論文発表「オートファジー欠損マウスは多発性肝腫瘍を発症する」(高村)
オートファジー欠損マウスは多発性肝腫瘍を発症する
Takamura A, Komatsu M, Hara T, Sakamoto A, Kishi C, Waguri S, Eishi Y, Hino O, Tanaka K, Mizushima N
Autophagy-deficient mice develop multiple liver tumors
Genes Dev. 25: 795-800 (2011)
オートファジーは細胞内を大規模に分解するしくみのひとつです。これまで生体内でのオートファジーの長期作用を全身で調べるのは困難でした。今回、全ての臓器の一部の細胞がオートファジー不能となる全身性モザイク状オートファジー欠損マウス(Atg5モザイク欠損マウス)を作成することによって、初めてオートファジー欠損細胞の運命を長期間にわたって追跡することに成功しました。その結果、このマウスの全例で多発性肝腫瘍が発生することがわかりました。東京都臨床医学総合研究所の小松雅明博士らのグループとの共同研究で、肝臓特異的Atg7欠損マウスでも肝腫瘍が発生することが再現されました。これらの腫瘍細胞では異常に腫脹したミトコンドリアやp62が蓄積し、酸化ストレス、ゲノム傷害が誘導されていることが確認されました。さらに、Atg7とp62を同時に欠損すると腫瘍の大きさが縮小しました。
以上の研究結果から、オートファジーは常に細胞内のミトコンドリアやたんぱく質を浄化することによって、肝細胞が腫瘍化することを抑制していると考えられます。
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オートファジー欠損マウスは多発性肝腫瘍を発症する |
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図の説明
(左)各臓器の一部にAtg5ノックアウト細胞(赤)を有する「Atg5モザイク欠損マウス」のイメージ図
(右)19ヶ月齢のAtg5モザイク欠損マウスの肝臓に発生した多発性肝腫瘍
