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研究内容 RESEARCH

1.電気化学的表面処理による金属の生体機能化

金属表面への生体機能分子の固定化や陽極酸化などの電気化学的表面処理技術により、金属系バイオマテリアルの生体機能化を進めています。生体機能分子を利用したタンパク質吸着、血小板粘着、バイオフィルム形成の制御や、耐摩耗性の向上、また陽極酸化による皮膜形成を利用した組織適合性の向上を実現する表面処理技術の開発を行っています。

ポリエチレングリコール固定化によるタンパク質吸着抑制
ポリエチレングリコール固定化による
タンパク質吸着抑制
陽極酸化による生体活性の向上
陽極酸化による生体活性の向上

2. 生体用新合金および多孔質金属の開発

様々なインプラント材料に要求される力学的機能と生体適合性を兼ね備えた新規な生体用合金の開発を行っています。高強度・高延性を両立する歯科用コバルトクロム合金の開発や、積層造形技術での成形により、骨と同等の弾性率を保持する高機能多孔質金属などを開発しています。

新規合金の溶製 新規合金の溶製
新規合金の溶製
積層造形技術により作製した多孔質金属試験片
積層造形技術により作製した
多孔質金属試験片

3. MRIアーチファクトを抑制する新規合金の開発

MRI診断においてアーチファクト(画像のひずみ)や発熱を起こさず、使用が可能な脊椎固定具、脳動脈瘤クリップ、人工関節、歯科インプラント等の生体用合金の開発を行っています。構成相と微細組織を制御することにより、低磁性を有し、高強度・高耐食性を兼備するZr合金の開発を進めています。

脳動脈瘤クリップ
脳動脈瘤クリップ
歯列矯正器具
歯列矯正器具
医療用金属材料と開発した材料の磁化率
医療用金属材料と開発した材料の磁化率

4. 金属アレルギーへの対応

金属系バイオマテリアルにとって重要な課題である金属アレルギー問題に対し、原因となる金属イオンの溶出を抑制するための合金や表面処理法の検討を行っています。また、アレルギーを判定するための新たなパッチテスト試薬の開発に向けた研究を進めています。

金属アレルギー症例 金属アレルギー症例
金属アレルギー症例

大学・企業との共同研究

北海道大学, 東北大学, 東京大学, 東京工業大学,大阪大学,東京女子医科大学,芝浦工業大学, 日本大学, 大阪大学, スイス連邦工科大学ローザンヌ(EPFL), 韓国慶北大学, ポルトガルミンホ大学, フィンランドオウル大学, チェコマサリク大学, 鳥居薬品(株), (株)ジーシー, (株)IHI, 京セラメディカル(株), 帝人ナカシマメディカル(株)など

学内との共同研究

摂食機能保存学,歯髄生物学,先端材料評価学,部分床義歯学,インプラント・口腔再生医学・再生医療,咬合機能矯正学,顎顔面矯正学,脳神経機能外科学など

研究室出身者の主な就職先

大学・研究機関: 東北大学, 山形大学, 工学院大学, 関西大学など
官公庁: 特許庁, 医薬品医療機器総合機構(PMDA)など
企業: (株)IHI, 京セラメディカル(株), テルモ(株), 日本ストライカー(株), (株)ジーシー, 日本ライフライン(株), TOTO(株), DOWAホールディングス(株), クラリオン(株), (株)日立メディコ, 貝印(株), (株)ディスコ, 田中貴金属(株)など

主な研究プロジェクト