「東京医科歯科大学基金」創設の趣意書

「東京医科歯科大学基金」創設の趣意書

   学長 田中 雄二郎



世界の第一線で活躍し得る
研究者、指導者の育成のために
皆様のご支援をお願い申し上げます
 東京医科歯科大学は、医療系総合大学院大学として、「幅広い教養と豊かな感性を備えた人間性の涵養を目指す」、「自己問題提起、自己問題解決型の創造力豊かな人材を養成する」、「国際感覚と国際競争力に優れる人材を養成する」の3つの教育理念を掲げ、社会の要請に応え得る医師、歯科医師、コ・メディカルスタッフを養成するとともに、世界の第一線で活躍し得る研究者、指導者の育成を目指し、成果を挙げてまいりました。

 また、平成21年度には、「知と癒しの匠を創造する」を本学のミッションとして定め、3つの教育理念とともに本学がどのような人材の養成を志すのかを明らかにしています。この使命のもと、本学は大学の国際化に取り組んでおります。南米チリには「東京医科歯科大学ラテンアメリ力共同研究拠点」、西アフリカのガーナ野口記念医学研究所には「新興・再興感染症研究拠点」を置き、医師・研究者を常駐させ、研究教育、治療法の開発にあたっています。またタイ国チュラロンコーン大学には「チュラロンコーン大学-東京医科歯科大学研究教育協力センター」を設置し、本学同窓生の支援や学術交流事業、国際医療ネットワークの構築を推進しています。

 海外拠点には学部学生に5か月程度の短期留学が可能となるように奨励金を支給して積極的に派遣しています。大学院生にも海外での武者修行のための研究奨励賞を設け、渡航費及び滞在費等を援助することにしました。

 海外からの留学生受け入れはグローバル化社会においては必須の課題でもあり、本学は医療系大学として最も多くの留学生受け入れの実績を有しています。しかし、アジアの医療の中心拠点となるためには、さらに多くの優秀な留学生を受け入れる必要があります。サマープログラムの開催や情報発信の強化を行い、そして入試特別枠の設定や留学生のための本学独自の奨学金制度も設ける予定です。また、受け入れた留学生や研究者が存分に力が発揮できる教育・研究環境を整備する必要もあります。

 このような教育・研究環境の整備や国際交流事業の推進には、将来にわたって安定した独自の財政基盤の充実が必要です。このため、「東京医科歯科大学基金」を創設し、多くの企業・団体・個人の皆様にご協力をお願いすることにいたしました。

 グローバルな東京医科歯科大学の発展のために、そして国際性豊かな人材の養成のために、格段のご協力を賜りますようお願い申し上げます。