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教授あいさつ

女性医師問題

東京医科歯科大学大学院
皮膚科学分野
教授 横関 博雄

今年は台風の当たり年で、すでに9月上旬で大型台風である21号が四国、近畿に上陸し多くの被害を受けています。温暖化現象がどこまで関与しているかは充分なエビデンスがなく分かっていないようですが、日本が熱帯地域になりつつあるのは明らかな気がします。

最近、ある医大で女性の合格者を意図的に減らすような入試体制をとっている事が発覚しました。さらに、一般の論説で女性医師が半数以上を占めると医療体制が崩壊すると論じられていました。しかし、すでに女性医師が半数以上を占める欧州の国々では女性医師を支える医療システム、パートナーの援助などが充実して完全とはいえませんが妥協できる医療体制が確立されてきています。友人であるボン大学教授のビーバー教授に伺ったときは、ドイツでは妊娠がわかり次第産休が取れるシステムで医局員の10人近くが産休を取ったときは大変だったが何とかなったと明るく言っていました。女性医師が妊娠、出産後復帰できない原状は日本の医療システムがあまりにも未熟で、家族特にパートナーの理解があまりにもないのが原因と思います。育児中の女性医師に男性医師と同じ条件で働くことは不可能に近いわけですから週2、3日勤務、時短勤務が当たり前の特任助教、ワークシェアの医員、関連病院の医師などのポストをもっと増やすべきだろうと思います。さらに、保育所などの充実は至急国が対策を打つべき重要な課題と思います。一方、女性医師にも医師、専門医を続ける高い目標、モチベーションが必要でそのためにはsubspecialtyを持つことだと思います。今年の夏、専門医を習得して常勤として勤務していない10人近くの女医さんとヒアリングを行い数名の女医さんは残念ながら退局を希望しました。一方、大学での再教育、専門外来での勤務などを希望する女医さんも多数残っており皮膚病を楽しみながら診療していただければ幸いと思っています。

昨年10月、皮膚科外来に専門外来の一部としてアレルギー先端医療センター外来を開設し、総合アレルギー科としてアトピー性皮膚炎・喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎・過敏性肺臓炎・食物アレルギー・薬物アレルギー・蕁麻疹・金属アレルギーなどのアレルギー疾患の専門性の高いトータル・ケア 、生物学製剤・遺伝子療法・レーザー療法、免疫療法など最先端療法を提供するとともに総合アレルギー専門医の育成も行っています。先日、東京医科歯科大学の記者会見でこのセンター立ち上げを報告しました。さらに多くに人に認知していただくよう今年9月30日に当大学の呼吸器内科、小児科、耳鼻科、皮膚科が講師として総合的にアレルギー疾患を市民に理解していただくための市民公開講座も開催します。多くの皆様に参加していたいと望んでいます。また、今後も多くの先生方、看護師さん、栄養士さんなどのご協力をよろしくお願いいたします。

今年の当教室の最も喜ばしい出来事は当教室の形成班に最初に入局した形成外科講師であった森弘樹先生が当大学形成外科の主任教授に決まったことです。森先生は皮膚科内形成外科班に入局し形成外科班のチーフである梅田講師に形成外科の基本を学び1999年に秦教授が形成外科を立ち上げたときから岡崎教授が就任して退任する昨年まで東京医科歯科大学形成外科のパイオニアとして主に乳房再建術を専門として活躍なさっています。今後もさらにご活躍なさることを祈っています。
今後も医局員の和を大切にして切磋琢磨してまいりますので同窓会ならびに関連病院、連携大学の諸先生方の更なるご指導、ご鞭撻お願い申し上げます。

平成30年9月5日
東京医科歯科大学皮膚科 主任教授
横関博雄

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