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オートファジー関連の研究成果

アルツハイマー病モデルマウスの神経細胞における食事制限時のオートファジーのようす
(岡澤均教授の研究成果より)

 2016年の東京工業大学の大隅良典栄誉教授のノーベル医学生理学賞受賞でにわかに注目が集まっている「オートファジー」ですが、大隅栄誉教授とともにオートファジー研究を行ってきた水島昇教授(2006年から2012年まで東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 教授、現在は東京大学 大学院医学系研究科 教授)の研究をはじめ、オートファジーを土台にした多くの研究が東京医科歯科大学で行われてきました。これまでの東京医科歯科大学のプレスリリースからその一部を紹介いたします。

 関心をお持ちの研究がありましたら、下記より取材のお申込みをお願いいたします。

取材のお申し込みはこちら
  http://www.tmd.ac.jp/kouhou/syuzai/index.html


Atg5非依存的オートファジーと様々な病気との関連
(難治疾患研究所 病態細胞生物学分野 清水重臣教授)

赤血球の分化プロセスにおけるオートファジー

 オートファジーの仕組みが最初に発見されて以来、オートファジーの実行にはAtg5, Atg7, LC3などの分子が不可欠だと考えられてきました。清水重臣教授の研究グループはAtg5分子を使わないオートファジー(Atg5非依存的オートファジー)を発見しました。(細胞を浄化する新たなメカニズムを発見〔2009年9月28日プレスリリース〕)

 さらに、細胞が成熟した赤血球に分化していくなかで起こるオートファジーがこのAtg5非依存的オートファジーであることを解明し、正常な赤血球の活動を妨げる細胞内のミトコンドリアが除かれるオートファジーの過程にUlk1という分子が関与していることを明らかにしました。そして、このオートファジーの異常が貧血の原因の1つとなりうることを発見しました。(「赤血球からミトコンドリアが除かれるメカニズムを解明」―新しいタイプのオートファジーが関与―〔2014年6月4日プレスリリース〕)
 
 2016年には放射線や薬剤によって細胞のDNAが傷つけられた際にオートファジーがどのように細胞自身を守る働きをするかを解明しました(「放射線による細胞死を抑制する新たなメカニズムを解明」―オートファジーの新たな細胞保護機構―〔2016年9月30日プレスリリース〕)また、膵臓のβ細胞などにはオートファジーとは別のタンパク質分解システム(”GOMED"と命名)が存在し、このシステムが低血糖時のインスリンの過剰分泌を抑制していることを明らかにしており、糖尿病の予防や治療法開発への寄与が期待されています(「細胞内のタンパク質を分解する新しい仕組みGOMEDを発見」―糖尿病罹患者の血糖調節への関与の可能性―〔2016年8月17日プレスリリース〕)。

過度な食事制限によるアルツハイマー病進行の可能性
(難治疾患研究所 神経病理学分野 岡澤均教授)

アルツハイマー病モデルマウスの神経細胞における
食事制限時のオートファジーのようす

「飢餓により誘導されるオートファジーに伴う”細胞内”アミロイドの増加を発見」―過度な食事制限はアルツハイマー病を加速する可能性を示唆―〔2015年7月14日プレスリリース〕

 さまざまな臓器の細胞において、飢餓状態でオートファジーが活性化されることが明らかになっています(誘導性オートファジー)。このことから脳の神経細胞でも、食事制限によりオートファジーを活性化させることでアルツハイマー病の原因となる異常なタンパク質(アミロイドβ)を分解できるのではないかという仮説が立てられていました。
 岡澤教授の研究グループは生きたマウスの脳内の神経細胞を観察することで、脳内でも飢餓状態がきっかけとなる誘導性オートファジーが発生することを明らかにするとともに、この誘導性オートファジーが神経細胞内外のアミロイドβをうまく分解できないだけではなく細胞死をもたらすことを発見しました。この事実は先の仮説を否定し、過度な食事制限がアルツハイマー病の進行を加速させる可能性を示唆するものとなりました。

オートファジーを介した新たな高血圧治療の可能性
(大学院医歯学総合研究科 腎臓内科学分野 内田信一教授)

 「アンジオテンシンIIによる血管収縮にオートファジーが関与」―高血圧の新規治療法開発への応用が期待 ―
 〔2015年1月17日プレスリリース〕

 腎臓内科学分野の内田信一教授の研究グループは、生理活性物質であるアンジオテンシンIIがきっかけで起こる異常な血管収縮の仕組みを明らかにしました。この仕組みにも血管平滑筋細胞内のオートファジーが大きく関係しており、このオートファジーを制御することで高血圧の原因となる血管収縮をコントロールすることができると期待されています。

アンジオテンシンIIによる血管収縮のしくみ

クローン病とオートファジー
(大学院医歯学総合研究科 消化器病態学分野 渡辺守教授)

リンパ球の生死を決める仕組み

「クローン病発症に関わる遺伝子が炎症を起こす原因細胞の生死を決めることを発見」―炎症性腸疾患の新規治療法開発への期待―〔2015年7月1日プレスリリース〕


 クローン病は我が国における罹患者数が増加し続けている原因不明の炎症を小腸・大腸を中心におこす難病です。この研究ではクローン病感受性遺伝子 TNFAIP3 の機能解析を行い、ゲノムワイド関連解析によりクローン病の本質に関わる可能性が示唆されていたオートファジーとの関連を明らかにしました。

 この他に,オートファジー研究の第一人者である本学医学部医学科卒業生の水島昇教授(現・東京大学医学系研究科教授)が東京医科歯科大学在籍時代(2006~2012年)に発表した研究成果は現在世界中で行われているオートファジーに関連する研究の基礎になっています。

● 哺乳類胚発生におけるオートファジーの役割を解明〔2008年7月4日プレスリリース〕
● オートファジーによる細胞内浄化が腫瘍発生を防ぐ〔2011年4月15日プレスリリース〕
● 細胞内分解オートファジーの鍵となる分子発見〔2012年12月7日プレスリリース〕