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第31回硬組織セミナー

硬組織薬理学分野 大学院特別講義

 

講師:廣瀬 謙造 先生

東京大学大学院医学系研究科細胞分子薬理学・助教授

 

演題「生命機能の動的理解を目指すイメージング」

 

要旨

生命機能を営む上でシグナル分子は空間的・時間的な状態を常に「動的」に変化させている。蛍光イメージングでは、生きた細胞内のシグナル分子を「見る」という戦略でその実態に迫る。我々は現在までに、カルシウム動因を司るIP3を可視化することに成功し、IP3もカルシウム同様に複雑な細胞内動態を示すことを発見した。また、カルシウム依存性の転写因子であるNFATの細胞内動態を可視化し、カルシウム振動による制御機構を明らかにした。最近では、一酸化窒素の蛍光プローブを開発し、その空間的特長とシナプス可塑性との関連を明らかにした。分子イメージングは、分子の時間空間的動態を明らかにする上で非常に有用であり、今後様々な生命機能について動的な理解が進むことが期待される。

 

日時:2005年2月8日(火)17:30〜19:00

場所:歯学部校舎棟4階 第4講義室