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ホーム  > 医科歯科大をもっと知る  > 広報部特集記事  > 熊本地震への東京医科歯科大学DMATの派遣について(活動報告)

熊本地震への東京医科歯科大学DMATの派遣について(活動報告)

このたびの熊本地震において犠牲になられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災をされた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。東京医科歯科大学は4月18日から21日の4日間にわたり、被災地へDMAT(災害医療支援チーム)を派遣いたしました。被災地での活動について、ご報告させていただきます。


概要

活動期間

2016年4月18日(月)から21日(木)

活動場所

● 熊本赤十字病院(熊本県災害拠点病院)
● 益城町

派遣メンバー(DMATにおける役割・氏名)

医師3名、看護師1名、救急救命士1名、業務調整員1名の計6名

主な活動内容

● 活動拠点本部における情報収集・連絡等の活動
● 熊本赤十字病院救命救急センターの外来診療支援
● 被災現場(益城町)での視察・救護活動
● 熊本大学医学部附属病院、熊本市民病院におけるヒアリング調査

被災地での活動

4月18日11時45分に厚生労働省日本DMAT事務局からの要請に基づき、東京医科歯科大学DMAT 6名が被災地へ向けて出発しました。地震の影響で熊本空港が閉鎖されていたため、福岡空港で全国各地から参集した他のDMATと合流し、バスで熊本へ向かいました。熊本県の基幹災害拠点病院である熊本赤十字病院に到着したのは同日夜8時すぎのことでした。

熊本赤十字病院には本学DMATを含む約35隊が参集しており、熊本県庁に設置された災害対策本部の指揮のもと、連携しながら災害医療支援を行いました

到着した18日は宿泊施設が確保できず、余震が続く中、熊本赤十字病院内で仮眠をとることになりました

本学DMATは翌19日から活動拠点本部でEMIS(広域災害・救急医療情報システム)の管理・更新のほか、被災地域の医療機関の状況を調査し熊本県庁に設置された災害対策本部に報告を行ったり、支援・物資のニーズを把握して今後の支援の方向性を検討するなどの活動に従事しました。このような拠点における活動のあり方について、宮前看護師は次のように語っています。「今まで日本が経験してきたことが、今回の支援活動につながっていると考えています。不足するニーズに対してただ資源を投入するのではなく、災害医療コーディネーターを中心に、地域の方を活かす形で調整が行われていました。その中で私は医療者として活動の中心は現地の方々であり、自分たちはその活動を支援しているのだという意識を持つことができました。」

翌20日には本学DMAT隊員の2名が熊本大学医学部附属病院の救命救急センター、熊本市民病院などを訪問して、現地の状況について意見交換をしました。

主に発災直後の活動を担うDMATのニーズが充足したため、20日午前で熊本赤十字病院の活動拠点本部は撤収となり、同日午後からは災害対策本部からの依頼に基づき、落合医師・八木医師・宮前看護師が熊本赤十字病院救命救急センターの診療補助に従事しました。

診療補助業務が終わったのち、本学DMATは特に被害が大きかった益城町を訪れました。比較的被害が小さかった熊本赤十字病院周辺とは異なり、益城町では多くの家屋が倒壊し、道路が地割れするなど、その被害は甚大でした。益城町の視察中には、ユニフォームの"DMAT"の文字を見た通行人の方からの駆け込み要請を受けて、車内での避難生活で体調を崩された高齢者の救護に携わる場面もありました。その時のことを後藤業務調整員は次のように振り返っています。「涙を流し、不安そうにするご家族に宮前看護師が『大丈夫です。今すぐどうにかなる症状ではないので安心してください。』と肩をたたき、声掛けをしたところ、ご家族の表情が和らぎ、すごく安心されたような様子だったのが印象的でした。長い避難生活で健康が心配される中で医療者の言葉が被災者の心の安心にも繋がることを感じた場面でした。」

益城町の被災状況視察の様子(20日午後)

益城町における被災者救護活動の様子(20日午後)

被災地での視察・救護活動を終え、本学DMATは翌21日夕方に本学へ帰着しました。

災害支援活動を振り返って

今回の災害医療支援に参加された本学DMATを代表して3名の方に、それぞれの立場から今回の活動での経験と今後の災害支援について伺いました。

医師 植木穣さん
以前に比べ、院内でも災害支援・災害派遣ということが認知されてきており、今回の派遣では、これまでになくスムーズに派遣まで到達することができました。今後もさらに、院内の理解を深めていくとともに、災害に関わる人員の拡充を図っていきたいと考えています。また、当院が被災するような災害(首都直下地震など)の際に、そういった支援を受け入れる「受援」という考え方の啓蒙も行っていきたいと考えています。

看護師 宮前繁さん
医療者から見て困っていそうなことと、そこに暮らす人が困っていることは必ずしも一致しません。同じ日本であっても生活環境は異なります。元の生活を知らない者が考えたことのみで動くのではなく、そこに暮らす方々がどのように捉えており、そこにどんな健康問題が生じているのかを見極める事が必要であると考えました。その時、私たちは医療者として、ただ医療を提供するのではなく、求められている事へ柔軟に対応する姿勢を持たなければならないと痛感しました。

業務調整員 後藤宏樹さん
災害支援の現場では事務職員にも非常に重要な役割が多くあるということでした。医療のみならず、活動拠点本部内での活動やチームの情報記録・被災状況の共有など前に出て活動する場面が多くあります。本院は、東京都の災害拠点病院に指定されており、災害時には災害医療活動の中心としての動きが求められます。よって、今後発生が予想される首都直下型地震に備え、医学部附属病院のみならず、歯学部附属病院、本部の全事務職員が災害対応を行えるような体制を整備していくべきだと感じました。

東京医科歯科大学では東京都災害拠点病院として今後発生しうる災害に対する備えを強化するとともに、今回の熊本地震の被害を受けられた方々に対して引き続きご支援を行ってまいります。

隊員インタビュー(全文)