生物が生きていくためには水の存在が必須であり、ヒトの体重のおよそ60%は水である。細胞を取り囲んでいる脂質二重膜は水を通過させづらいが、受動拡散と呼ばれる通り方で(脂質と脂質の分子の間を水分子が衝突しながら無理矢理くぐり抜ける)通過する。しかしこれだけでは充分ではない。例えば赤血球や腎臓の尿細管上皮細胞の細胞膜は、受動拡散では説明できない高い水透過性を有している。従って、水を選択的に効率よく通過させる膜蛋白、つまり水チャネルが存在すると想定され、その分子が実際にクローニングされたのは1992年であり、水を通過させる穴に因みアクアポリン(aquaporin, AQP)と命名された。発見者のPeter Agreが2003年ノーベル化学賞を受賞したことから分かるように、この発見は広く生物科学界に大きなインパクトを与えた。

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