東京医科歯科大学 整形外科 股関節班 人工股関節置換術(人工関節・THA)・最小侵襲手術「MIS」等の専門治療の紹介

股関節班
神野哲也 古賀大介 小谷野岳 高田ちさと
     麻生義則(整形外科先端治療開発学)

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診療内容

股関節グループは、毎週木曜日の午後に専門外来を開設しており、新生児から高齢者にわたる股関節疾患に対し、保存的・観血的治療ならびに診療を行っています。

特に変形性股関節症や大腿骨頭壊死症に対する人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty: THA)による治療を主として、股関節疾患を有する患者さんの日常生活の改善に努めています。

また、きめ細かな臨床上のフォローアップを行う一方、分子生物学的、あるいは薬理学的な最先端の知見を応用して、人工股関節置換術の手術成績や人工関節の寿命を改善することを目標としています。

08.gif当院で使用している人工股関節置換術のしおりです
(別ウィンドウ PDFファイル 3000KB)

最先端医療

末期変形性股関節症や大腿骨頭壊死症に対する治療に際しては、正確な病態把握の元に的確な時期に的確な手術が行われることが望まれます。

当科ではCT、MRI、血管造影、関節造影などを含めた様々な診断方法を総合して可能な限り関節温存手術を行う、国内でも数少ない施設であるばかりでなく、人工股関節置換術においても関東の大学病院の中では症例数、手術成績ともトップクラスにあり高い評価を受けています。さらに、前・初期股関節症に対しては、積極的に独自に開発した寛骨臼回転骨切り術を行い、成績向上をめざしております。

最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery : MIS)

当科では以前より術中の侵襲を少なくし、早期リハビリを行うことに力を入れていましたが、さらなるリハビリの短縮を目指し症例を選んで、最小侵襲手術(MIS THA)にて人工股関節置換術を施行しています。具体的には、関節の変形が比較的軽く可動域の保たれている症例に関しては8cm未満の皮切(創)での人工股関節置換術が可能となっています。

両側一期的施行人工股関節全置換術

変形性股関節症の患者さんには両側罹患例が少なくありません。このような場合に、従来では片側人工股関節置換術を施行した後に待機的にもう片方の人工股関節置換術を行ってきました。しかしこの場合は片側の人工股関節置換術を行って痛みが取れても未施術側の痛みがあるために手術後の満足度があまり得られませんでした。また入院期間も両側を合わせると片側施行例の2倍の日数を要しました。当科では近年、両側の一期的人工股関節置換術を開始し、リハビリ期間や入院期間の短縮などを達成し、短中期ではありますが、良好な成績をあげています。

平成14年度の調査で、人工股関節手術の入院日数が全国で最も短い施設でした

読売新聞での紹介記事

読売新聞・医療と介護

人工股関節置換術における、術中感染の予防にも細心の注意を払っており、下の写真のように専用の防御服を着用して手術を行います。現在までの所、当院にては人工股関節置換術において深部感染は起こっていません。

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臨床研究

1. 各種股関節症における手術前・後の動作解析

各種股関節症の動作特異性に関し、動作解析装置、歩行分析装置等を用い、疾患による動作特異性を検討しています。さらに、股関節手術後の日常生活動作改善の評価を明確にするため、その基準作りを理学療法部と提携しながら行っています。

2. より安全な手術を目指して。(肺塞栓について)

肺梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症に対する予防、治療

肺梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症は、見逃せば死に至る可能性も大きい術後の重篤な合併症です。当科では、これらの疾患について血管外科や放射線科、循環器科、呼吸器科と協力しながらその発生機序や治療法、予防法について研究し、その予防・治療に努めております。股関節手術がすべての患者さんに安全に行われるよう、更なる安全な手術法の開発とともに今後とも各科と協同して研究を進めていきます。

3. 脚長補正

変形性股関節症の手術による利点として、患者さんの罹患関節の除痛はもちろんのこと脚長差の補正は、術後生活動作という点から、大変重要な手術の要素であると考えられます。片側股関節症例では一回の人工股関節置換術において正確な脚長補正が要求されますが、特に3cm以上の脚延長を要する場合、時として下肢の神経麻痺を生じることも報告されています。このようなことはこれまで術後にしか判明していませんでしたが、当科では、世界的レベルにある脊椎グループの協力をえて脊髄誘発電位術中モニタリングを施行しており、術後の麻痺が生じない脚延長を行っております。これにより過去最大5.5cmの脚延長を一期的手術で安全に行い得ました。今後とも、安全な脚延長-脚長補正ができるように、必要に応じて術中モニタリングを導入した手術を行います。

股関節専門医が在籍する関連病院リスト

さいたま赤十字病院
日産玉川病院股関節センター
取手協同病院
同愛記念病院 人工関節センター
埼玉県総合リハビリテーションセンター
石心会狭山病院
青梅市立総合病院
国立印刷局東京病院
草加市立病院