旋尾線虫幼虫移行症患者情報
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今年(2000年)もホタルイカ漁のピークは過ぎ,市場でホタルイカを見かけることは少なくなってきました。今年の富山湾産のホタルイカ漁は不漁で,例年なら1000匹近く検査していたホタルイカも,26日に上野アメ横で手に入れた105匹のホタルイカのみでした。このホタルイカから6匹の旋尾線虫幼虫を検出しました。

この年の患者発生は例年になく多く,虫体確認例が5例。抗体検査依頼は10症例18検体にのぼっています。この中にはこれまでホタルイカの生食の習慣のなかった地方の都市からの報告もあり,ホタルイカの漁期が終わりに近づいたこれからが患者発生のピークを迎えるものと思われます。くれぐれもご注意ください。(2000.05.30)


今年(1999年)のホタルイカの漁期は終わりました。エルニーニョ現象の影響で,例年より1ヶ月はやく回遊しはじめたホタルイカは5月末にぱったりとその姿を消しました。通常ですと7月はじめまでは漁ができていたと漁業関係者は話しています。

ここ3年続いていた不漁も,今年は大豊漁。おそらく来年も豊漁だろうと関係者は期待を寄せています。

漁獲高は増加したのですが,ホタルイカに寄生している旋尾線虫の寄生率は逆に低下していました。今年の寄生率は約1.9%でした。

今年も各地から旋尾線虫幼虫による皮膚爬行症やイレウスの症例が報告されています。私が確認した範囲では秋田で1例(皮膚爬行症型)と京都で1例(イレウス型)が発生しています。もしこのページをご覧になっている方で旋尾線虫幼虫移行症の症例を経験された方は是非ともご連絡ください。メールはこちら。

旋尾線虫幼虫の凍結処理に関する論文はこちら