生体材料工学研究所オープンキャンパスの実施

 東京都の最高気温記録を更新する猛暑の中,7月28日に受験生・高校生を対象とした 本学の大学説明会が湯島地区で開催されました。 これに呼応して,駿河台地区でも生体材料工学研究所と難治疾患研究所が連携して オープンキャンパス・研究室公開を開催しました。 国立大学法人化と少子化,さらには理科離れによる大学淘汰の時代を迎え, 「より優秀な学生を集めることが本学の発展に最も大切である」 と学長が常々述べられておられますが,先端研究の拠点として, さらには大学院生の教育機関でもある附置研究所においても優秀な人材確保は最優先課題であり, オープンキャンパス・研究所公開は医療関連学部を志望する若い人々に 附置研究所の存在とその研究理念・成果をアピールする良い機会でもあります。 そこで,本年は昨年の幾多の反省を踏まえ,かつ,難治疾患研究所・野田教授の手厚いご支援や, 当研究所内に研究拠点を置く大学院疾患生命研究部の3講座にもご協力をいただき, 所内一丸となって取り組むべく,発足後間もない広報委員会に所属する若手の教職員が主体となって 準備をすすめました。

 当日は,当研究所が先端医療を支える機器や生体材料の開発拠点であることをPRするために, 下記の研究テーマに沿って受験生・高校生にもわかり易い研究紹介ポスターを研究 所玄関に掲示し,各分野に所属する大学院生がこの説明役を担いました。 そこでは,はつらつとして自らの研究を紹介する姿とともに, 見学者の予期せぬ素朴な質問に戸惑う光景も垣間見られ,説明役にとっても自らの研究を 再認識する貴重な場であったと思います。また,同じ建物に居ながら 興味を持つこともなかった他の研究分野の研究を知る良い機会となり, 若手研究者や学生間に所内交流のきっかけが生まれたことは予期せぬ収穫でした。

くすりの科学

最前線のバイオマテリアル
バイオサイエンスで薬を創る
生体を超えるポリマー
バイオセラミックス
金属と生体との融合化
生体力学とバイオデバイス
バイオ&ITで未来を探る
運動を測り、運動を助ける
QOA(クオリティ・オブ・エイジング)の探求
人工臓器を創る
構造生物学と薬の設計
分子の構造と機能から創薬へ
モデルを使って生命を探る

 その後,イベントマップを手にした見学者が館内の各所に設定された デモ会場や公開された研究室を訪れました。そこでは,具体的な研究内容 や研究設備についてより丁寧な説明を聞くだけでなく, 積極的に受験相談や大学院進学に関する質問をするなど,予想外の対話が随所で見られました。 特に,骨粗しょう症,白血病や糖尿病といった受験生・高校生にも耳に馴染みのある 病気の治療を目標とした薬の開発実績や進行状況の話には大きな反響がありました。 また,拍動している人工心臓には思わず感動の声があがったり, 歯科充填用ポリマーの光重合実験,医療用金属材料の強度試験, あるいは歩行運動の動作解析などの公開実験は見学者に強い印象を残すことがアンケートにも 記されており,今後の公開様式を考える大きなヒントを提供する結果となりました。

 見学者は総勢200名を越え,公開予定時間を繰り上げた9時半から, 時間延長した19時過ぎまで絶えることなく所内を見学されました。アンケート集計によると 52%を占める高3・受験生に加えて高1・2年生が30%,現役大学生が10%にも達しており, 低学年時から理系への興味を喚起するための参加型オープンキャンパスや,大学院受験生の ためのオープンキャンパスの必要性が浮き彫りにされました。 また,今回のオープンキャンパスを43%がホームページ上で,35%が学校案内で知ったと 回答していますが,後者の大部分が高3・受験生であり高校等での進学指導が行き届いている 状況がわかります。同時にインターネット情報が来春の受験希望者のみならず 幅広い層に活用されていることも確認されました。平均滞在時間は1.3時間程度でしたが, 高3・受験生は湯島地区で開催された全体・部局ごとの説明会終了後に押し寄せており, 平均滞在時間より若干短いために,もっと見たいという希望がかなり見受けられました。 一方,高1・2年生および現役大学生の場合は午前中から来てゆったり見学するという傾向がわかり ,オープンキャンパスの時間帯の設定や開催の時期に一工夫必要かと思われます。

 アンケートでは全見学者の91%が好印象を記しており, 特に名指しでお褒めの言葉をいただいた説明者までいました。  後日お聞きした所員の方々の感想も総じて好評であり, この結果は,不慣れながらもオープンキャンパスの開催準備と実行に協力いただいた 教職員・研究員・学生の皆様,ならびに玄関内外の展示場所の設営にご尽力いただいた 当研究所事務部の皆様方のご協力の賜物です。紙面をお借りして御礼申し上げます。

生体材料工学研究所 世話人一同

 以上の記事は、本学学内報第468号(平成16年9月)に収載された記事を転載しています。 本稿を閉じるにあたり、猛暑にもかかわらず生体材料工学研究所と難治疾患研究所に ご来研いただきました多数の皆様方に心より御礼申し上げます。 来年は当研究所の先端研究と大学院教育プログラムを、より充実した内容で、 わかりやすくご覧いただけますように工夫いたしますのでご期待ください。 所員一同、多くの方々のご来研をお待ちいたします。


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