得意とする分野

腹壁/臍

臍ヘルニア

いわゆる「出べそ」のことです。新生児の5-25%に見られます。出生後、臍帯(「へその緒」のこと)は乾燥して脱落し、その周りの臍輪(さいりん)と呼ばれる構造が徐々に収縮して深い臍が形成されますが、何らかの原因で臍輪の収縮・閉鎖が遅れた場合や不十分な場合に臍ヘルニアが発生します。1-2歳までに90%が自然治癒すると言われています。3-4歳になっても消失せず、見た目の改善を希望する場合に手術の対象となります。手術には様々な方法が報告されていますが、いずれも臍輪を閉鎖すると同時に、たるんだ皮膚を用いて臍の深いくぼみを作ります。

腹壁瘢痕ヘルニア

  • 術前

  • 術後

腹部の手術をしたあとに筋肉の壁(腹壁)の傷痕がのびて腸などが皮下にふれるようになることをいいます。膨らみのほか、痛みや不快感などがでることがあります。

CT検査で筋肉の状態などを評価します。

当科では人工物を極力使用せずに修復する方針で、腹筋の外側にある筋膜を切開することで腹壁の緊張を調整する方法や、ふとももから筋膜を移植する方法で手術が行われます。

主な業績

  • 田中顕太郎, 高田亜希、矢野智之、森弘樹、秦維郎. 人工物による腹壁瘢痕ヘルニア術後感染コントロールのためメッシュ除去と腹壁再建を必要とした3症例の検討. 第51回日本形成外科学会総会, 名古屋市, 2008年4月10日