代表者挨拶

独立行政法人日本学術振興会は、日本・中国・韓国の研究機関が連携して世界トップレベルの学術研究、地域共通の課題解決に資する研究及び優秀な若手研究者の育成を行うことにより、3カ国を中核としてアジアに世界的水準の研究拠点を構築することを目的として、先見性や将来への展望などを意味する"foresight"の名を冠した「日中韓フォーサイト」事業を実施しています。本事業においては、3カ国の研究機関は、「共同研究」、「学術会合(セミナー)」、「研究者交流」を効果的に組み合わせて実施します。

東京医科歯科大学 湯浅保仁

研究交流目標

胃がんは日本・中国・韓国において頻度の高いがんであり、胃のがん化過程には、エピジェネティックな変化(遺伝子そのものには変化は無いが発現が変化する)が重要です。

3カ国の当事業に参加する胃がん研究者が所属する各施設は、研究拠点として既に世界的レベルにあります。これらが、交流・共同研究を行うことで、3カ国の多数の胃がん症例におけるエピジェネティックな変化を徹底的に解析して、共通点・違いを明らかにします。疫学的にも3カ国の胃がんの相違点を解析します。これらの共同研究により、胃がんの新たな早期診断、予防、治療法を開発することを目標とします。以上により、研究拠点としてもさらにレベルをあげることを目指します。

人的交流にも力を入れます。研究者同士の共同研究を通じて日中韓3カ国の相互理解を深めます。さらに国際的に活躍できる人材育成のため、若手研究者の相互訪問及び研究代表者による研究指導にも力を入れるとともに、それにより将来にわたる3カ国間の継続的交流発展を目指します。

実施期間

2009年8月-2014年7月