急的処置を行うことができる。
    (専門研修2年目)
    専門研修1年目研修事項を確実に行えることを前提に、形成外科の手術を中心とした基本的技能を身につけていく。研修期間中に 1)外傷,2)先天異常,3)腫瘍,4)瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド,5)難治性潰瘍,6)炎症・変性疾患,7)その他 について基本的な手術手技を習得する。
    (専門研修3年目)
    マイクロサージャリー、クラニオフェイシャルサージャリーなどより高度な技術を要する手術手技を習得する。また、学会発表・論文作成を行うための基本的知識を身につける。
    (専門研修4年目以降)
    3年目までの研修事項をより深く理解し、自分自身が主体となって治療を進めていけるようにする。さらに、再建外科医として他科医師と協力の上、治療する能力を身につける。また、言語、音声、運動能力などのリハビリテーションを他の医療従事者と協力の上、指示、実施する能力を習得する。
  2. 4年間での手術経験数および執刀数 基幹施設と連携施設、連携候補施設を合わせた研修施設群全体について、専攻医1名あたり4年間で最低300例(内執刀数80例)の経験(執刀)症例数を必要とします。

  3. 専門研修ローテーション

    東京医科歯科大学および8つの連携施設および連携候補施設で、すべての形成外科専門医カリキュラムを達成することを目標にします。但し、それぞれの施設には取り扱う疾患の分野にばらつきがあるため、不足分を補うように病院間での異動を行っていきます。

    (ローテーションの一例)

    専門研修1年目:東京医科歯科大学形成外科(1年)

    専門研修2年目:亀田総合病院形成外科(1年)

    専門研修3年目:横浜市立みなと赤十字病院形成外科(1年)

    専門研修4年目: 東京医科歯科大学形成外科(9か月) 土浦協同病院(3か月)

    • 専攻医は週1回の東京医科歯科大学カンファランス(症例検討会)に参加し、東医科歯科大学の症例や連携施設の症例を検討することによって、形成外科のあらゆる分野の知識や技術を幅広く習得することができます。
    • 特に東京医科歯科大学研修期間中には、臨床だけでなく基礎実験の助手など基礎研究に携わることによって、早期からリサーチマインドを育てていきます。また、症例報告などの論文作成を行い、論文作成能力の向上を図っていきます。

入局、後期研修について話を聞いてみたい方は、医局長へ連絡をください。