強度近視

1.       臨床研究

 強度近視グループでは従来,ICG赤外蛍光眼底造影を用いて,強度近視眼における網膜脈絡膜循環の特殊性を解明してきました。さらに最近では,世界で始めて発症10年以上という近視性脈絡膜新生血管の長期予後を明らかにし,近視性脈絡膜新生血管の治療を考える上でのgold standardとしての論文として数多く引用されています。さらには強度近視眼での新しい病態である中心窩網膜分離症や乳頭周囲色素上皮剥離(PDPM)の臨床的特徴と病的意義をはじめて解明し,これらの新しい病態に対して世界をリードする臨床的研究を行い,病態解明と治療に役立てています。特に最近は近視性脈絡膜新生血管に対し、光線力学療法をはじめとした新しい治療法を試み、日本人に対する治療効果を明らかにしようとしています。また、小児の近視の進行機序を解明し、近視進行の予防治療の確立を目指しています。

2.      基礎研究

 また基礎研究としては,ヒト培養網膜色素上皮細胞を用いたin vitroのアプローチ,さらには各種の遺伝子改変マウスを用いたin vivoのアプローチを用いて,本学分子細胞機能学の森田育男教授との共同研究により,特に脈絡膜新生血管の発生メカニズムを解明しています。特に脈絡膜新生血管の発生に重要と考えられる新しい血管新生抑制因子である色素上皮由来因子pigment epithelium-derived factor; PEDFに注目し,脈絡膜新生血管におけるPEDFの重要性を明らかにしてきました。さらに最近では脈絡膜新生血管の病因としてAlzheimer病の原因物質amyloid bが重要であることをはじめて見出し報告しています。また、実験近視モデルを用いて、近視進行のメカニズムを分子学的に解明し、新たな近視進行の予防治療の開発を研究しています。