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マヒドン大学熱帯医学部内に国際寄生虫対策アジアセンター(Asian Centre of International Parasite Control, ACIPAC)が設立され、私ども長期専門家が派遣されてちょうど1年が経過しました。
この間、東南アジアにおける寄生虫対策推進に向けて人材育成をプロジェクトの活動目標の中心に据えるというセン ター設立の趣旨に添って、具体的には「学校保健を基盤としてマラリア・土壌伝播寄生虫対策を推進できるような人材 の育成を目指す」ことを方針とする一方、タイおよび周辺4カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ヴィエトナム) によるこの方針への理解と協力を求めるための2度にわたる訪問と、研修カリキュラム開発のための国際ワークショッ プ(2000年12月)の開催、国際シンポジウム(2001年3月)の開催などを経て、いよいよこの9月17日から12週間にわ たる国際研修を開催することとなりました。
これには、タイおよび周辺各国からそれぞれ5名の寄生虫対策もしくは学校保健関係者が参加するほか、Hashimoto Initiativeの一環としてケニヤからも研修に参加されます。また、私どもが互いに協力したいと願っているユニセフや、日 本からはJICA研修員の参加も見込まれております。
ところで、私どもが、学校保健を基盤としてマラリア・寄生虫病対策を推進することを提案している理由は、何とい っても、学童期の子供たちがもっとも多くの寄生虫に感染し、「虫だらけ(wormy)」となっているからです。ひとり で7〜8種類の寄生虫を抱えている場合もあるのです。身体的にのみならず、子供たちの知的発育に、これらの寄生虫 の深刻な影響が及んでいる事実が、現在、世界保健機関(WHO)や世界銀行(World Bank)などでも注目されるように なってきています。そこで、私どもは、”Save Wormy Schoolchildren”をキャッチフレーズに活動を展開しています。
ほかにも、この年齢層の子供たちにアプローチする理由はいろいろとあります。そのなかには、たとえば、教師から 子供への一方的な伝達方式の教育から、病気を予防し、健康であるために、もっと子供たちが自分たちの目線でものを 見、考え、創造していくような衛生教育へと変えていくことはできないか、また、それによって、新たな感染症予防の 戦略が構築されていく可能性をさぐることはできないか、というような大胆な提案や試みも含まれて来ると思います。
いずれにしても、もっとも大切なことは、子供たちには未来があるということではないでしょうか。寄生虫対策や保 健教育を通して、子供たちがより健康的な学校生活を送り、それぞれがもっている未来への夢が叶えられるよう努力す ることは、私どもおとなの光栄な義務であると思いますし、そのために各国の人々と協力していきたいと願っている次 第です。
最後になりましたが、この度、タイ側カウンターパートとも情報ネットワーク委員会で話し合った結果、このような 私どもの活動について、日本の皆様にわかりやすくお伝えし、いろいろとご意見やご支援をいただきたく、日本語ホー ムページを開設することにいたしました。ゆくゆくは、このメコン川流域諸国の熱帯感染症情報など、ご旅行に役立つ ような情報も掲載していきたいと考えております。また、日本寄生虫学会はじめ関連学会の先生方には、ぜひホームペ ージのみならず、ACIPACの活動現場にもお立ち寄り下さり、なにかとご助言賜りますようお願い申し上げます。