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教授あいさつ

発汗異常外来から発汗異常先端医療センターへ

東京医科歯科大学大学院
皮膚科学分野
教授 横関 博雄

包括的で横断的な先進医療を行えることのできる体制を作りを

 今年は関東では梅雨の時期に十分雨が降らず東京も水不足が心配されています。さらに、今年は猛暑が続く暑い夏になりそうですが、熱中症の十分な予防が必要になるでしょう。私が専門にしている無汗症は熱中症の対策が生きていく上で必要不可欠であります。今年はそのような患者さんに厳しい夏になりそうです。一方、以前より厚生労働省難治疾患事業研究班で発汗異常症である多汗症、無汗症の診断基準、重症度など診療ガイドラインを作成して参りました。先日、無汗性外胚葉形成不全症の患者さんの親御さんが市会議員でいらっしゃったためこの病気を指定難病に申請してもらいたいとの強い要望が出されました。国会議員も加わり希少難病患者さんへの取り組みに関しての問題点を議論いたしました。

実は無汗性外胚葉形成不全症に対する蛋白補充療法がすでにアメリカでは第1相臨床治験として始まっています。是非、本邦でも医師主導型臨床治験としてこの治療法を導入したいと思っていますが臨床試験をサポートする体制、遺伝子情報を管理し患者の会との連携を組んで必要な遺伝子異常のある乳児を探しだし早急に臨床治験に組み込むことができる体制が必要となっています。

無汗性外胚葉形成不全症は患者の会が充実しています。全国の50家系以上の患者さんがいらっしゃいます。非常に協力的で今回の研究班のアンケート調査、遺伝子調査にほとんどの方が参加していただけることになりました。ほぼ今年度中に遺伝子検索も終了することができそうですが次のステップの医師主導型臨床研究のハードルがまだ高いようです。

東京医科歯科大学ではリウマチ膠原病、難治性神経疾患、難治性消化器疾患、頭頚部腫瘍、泌尿器腫瘍などの先端治療部が難病の治療、臨床治験を集約的に行っていますが将来的には独立した難病センター化への移行を目指しています。現在、発汗異常外来で藤本先生、宗次先生を中心に年間1500人程度の発汗異常症の患者さんを診察しています。

近い将来、この発汗異常外来を発汗異常先端医療センターとして立ち上げ包括的で横断的な先進医療を行えることのできる体制を作りたいと思います。今後はAMEDを中心に難病対策センターが立ち上がりいくつかの難病拠点病院との連携が必要になるのではないでしょうか? このような取り組みはすでに大阪大学で進められているようですが当大学でも積極的に対応していきたいものです。

さらに今年10月に軽井沢で第12回日独皮膚科学会を開催する予定です。すでに69題の演題が集まり盛会になりそうです。前回はハイデルベルク大学皮膚科教授のEnk先生がアカデミックな内容と臨床的な内容をうまく組み合わせた素晴らしい学会を運営し盛会な学会でした。今回も軽井沢で開催する日独皮膚科学会を日本皮膚科学会、日本研究皮膚科学会、ESDRと協力して主に臨床を主体とした学会として運営しますが研究面でも最新の研究が学べる幅広い内容を企画していますので是非、多くの先生方の御参加お願いいたします。今年はESDRがドイツのミュンヘンで開催されます。ドイツではまだ若い優秀な研究者がグローバルな研究を精力的に行っているようです。

私たちの教室でも非常に優秀な大学院生が多数入学していますので今後も発汗学のみならず、皮膚アレルギー腫瘍免疫、再生学も含めた幅広い分野で疾患の病態を解析するために基礎研究体制の充実に努力していきます。今後も医局員の和を大切にして切磋琢磨してまいりますので同窓会ならびに関連病院、連携大学の諸先生方の更なるご指導、ご鞭撻お願い申し上げます。

平成28年7月25日
東京医科歯科大学皮膚科 主任教授
横関博雄

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