腋臭症
腋窩が特有な悪臭を放つ状態をいい、俗名“ワキガ”といわれています。腋臭を起こす原因は、主にアポクリン腺(大汗腺)の分泌亢進に起因し、過剰に分泌されたアポクリン汗が腋窩皮表に存在する細菌叢により化学的変化を受けることで生じます。
臨床像
一般に、腋臭の強さは発汗量に比例するため、多汗を伴うものは臭いも強く、特に夏期で強い傾向にあります。性別では女性が、年齢別では思春期から中年期にかけて多く、また家族内発生も認められています。その他の特徴としては、軟耳垢(軟らかい耳垢)の人、自律神経の不安定な状態にある人に多いようです。また日本人は、欧米人と比較して腋臭の程度・頻度が少ないため、わずかな腋臭でも相対的に目立つ傾向にあり、それを苦にして受診する患者さんも比較的多く見受けられます。実際、中・高校生からの受診が多く見受けられますが、精神的なものによる患者さんも少なくありません。
治療
保存的治療(スキンケア、薬物療法etc.)が無効な場合に対して手術治療を行っていますが、いずれの手術療法でも完全に臭いを無くすことは出来ません。アポクリン腺を可及的に切除することで汗の量、しいては臭いを軽減させるのが現状です。当科では反転剪除法を行っており、両側いっぺんに行う場合は入院して手術を行います。
反転剪除法の実際
術後は腋窩に厚めのガーゼ圧迫を3〜5日間おこないます。その間、腕をあまり動かすことが出来ません。安静が保たれないと血腫(傷の下で血の塊ができること)や感染を起こしたり、傷が開いたりして傷の治りを遅らせ、しいては傷跡を汚くさせてしまう可能性が高くなるので、術後の安静はとても重要です。抜糸は術後10日くらいでおこないます。抜糸直後は、傷およびその周囲の皮膚の違和感・知覚鈍麻etc.がありますが、徐々に改善していきます。治療後は、ほとんどの患者さんで臭いが術前より明らかに軽減します。
§主な業績
*鈴木真澄、飯田 秀夫、横山明子、他. 腋臭症100例の検討 第47回日本形成学会総会学術集会 新宿区 2004 4
*秦 維郎、飯田秀夫. 腋臭症. 形成外科 2003; 46: s172-s173
*秦 維郎、飯田秀夫、森 弘樹. 腋臭症. 形成外科 2001; 44: s291-296
*秦 維郎: 腋臭症、腋窩多汗症の手術治療. 形成外科. 1999; 42: s315-s319
*秦 維郎. 腋臭症の基本的事項と治療の実際. 形成外科 38: S213-217, 1995
*秦 維郎. 腋臭症の治療. 臨床外科 47: 1285-1291, 1992
*秦 維郎. 腋臭症の手術. 手術 45: 827-832, 1991

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