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教科書紹介


教科書紹介

本プログラムでは、プログラムの主旨の則ったオリジナルの教科書・教材を作成し、各授業を行っています。その一部をご紹介します。

新・生体材料工学


はじめに

受講のご案内 教科書 我が国の医療産業を支えるデバイス、機器、薬剤は、根幹技術として十分高い国際的レベルにあるもかかわらず、医療製品の国産化比率は、輸入超過4600億円超ときわめて低い。特に、カテーテル、骨接合用品、人工股関節、ペースメーカー、人工膝関節、人工弁の輸入率は80%を超えている。この輸入超過の原因として、企業の関心、許認可制度、医療保険制度などの障壁が常にあげられる。しかし、これらに加えて、医療デバイスの応用研究を急ぐあまり、基礎にまで立ち返った概念を十分に理解できる人材を産菓界に輩出してこなかったこともその一因である.米国においては、医療工学に関する教育カリキュラムが学部・大学院ともに充実しており、優れた教科書も多く出版されている。また、これらを修了した学生を受け入れられる産業構造となっている。国内の現状では産業化の研究を支えているのは大学院修士課程修了者であり、その教育はきわめて重要であるにもかかわらず研究指導に重点が置かれ、統一的な思想に基づく系統だった教育が行われているとは言い難い。このような現状を打開するためには、医学、歯学、工学、薬学までを広く網羅した知識を習得し、医療産業において実践的かつ戦略的に研究開発を行い、実用展開できる人材を養成する必要がある。

本番は科学技術振興財団科学技術振興調整費振興分野人材養成プログラム 平成17年度採択課題「医歯工連携による人間環境医療工学の構築と人材育成」(代表山下仁大東京医科歯科大学生体材料工学研究所所長)の事業の一環として発行するものである。
本プログラムは、広く医療に頁献する人材養成を目的としているが、特に医療工学、歯科医療工学に関わる我が国の人材不足の現状打破を強く意識している。本番は、この医歯工連携に必要な「人材養成」のための教科書としての責務を果たすことを目的としている。
本書では、「医歯工連携」に関連する各分野の基礎的な解説と先進の情報を盛り込んでいる。大学4年生までの学生緒君には、各章の前半部分を重点的に読み込んでいただきたい。大学院修士課程および博士課程の大学院生には、自身の専門以外の分野への導入と理解を深めるためのテキストとして最適である。専門分野の研究者諸氏にとっては、医歯工連携の全体を俯瞰するための手助けとなるであろう。特に、医学研究者、歯学研究者、工学・薬学研究者のそれぞれにとって、医歯学「連携」を意識した研究の組み立てを考えるときの指針となれば、執筆陣にとっても大きな喜びとなる。
本番の構成は、大きく分けて3部からなる。第1章および第2章では、連携の成果として医学および歯学の医療現場で実際に応用されている事項について、医学研究者および歯学研究者が解説する。第3章から第6章では、バイオマテリアル、バイオシステムおよびケミカルバイオロジーの3つの医歯工連携の柱について、詳細に記述している。最後に、第6章において医歯工連携のこれから進むべきひとつの道として、先進医療技術について解説する。

最後に、本書を発行するにあたり、文部科学省ならびに科学技術振興財団に感謝の意を表する。本書が、我が国の医歯工連携を支える礎となることを祈念する。

目次
1・医学と工学
  1-1.生体類似人工骨の開発
2.歯学と工学
  2-1.生体材料と歯学
  2-2.歯科インプラント治療と生体材料
3.バイオマテリアル
  3-1.有機材料
  3-2.無機材料
  3-3.金属材料
4.バイオシステム
  4-1.人工臓器
  4-2.生体計測センサ
  4-3.バイオデザイン
  4-4.生活支援
  4-5.インフォマティクス
5.ケミカルバイオロジー
  5-1.ケミカルバイオロジー概論
  5-2.生体情報に基づいた創薬標的の探索
  5-3.バイオミメティック
  5-4.核内受容体の医薬化学
  5-5.ケミカルバイオセンシング
6.先端医療技術
  6-1.再生医療用材料
  6-2.ドラッグデリバリーシステム(DDS)
  6-3.バイオチップ
  6-4.医療ロボティクス
索引


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