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◇めまい外来について
           
  ■概要
    当科では毎週火曜の午後にめまい・平衡障害の専門外来を開いています。
平衡神経科学を専門とする医師により、めまい・ふらつきなどの訴えのある方を対象に診察および検査データの詳細な検討を行い、原因の診断とそれに即した治療を行っています。
また、めまいは初診時には正確な診断に至らず、その後の経過を観察して初めて確定診断にいたる場合も多く、長期にわたり通院していただく必要のある方も少なくありません。
治療法についても、疾患に即した投薬から外来での外科的治療、手術治療やリハビリまで幅広く行う必要があります。
一般の耳鼻咽喉科外来診療の中で行うにはおのずと限界があるため、診療の日時が制限されご迷惑をおかけすることにもなりかねませんが、出来るだけこの時間 帯に通院していただくようお願いしております。
  ■受診の流れ
    専門外来では、皆様に出来るだけ滞りなく診療を受けていただくため完全予約制をとっております。
初診の方はまず、午前中の一般外来を受診していただき、めまい診療に最低限必要な検査の予約を専門外来の予約と一緒にして頂きます。
検査を受けて頂いてから、火曜午後の専門外来を受診していただいています。
また、専門外来終了後に毎回担当医全員が参加してめまい・平衡障害の専門カンファレンスを行い、初回受診の方、および経過観察中に問題の生じた方について詳細な検討を重ねています。
           
代表的疾患と治療
メニエール病
        聴覚症状をともなうめまい発作を繰り返す病気で、ゴッホもこの病気だったといわれています。
内リンパ水腫と呼ばれる内耳の内リンパ液圧の上昇が原因とされています。
治療には一般的に利尿剤の内服が多く用いられますが、聴力の急激な増悪に対してはステロイドも使用されます。
内服治療で軽快せずめまい発作が頻発する症例に対しては、鼓膜換気チューブ挿入や中耳腔への薬物注入なども近年注目されており、当科でも積極的に行っています。

それでも発作が軽減しない場合は手術療法となります。手術法には内リンパ嚢開放術、前庭神経切断術、内耳破壊術の3種類があり、それぞれの症例で適応術式を慎重に検討する必要があります。
また、外来で施行可能な薬物投与以外の治療法の選択肢の一つとして、メニエットと呼ばれる外耳道から圧付加を与える機器があり、国内では未認可ですが、欧米では広く用いられています。
これについても臨床試験の形で試用開始予定です。
           
・前庭神経炎
        長い場合数日にまで及ぶ長い回転性めまい発作を起こす疾患です。感冒が先行することも多く、ウィルスの感染が原因のひとつとして疑われています。
治療として抗めまい薬やステロイドの点滴が行われてきましたが、最近では抗ウィルス剤の使用も次第に行われるようになってきています。
           
椎骨脳底動脈循環不全症
        めまいに関係する耳・小脳・脳幹などの器官は首の後ろを通る椎骨動脈により栄養されています。
高血圧・動脈硬化・不整脈など血流の悪くなる因子のある方では、この動脈の血流不全によりふらつきやめまいを起こすことがあります。
このような症例では、循環を改善する薬が必要となり、神経内科とも連携して対応させていただいております。
           
聴神経腫瘍
        頻度としてはまれですが、体のバランスにかかわる神経に腫瘍が出来ることでいろいろなめまい症状を起こすことがあります。
治療としては放射線(γナイフ)や手術が行われますが、定期的に経過を観察するだけでよい場合もあります。
また手術を行う際にも経中頭蓋窩、経迷路、経後頭蓋窩など種々の術式があり、聴力の保存の可否などそれぞれ利点・欠点があるため、症例毎に慎重な検討が必要です。また、脳神経外科との連携も重要になります。
           
両側前庭機能障害(薬剤性・加齢性など)
        昔結核にかかりストレプトマイシンを使用された方などでは、両耳の平衡感覚を持つ部分の機能が高度に低下してしまっている場合があります。
このような場合に特に暗い場所でふらつき・歩行障害をきたすことがあります。
前庭機能自体を改善することは出来ませんが、日常生活での注意やリハビリのため、ご自身の体の状態を正確に理解していただく必要があります。
           
脊髄小脳変性症
        耳鼻咽喉科疾患ではありませんが、平衡失調・歩行障害などをきたし、中脳・小脳・脳幹の機能検査のためにも耳鼻咽喉科での精密な検査が必要となるため、おもに神経内科からの紹介により平衡機能検査を施行しています。
           
先天性眼振
        両側の眼球が生まれつき(多くは振り子様に)ゆれているのが特徴です。
一般にはめまいはきたさず治療も不要ですが、青年期で眼の動きが強くなるとものが見にくい、ふらつくなどの症状が出てくることがあります。
また、手足の振動する感じを伴うこともあります。特定の治療薬はありませんが、種々の薬剤が試され、有効であったとの報告もあり、患者さん毎に有効な薬を探していく必要があります。
また、コンタクトレンズが有用との報告もあります。以前は眼球を動かす筋肉へボツリヌス毒素を注射して麻痺させる治療法も報告されていましたが、副作用のほうが大きく、現在では行われていません。
           
その他
        特に高齢者で、脳にも耳にも明らかな異常が認められず、ふらつきが続く方の中で、脳内の体平衡を司る領域の不整な興奮が原因と考えられる症例があり、痙攣止めの薬が効果を挙げている、と近年報告されています。
これまで原因不明とされてきた患者さんの中で、この種の治療の適応となる方が多数おられると考えられます。
           
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