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医学部の英語教育 膠原病・リウマチ内科講師 高田和生
「医学英語」の概要
本学が掲げる教育理念・目的(「幅広い教養と豊かな感性を備え、広い視野と高い倫理観を持ち、自ら問題を提起し解決する姿勢に富み、医学のフロンティアを切り開く創造能力があり、地球的規模で働く国際人としての意識を持つ医師・医学研究者の育成」)のためには、以下に挙げる資質を養うことが不可欠である。
・ グローバルスタンダードに沿った医療を提供する
・ 基礎・臨床研究を行い、情報を世界に向けて発信する
・ 国際舞台で意見交換を行い、生命科学の発展に貢献する
「グローバル・スタンダードに沿った医療」とは、どういうことだろうか。医学知識は日々更新されており、最良の医療を提供していくためには古い知識を信頼性のある最新の知識で常に更新していく必要がある。では最新の知識はどのように発信されているのだろうか?科学に関する世界の共通言語は英語である。したがって最新の知識は学会や主要な雑誌に常に英語で発信されており、それらを理解する能力が必要である。
また、臨床問題解決過程においては、検査に過常依存するのではなく、系統的に収集する病歴と身体所見を有効に利用し、正確で、網羅的で、効率の良い診断的評価を進めていかなければならない。実際、診断の80%は病歴と身体所見で判明しうるといわれている。そしてこの技術の教育は米国を中心とした欧米で既に確立されており、日本の医学教育も欧米に追いつくよう改善されなければならない。
更に、新しい基礎・臨床知識を世界に向けて発信する際にも英語が必要であり、そして国際舞台で意見交換し議論するためにも当然英語が必要である。つまり、本学が掲げる教育理念・目的の実現に必要な上記資質を獲得するには、単に医学知識の習得だけでなく、以下の能力の習得が必要である。
1) 英語による医学情報(論文やデータベース)を読む能力
2) 英語により情報発信を行い、また国際舞台で議論する能力
3) 臨床問題解決における、病歴・身体所見を重視した米国式アプローチを実践する能力
したがって、本学における「医学英語」コースでは、単なる「言語」としての英語力の習得ではなく、これら3つの能力の習得を到達目標に掲げ、それらに対する学生による必要性の認識、および自己主導的学習をサポートするための学習機会を提供している。
本学「医学英語」コースでは、上述した3つの到達目標を達成するために、現在以下の学習方法を用いている。
(1) 医学関連英語語彙・フレーズの習得
「言語」としての医学英語の習得には、学習者の学習ステージ・既に蓄積された知識に配慮したプログラムを組むことが大切である。医学部入学後の医学知識・臨床技能の習得は、図2に示すように各学年で異なる。
図2:本学医学科入学後の、医学知識および臨床技能習得
したがって、本学「医学英語」コースではこの表にもとづく医学知識・臨床技能習得ステージに合わせた学習スケジュールを組み、オンライン教材も利用し、発音も重視した学習を行っている。具体的には指定教科書または資料配布の形で、毎回あらかじめ学習内容を指定し、授業の最初にクイズ形式で習得度の確認を行っている。
(2) Small group discussion
科学に関する世界の共通言語である英語を使って、実際に情報や意見を発信し、それを理解・解釈し、議論し、真理を追究する技能を修得するために、2から4人ずつよりなるSmall
group discussionを行っている。各セッションはネイティブ・スピーカーおよび米国専門医資格をもつ医師をmoderator/facilitatorとして配備した学習者主体のものであり、また論点には図2に示した医学知識・臨床技能習得ステージを考慮したものを選定している。論点は以下の通りである。
【医学英語I】
第1/2学年:新聞・雑誌などの、「健康・医学」関連トピック記事
【医学英語II】
第3学年:主に倫理的問題を中心とした症例検討
第4学年:臨床問題解決における米国式アプローチ習得およびEBM(Evidence−based medicine)概念理解/実践も兼ねた症例検討
(3) 臨床問題解決における米国式アプローチの教育
正規授業は第4学年までだが、それ以降も様々な形を通しての学習をサポートしている。特に第5/6学年を対象とした(自由参加)、米国式アプローチを通した臨床判断のための症例基盤型学習機会(米国人医師による)を定期的に企画している。
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