インプラント学では・・・・・
インプラント学は,歯および周囲組織の欠損を人工歯根ならびに関連生体材料により修復して,咀嚼器官の機能と形態を回復することを目的とする臨床歯科医学の一部門である。 人工歯根あるいは骨移植材などの生体適合性や物理的特性を考査するために生体材料学的見地から,人工歯根を適用する場の再構成を履践するために形態再建学的見地から,咀嚼や発音などの機能ならびに審美性の回復を図るために機能再構築学的見地からの考究を必要とする学問である。また近年では,顎口腔系の成長発育あるいは老化と人工歯根との関与も研究対象となっている。
卒前教育においては,先進的な医療状況への対応が可能となるように,最新の研究知見に基づいた診断法と治療法の解説を行っている。卒後教育では,インプラント治療に応用される口腔診断学的,口腔外科学的,補綴学的,歯周療法学的な知識と技術の取得を旨とするが,それぞれの専門性に偏することなく一口腔,一人格として患者 を治療するよう研修を行う。研究では,臨床の実践を通して直接的に研究課題を学び取り,その解明を指向するという姿勢をとり,実際には,インプラントを有する顎口腔系の機能,インプラント支持組織の変化,インプラント材料,インプラント受容側の適正化などの多岐にわたる研究課題に取り組んでいる。