硬膜動静脈瘻

心臓から全身に送り出される血液が流れる血管が動脈で、流れ終わって心臓に戻ってくる血管が静脈です。
動脈と静脈は別々に血液が流れています。

動脈から静脈に直接血液が流れ込む病的な状態が「動静脈瘻」です。

脳を被っている「硬膜」と呼ばれている被膜には静脈の広がった部分があり、「静脈洞」と呼ばれています。
そこに「動静脈瘻」が発生したものが「硬膜動静脈瘻」です。

日本人では目の奥にある海綿静脈洞と呼ばれる静脈洞にこの病気が発生することが多いと言われています。
これを「頸動脈海綿静脈洞瘻」と呼びます。

頭を流れる動脈のうち、脳へ血液を送る内頸動脈と筋肉・皮膚へ血液を送る外頸動脈と呼ばれる2つの動脈から、海綿静脈洞に動脈血が流れ込むために、静脈洞の圧力が高くなり眼球へ血液が逆流して、眼が赤く充血したり、眼が飛び出したりします。

重症になると失明することがあります。
眼を動かす神経が圧迫を受けて麻痺すると、眼の動きが悪くなり、物が二重に見えるようになります。

また海綿静脈洞から脳内へ血液が逆流すると、脳の血液循環障害や脳出血が起こり、知能障害、意識障害、てんかん等の症状が出る恐れがあります。

放置しておいた場合自然に治ることもあり、眼が少し赤いだけで他に症状がなければそのまま様子を見ることもあります。



     硬膜動静脈瘻の治療
血管内治療では海綿静脈洞内へカテーテルを通してプラチナの糸(コイルと呼んでいます)を挿入して静脈へもれでて来るところを止めます。

海綿静脈洞に動静脈瘻(赤矢印)があり、眼窩に逆流( 青矢印)が見られます。

海綿静脈洞にカテーテルが挿入されています。
海綿静脈洞がコイルで充填されています(赤矢印)。
  治療後動静脈瘻は消失しました。