

病院を変えよう・なぜ違う入院日数

 短いなら…手術決心


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| 人工膝関節の手術(佐賀医大病院で)
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「こんなに早く退院できて本当に喜んでいます」長年、股(こ)関節の痛みに苦しんできた埼玉県の主婦塩向(しおむき)和子さん(53)は今春、両足の人工股関節の手術を受けた。
【1か月半で退院】
40歳を過ぎたころから、足の付け根が痛み、近くの病院に通った。股関節の形の不具合が年齢とともに進む「変形性股関節症」だった。
家事で立っているのもつらい。買い物にも1人では出られなくなった。骨の変形が進み、「治すには人工関節しかない」と言われた。
だが、医師の説明では、一方の足を手術するだけで入院に3か月、さらに転院してリハビリに3か月かかるという。
「半年も家を空けるわけにいかない」。手術に踏み切れないでいた昨年6月、佐賀医大病院の治療についての本欄の記事を読んだ。
同大では治療日程を定めた診療計画表に基づき、患者は一方の足だけの手術の場合、平均3週間で退院、日常生活に戻る。
「これなら受けてみたい」と決心、今年2月、はるばるこの病院に入院。3週間おきに、右と左の足の手術を順に受けた。
先月に退院、入院期間は1か月半で済んだ。今は歩いて買い物にも行ける。
【数年前までは倍】
人工股関節手術は、骨盤側には金属製のおわん形の「臼蓋(きゅうがい)」を、大腿(だいたい)骨側には先端に丸い「骨頭(こっとう)」の付いた金属柱を埋め込む。人工関節では膝(ひざ)と並んで多く、年約2万4000件行われている。
全国の大学病院の平均入院日数は44・6日=グラフ。佐賀医大整形外科教授の佛淵(ほとけぶち)孝夫さんは「数年前までは、その倍はあったのではないか。急速に短縮されつつある」と話す。
最も短い東京医科歯科大でも、数年前は2か月ほどだった入院期間を、安全性を確かめながら段階的に短縮してきた。入院は手術前日で、手術後3日目には歩行訓練を始め、早い人では3週間で退院する。
整形外科助手の神野哲也さんは「従来は数週の安静が必要と言われた骨セメントを使わない手術でも、早期にリハビリを始めても大丈夫なことが確認されてきた。早い時期に体を動かせば、血の塊が肺動脈に詰まる肺塞(そく)栓(せん)症の予防にもつながる」と説明する。
一方、入院期間の長い施設の医師は「ただ手術して早く帰すだけなら、一般病院と変わらない。大学は研究も重要」と言う。入院期間への関心は薄い。
だが、人工関節手術の目的は、患者の「生活の質」の改善にある。長期入院が避けられる意義は大きい。(田村 良彦)
(2003年4月3日)
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